三泊四日の『京の旅』は
夢のように過ぎ去った。
出発日から、
「今ここ」を十分に味わおうと
意識していたが、
車中、宿、散策、飲み会・・・と、
孫や教え子、元同僚との
楽しい時間は
あっという間に過ぎ去った。
世に言う
【楽しい時は速く
辛い時は遅い】
という、
まさに「心理的時間」を
改めて知らされた感がある。
今回は、不思議な事に、
出発の新幹線ホームで、
既に、帰り降りた自分の姿を
デジャヴュ的にイメージしたので、
すでに、パラレルワールドで
体験したのか・・・とさえ思った。
*
それでも、
20年来のブロガーとして、
流れ落ちる“砂時計”の
流砂に抗うかのように、
記録もし、こうして、
牛のように反芻をして
二度楽しもうと試みている。
体験中の「今ここ」と
「想い出/メモリー」の両方を
味わおうというのが
ブロガーの貪欲性でもあり、
【人生深生き】
のライフ・モットーにも
適っている。
*
最終日の昨日。
リク坊&ミカママが
日曜に引き続き、
新大阪から新幹線で上京し、
二度目の駅でのお迎えとなった。
互いに見つけ合う
あのシーンが
いちばん感激的かもしれない(笑)。
リク坊も
ジイジ・バアバの姿を
雑踏の中で見つけると
嬉しそうな笑顔になる。
ファースト・コンタクトの
楽しみである。
*
優しいバアバとママに愛されて、
幸せなリク坊。
*
時間順に追ってみると・・・
まずは、初日に
拝観時間に間に合わず
締め出しを喰った
東福寺の本堂に向かった。
在京中には、
幼いフミを連れて
散歩のように幾度も訪れているので、
やっぱり、ホッとする
場所である。
そこに、
世代を超えた「初孫」が収まると、
感慨深いものがあった。
まだ、関西在住1年目の
東京っ子のミカちゃんも、
「まだ、京都は、
ミーハー・コースしか
行ってません」(笑)
とのことで、
人の少ない隠れた名所・古刹を
堪能していた様子だった。
教員歴43年のカミさんは、
去年の夏にも
修学旅行で、生徒の自由行動中に
同僚の先生方と訪れたという(笑)。
仕事で忙しい
フミ吉パパの代わりに
バアバがお手々つないで・・・。
バアバとリク坊の
『聖母子像』構図。
**
この日は、
お彼岸とあって、
普段は公開されていない
お堂が開け放たれ、
金色の秘仏を
外から見ることができた。
初めて見る
神々しい仏様なので、
手を合わせて
旅行中の無事と
家族の無病息災を祈らせて頂いた。
「撮影禁止」の秘仏なので、
家族を撮るふりをして
遠目に収めた。
*
東福寺の塔頭のなかでは、
『雪舟寺』に次いで好きな
『光明院』にも赴いた。
「虹の苔寺」の異名がある
モダンな枯山水は
幾度見ても飽きることがない。
この日は、
モダン・アーティストの作品が
あちこちに展示されていて、
古刹との不思議なコラボ感があったが、
やはり、茶室・茶席の室礼が
いちばんシックリしていて
眼福となった。
流派にとらわれない
独自の形式が、
自由さを感じられた。
*
東福寺からほど近い智積院につくと、
ちょうど時分時だったので、
会館のレストハウスで
精進料理を頂いた。
前日の教え子たちとの散策でも
湯豆腐と精進料理だったので、
二日連続である。
リク坊は
京風の「きつねうどん」を
もりもり食べて
おなかいっぱいの様子だった(笑)。
*
智積院に入ると
ちょうど小雨が降りだして、
張り出し縁側の池にも
ちいさな波紋を描き、
木々は緑を深めて
情趣ある“雨の禅寺”となった。
昼食でエネルギー補給したリク坊は、
広間と雨とで、突然に
スイッチが入ったように
パワー全開になり(笑)、
走り回るわ、叫びまわるわ・・・で(笑)、
二、三の客の顰蹙を買いそうになり
バアバとミカママで
野生の小動物を捕獲した(笑)。
ハイになって、
走り騒ぎまわる
「小動物」の口を押える
飼育員バアバ(笑)。
**
新幹線の時間まで、
小一時間あったので、
洛東から洛北にある『仁和寺』まで、
ジイジのリクエストで、
『竜王戦』での
ソーちゃんの記念色紙があるかも、
というので赴いてみた。
入口で尋ねてみたら、
揮毫した瓦は
実際に造営に使われ、
色紙は展示されていないとのことで、
がっかりした。
日に焼けて退色したポスターのみが
虚しくも貼られていたばかりだった。
*
ひとしきり大騒ぎしたリク坊は
移動中に爆睡モードに入り(笑)
電池の切れた“小僧人形”みたいに
寝息を立てていた(笑)。
結局、駅についても、
リク坊は寝たまんまだったので、
無理に起こさずに、
ミカちゃんとだけ改札口で
サヨナラした。
*
駅前の『伊勢丹』で
予約してあった
三ツ星懐石の『露庵・菊乃井』の
弁当(4500円)を受け取って、
車中での夕食とした。
名残りの京都の風情を
味わうつもりだったが、
その実、スーパーの弁当みたいに
保存料や添加物が記載されていて
いささかぞっとしなかった。
しかも、
「株式会社」に上場してあるようで、
なんだか、当主の村田はんの
ジャバザハットもどきの顔が浮かび、
(商人やなぁ・・・)
と、脳内京都弁で独り言ちた。
*
食べ終えた頃に、
ミカちゃんからメールがきて、
リク坊が目覚めてから
ジイジとバアバの姿が見えず
ママが「サヨナラしたよ」
と言うと
「リクくんも
サヨナラしたかったぁ・・・」
と、ベソをかいたというので、
カミさん共々、胸キュンになった。
*
今回の京旅行で
唯一のお土産は、
智積院で求めた
京焼の「うちわ皿」のみである。
夕食の普段使いで
お新香なぞを盛って、
リク坊と過ごした
楽しかった京の想い出を
老妻と語ろうかと思っている。
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