報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「斉藤秀樹の秘密」

2021-10-27 20:10:44 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月11日09:00.天候:雨 埼玉県さいたま市中央区 斉藤家B2F]

〔地下2階です〕
〔クイズに正答しないと、ドアが開きません〕

 愛原:「なに!?」

〔問題は、モニタに表示されます〕

 ドアの上にモニタがあり、いつもは点いていなかった。
 何のモニタだろうと思っていたのだが、これに使うのか!?

『“バイオハザード7 レジデント・イービル”のテーマソング“Go tell Aunt Rhody”。これを原曲とした日本の童謡は、次のうちどれ?』

〔選択肢は階数ボタンを押してください〕

『1:大きな栗の木の下で 2:むすんでひらいて 3:青い目の人形』

 愛原:「はあ!?いきなり難しいの来たな!?」
 高橋:「エブリンが歌ってたってヤツですよね!?」

〔間違えた場合、1階上のフロアに移動します〕

 愛原:「なっにー!?」

〔次の問題です〕

 愛原:「しかも1問だけじゃないの!?」

『“バイオハザード・ヴィレッジ”のCMソングを歌っていたのは誰? 1:細川たかし 2:北島三郎 3:吉幾三』
『“バイオハザード・ヴィレッジ”で、主人公が最初に戦う貴族の名前は? 1:オルチーナ・ドミトレスク 2:ドナ・ベネヴィエント 3:カール・ハイゼンベルク』
『“アクトレイザー・ルネサンス”をプレイすると謗法になるかもと作者が言った理由は? 1:プレイヤーが神になるから 2:プレイヤーが仏になるから 3:プレイヤーが第六天魔王になるから』

 愛原:「全部ゲーム関係じゃね?!何これ!?」
 高橋:「いつまでやるんスか!?」

『パチンコ“CR海物語シリーズ”のメーカーは? 1:京楽産業. 2:大都技研 3:三洋物産』
『“CR海物語シリーズ”に登場する赤い髪の女の子の名前は? 1:マリン 2:ウリン 3:ワリン』
『次の曲のうち、ワリンがソロで歌っているのは?但し、コーラスや合いの手は除く。 1:あっぱれJAPAN 2:ふたりの海物語 3:めんそーれ沖海』
『“大魔道師の弟子”やスピンオフ“魔女エレーナの日常”に登場する魔女エレーナ。作中で誰に似てると言われた? 1:霧雨魔理沙 2:アリス・マーガトロイド 3:東風谷早苗』

 愛原:「答えは1だ」

〔ピンポーン♪ ドアが開きます〕

 愛原:「やっとかよ!」
 高橋:「これで何にも無かったら、暴れますよ!」
 愛原:「くす玉くらい、割って欲しいもんだな」

 ドアが開くと、その先は真っ暗だった。
 私達はマグライトを点けて、奥へと進む。

 愛原:「これは何かの研究施設か?」
 高橋:「こんな所に研究室ですか?」

 私は1階のトイレがある辺りを探した。
 そこも何かの研究室のようであった。

 愛原:「鍵が掛かってる」

 どうやらカードキーで開けるタイプのようだ。
 私は試しに、リサから借りたゴールドカードを当ててみた。
 すると、どうだろう。
 ピーという音がして、開錠されたのである。

 愛原:「まさかこんなんで開くとは……」

 私達は中に入った。
 中は確かに研究室のようになっており、しかも微かに工事の音がした。
 工事は1階で行われているはずだが、地下1階を突き抜けて、この地下2階まで聞こえるほどだ。

 愛原:「あれだ。あの丸い穴、分かるか?」

 私はライトを天井の隅に向けた。
 そこには、白井画廊跡のビルの地下で見たものと同じものがあった。
 違うのはちゃんとその先にパイプが繋がっており、透明なカプセルの中に落ちるようになっていることだった。

 愛原:「あそこでリサの大便を採取したんだ、きっと」
 高橋:「検便なんかしてどうするんスか?」
 愛原:「斉藤社長も欲しかったんだ。リサの寄生虫を。きっと、大日本製薬の新たな薬の開発に使いたいんだろう」
 高橋:「こんなものわざわざ作ってまで……」
 愛原:「それほどまでに、価値のあるものらしいよ。リサってのは」

 私は写真を収めた。

 愛原:「善場主任からの仕事は、これで終わりだ。さっさと引き上げよう」

 私達は急いで研究室を出た。
 そして、エレベーターへと向かう。

 高橋:「斉藤社長にバレたら、どうします?」
 愛原:「素直に、善場主任達の依頼だというしか無いな」

〔上に参ります〕

 私達はエレベーターに乗り込んだ。

〔ドアが閉まります〕

 一応、操作盤のパネルはちゃんと閉めておいた。

 愛原:「後でこの鍵、返してこないと……」
 高橋:「車の運転なら任せてください」

〔ドアが開きます。ピンポーン♪ 1階です〕

 地上に戻ると、何故か別世界のような気がした。

 オパール:「愛原様!?どこへいらしてたんですか?」
 愛原:「ああ、いや、ちょっと地下のトイレにね……」
 オパール:「随分と長かったのですね」
 愛原:「まあ、ちょっとね。それより、リサはまだ下りて来ないのか?」
 オパール:「まだ、御嬢様と御一緒でございます」
 愛原:「そうか。じゃあ、そろそろ帰ろうかな。ゲーム借りるだけだし」

 私はスマホでリサを呼び出した。
 名残惜しそうにリサの手を掴みながら、エレベーターでリサは下りて来た。

 愛原:「借りたいゲームは決まったか?」
 リサ:「決まった」
 愛原:「それじゃ、そろそろ帰るとするか」
 絵恋:「もう少しゆっくりなさっても……」
 愛原:「悪いね。私達も仕事があるものだから。また後で、ゲーム返す時に来るよ」

 私達は斉藤家を後にした。

 リサ:「地下には行けた?」
 愛原:「何とかな。あまりにもすんなりで、逆に怖いくらいだよ」

 私達は急ぎ足で駐車場に戻った。
 私が料金を払い、高橋が運転席に乗った。

 愛原:「もしもし?愛原ですが……」

 そして、善場主任に連絡。

 愛原:「はい。斉藤社長の御宅の地下室。秘密が明らかになりましたよ。写真に撮りましたので、これから向かいます。……はい」

 私は電話を切った。

 愛原:「それじゃ、新橋に向かってくれ」
 高橋:「姉ちゃんの事務所っスね。了解っス」

 高橋は車を出すと、首都高の新都心西出入口へとハンドルを切った。
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“私立探偵 愛原学” 「斉藤家を捜索」

2021-10-27 11:42:02 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月11日06:30.天候:雨 埼玉県さいたま市大宮区吉敷町 東横インさいたま新都心]

 昨夜は特に何事も無かった。
 そういえばテロ対策について、何もしていなかったが、ヴェルトロのメンバーが逮捕されたことで、しばらく向こうの動きは無いらしい。
 もちろん、油断はできないが……。
 朝食を取りに1階のロビーに行くと、バイキング形式ではなくなっていた。
 コロナ対策で、弁当方式になっていた。
 部屋に持ち帰って食べることもできるらしいが、私達はロビーで食べることにした。

 リサ:「水着は洗ったから、またサイトーんちのプールで泳げる」
 愛原:「いや、泳げないから」

 昨夜、コインランドリーでリサは自分の水着と下着を洗濯していた。
 水着は濡れたままなので、すぐに洗濯して乾かさないといけない。
 こういう時、コインランドリーがあると便利である。

 愛原:「今のところ、連絡は?」
 リサ:「無い」
 高橋:「まだっスね」
 愛原:「重役出勤で、少し遅いかもしれないな。まあ、いい。張り込むのも、探偵の仕事だ」
 高橋:「さすがは先生です!」
 リサ:「アキバを思い出すね!」
 高橋:「あ?何のことだ?」
 愛原:「リサ!……何でもない。何でもないんだ」
 高橋:「何か怪しいっスねぇ……」
 愛原:「そんなことはない。それより、食べ終わったら部屋に戻ろう」
 高橋:「はあ……」

[同日08:00.天候:雨 東横イン埼玉新都心→同市中央区 斉藤家]

 8時頃になると、パールや絵恋さんから連絡が入った。
 今、斉藤社長がパレスホテル大宮を出たという。

 高橋:「……というわけです!急ぎましょう!」
 愛原:「いや、慌てなくていい」
 高橋:「えっ?」
 愛原:「連絡がどのタイミングで来たのかは知らんが、斉藤社長はハイヤーで丸の内の本社に向かったことだろう」
 リサ:「うん。サイトーがそう言ってた。新庄さんだと融通が利くけど、ハイヤーだと契約時間が決まってるからって」
 愛原:「そうだろう。ルートとしては、恐らく首都高の新都心西から入られるだろうな」
 高橋:「普通はそうですよね」
 愛原:「あまり急いで行くと、鉢合わせになる恐れがある。少なくとも、社長が高速に入った時点で向かうくらいがいいだろう」
 高橋:「そういうものですか」
 愛原:「もしも、『あ、家に忘れ物があった。高速に入る前に、家に寄ってくれ』なんてあったらどうする?」
 高橋:「あ、なるほど!そういうパターンですか!」
 愛原:「そう。だから、慌てる必要は無い。むしろ昼ぐらいでもいいんだ」
 高橋:「パールのヤツ、社長は10時から会議だと言ってましたよ?」
 愛原:「会議か……」
 高橋:「会議の為の会議だなんて、笑っちゃいますね」
 愛原:「さすが日本企業と思うだろ。まあ、重役さんは言うなれば、会議とハンコ押しが仕事のようなものだから。ま、とにかくゆっくり出よう。どうせこの時間、チェックアウトする客で混んでるよ」

 しばらくしてから私達は部屋を出た。
 そして、フロントに向かった。
 先客が終わるのを待って、それから部屋の鍵を返却する。

 高橋:「先生、こちらへ」

 立体駐車場から車を出した高橋が呼ぶ。

 愛原:「おーう!」

 私とリサはリアシートに乗り込んだ。
 見た目はどこでも見られる商用バンだから、目立たないはずである。
 それで、斉藤家へと向かう。
 この頃には朝のラッシュのピークは過ぎていたが、その余波で車は多かった。
 近くまで到着すると、いつもの通り、近くの駐車場に車を止める。
 それから徒歩で向かった。
 相変わらず工事は始まっていたが、特に気にせず中に入る。
 既に家で待っていた絵恋さんが出迎えたからだ。
 聞くと、1階のトイレは使えないものの、それ以外の水道は復旧したという。

 リサ:「サイトー、ゲーム借りに来た」
 絵恋:「はーい、リサさん、待ってたわー!早く私の部屋まで行きましょ!」
 リサ:「面白いヤツね」
 絵恋:「面白いヤツね!色々あるのよ!」
 リサ:「それじゃ先生、行って来る」
 愛原:「ああ。ゆっくり探して来い」
 絵恋:「それじゃ先生方は、応接間で……」
 愛原:「おっ、そうだな。その前にトイレ借りたいんだが……」
 絵恋:「ああ、どうぞ。1階のトイレはまだ工事中なので、2階を……」
 愛原:「いや、地下がいい」
 絵恋:「地下ですか?」
 愛原:「2階のトイレは1つしか無いが、地下のトイレは2つあるだろう?」

 私は高橋に目配せした。

 高橋:「あっ!ああ、そうっスね!俺も行きたいっス!」
 絵恋:「ああ、まあ、そうですね。使用人用なので、殺風景なトイレですけど、よろしかったらどうぞ」
 愛原:「俺ら下級国民は、殺風景なトイレで十分です」

 こういう言い方も、実は結構失礼なんだよな。
 リサと絵恋さんはエレベーターで3階へ上がって行った。
 私は下のボタンを押し、3階に上がったエレベーターが下りて来るのを待った。

〔下に参ります〕

 そして、無人になったエレベーターが下りて来る。
 家庭用のホームエレベーターということもあってか、定員はたった3名の小さなものである。
 家庭用のトイレくらいの広さしか無い。

〔ドアが閉まります〕

 ドアが閉まり、エレベーターが下に動き出した時点で、私はエレベーター鍵を操作盤の鍵穴に差し込んだ。

 愛原:「やっぱり……!」

 いくらメーカーが同じとはいえ、オフィスビル用のエレベーターと家庭用エレベーターの鍵が合うかどうか不安だったが、鍵はピッタリ合ってくれた。
 そして、操作盤の蓋を開けると、予想通りであった。
 B1のボタンの隣に隠すようにして、B2のボタンがあった。
 そう。
 この家は地下2階があるのである。
 迷わず、そのボタンを押す。
 すると、ランプが点灯した。

 高橋:「何があるんでしょうか?」
 愛原:「少なくとも、警察に追われたら隠れられるようなものでもあるんだろうな」

 私は冗談めかして言った。
 そして、手持ちの拳銃を取り出した。

 愛原:「いざ、地獄の底へ」

〔ピンポン♪ 地下2階です〕
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“魔女エレーナの日常” 「サインとハンコ」

2021-10-26 20:52:55 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[魔界時間9月12日10:15.天候:晴 魔界王国アルカディア 王都アルカディアシティ壱番街 魔王城]

 エレーナ:「ポーリン先生、アメリカのMGカンパニーよりお届け物です」
 ポーリン:「御苦労。それでは、サインをしよう」
 エレーナ:「はい、こちらにお願いします。……ありがとうございました」
 ポーリン:「“魔女の宅急便”に精を出すのもいいけど、ちゃんと魔法薬の修行もするんだよ?」
 エレーナ:「ギクッ!……わ、分かってますぅ……」
 ポーリン:「見た目はキキじゃなくて、霧雨魔理沙だけどね」
 エレーナ:「よく言われます。それでは、失礼します」

 師匠に釘を刺され、冷や汗もののエレーナだった。

[現地時間9月23日13:12.天候:曇 ロシア共和国サンクトペテルブルク市内某所]

 エレーナ:「お邪魔しまーす。アナスタシア先生、お届け物でーす。とある政府高官からです」

 
(アナスタシア・ペレ・スロネフ)

 アナスタシア:「ありがとう。どこにサインすればいい?」
 エレーナ:「こちらにお願いします」
 アナスタシア:「あと、これはチップね」
 エレーナ:「あざざざざざーっス!」

[現地時間9月25日11:28.天候:雨 イギリス連合王国ロンドン某所]

 エレーナ:「よーっス、ルーシー。お届け物だぜ!」
 ルーシー:「マリアンナから?」
 エレーナ:「新しい人形ができたんで、届けてくれだってよ。ったく、あの野郎、チップも寄越さねーで……」
 ルーシー:「日本はチップの要らない国だからね」
 エレーナ:「自分はイギリス人だろうが。なぁ?」
 ルーシー:「稲生さんと結婚したら、日本人になるんだろうから、別にいいんじゃない」
 エレーナ:「あの超絶根暗魔女がなぁ……」
 ルーシー:「はい、ここにサインすればいいの?」
 エレーナ:「おう、そうだぜ。ありがとうだぜ」
 ルーシー:「ここはイギリスだから、チップあげるわ」
 エレーナ:「さすがルーシー!愛してるぜ!」
 ルーシー:「……何でノリがアメリカ人なのよ?」

[現地時間10月1日14:46.天候:晴 ロシア共和国ウラジオストク市某所]

 エレーナ:「もう1人の稲生氏!お届け物です!」
 稲生悟郎:「おお!リアル“魔女の宅急便”!」
 エレーナ:「嫁さんのナディア宛てです!」
 悟郎:「それじゃ、ハンコ……あ、いや、サインの方がいいんだっけ?」
 エレーナ:「さすが日本人。どちらでもいいですよ」
 悟郎:「それじゃ、ハンコっと。良かった。この国じゃ、ハンコはダメみたいで……」
 エレーナ:「まあ、でしょうな。それじゃ、ナディアによろしくです」
 悟郎:「どうもどうも」

 エレーナ、ホウキに跨って離陸する。

 エレーナ:(やっぱ日本人はチップくれねーなー………)

[日本時間10月12日11:23.天候:晴 日本国長野県北安曇郡白馬村某所 マリアの屋敷]

 エレーナ:「ちわーっ!お届け物でーす!」
 稲生勇太:「ああ、エレーナかい。ご苦労さん。誰宛て?」
 エレーナ:「イリーナ先生宛てだぜ。サインかハンコ、よろしくだぜ」
 勇太:「じゃあ、ハンコ。僕のでいいね?」
 エレーナ:「OKだぜ。……この前、もう1人の稲生氏の所にも荷物持って行ったら、ハンコ押されたぜ」
 勇太:「もう1人のって?」
 エレーナ:「ナディアの夫だぜ」
 勇太:「ああ!従兄の悟郎さん!今、ナディアと一緒にウラジオストクに住んでる……」
 エレーナ:「ロシア政府が傾いたら、日本人はヤバいぜ。今のうちに日本に移住した方がいいんじゃね?」
 勇太:「うーん……。『イザとなったら、日本海を舟で横断する』とか言ってたけど……」
 エレーナ:「なに北朝鮮の工作員感覚で言ってるんだぜ。稲生家は恐ろしいぜ」
 勇太:「ナディアにルゥ・ラ(瞬間移動魔法)使ってもらえばそれでいいと思うんだけど……」
 エレーナ:「アンタもゲーム感覚かい!」

[日本時間10月20日16:07.天候:曇 マリアの屋敷]

 エレーナ:「ちわ!お届け物です!」
 マリア:「おー、エレーナか。また修行サボッて宅急便屋か。御苦労だな」
 エレーナ:「魔女だって生きて行くのにカネは必要なんたぜ。それより、イリーナ先生へのお届け物なんたぜ。早いとこサインするんだぜ」
 マリア:「いや、ハンコの方が早い」
 エレーナ:「オマエも持ってんのかーい!」
 マリア:「いや、日本だと『サインNG』が多いから」
 エレーナ:「それな!」
 マリア:「これでいいか?」
 エレーナ:「ありがとうだぜ!……ところでオマエ、イギリス人だろ?」
 マリア:「ハンガリー系イギリス国籍だ。それがどうした?」
 エレーナ:「国籍の習慣に従って、チップくれ」
 マリア:「日本のホテルで働いてて何言ってるんだ。寝言は寝て言え」

[日本時間10月26日15:36.天候:晴 マリアの屋敷]

 エレーナ:「こちゃーっス!お届け物でーす!」
 イリーナ:「あら、エレーナ。ご苦労さんね」
 エレーナ:「イリーナ先生が自ら出られるとは、珍しいっスね!?」
 イリーナ:「どうせアタシ宛ての荷物でしょ?たまには自分で受け取るよ~。それにマリア達、今お使いに行ってるし」
 エレーナ:「あいつらのことだから、途中でサボッて【イチャイチャ】【ラブラブ】してるんじゃないスか?」
 イリーナ:「もちろん想定内」
 エレーナ:「あ……そうっスか」
 イリーナ:「ハンコはどこに押せばいいの?」
 エレーナ:「イリーナ先生もっスか!?別にサインでもいいっスよ!?」
 イリーナ:「まあ、ここはハンコ文化の日本だし。それに……」
 エレーナ:「それに?」
 イリーナ:「ヘタにペンを持とうとすれば、アタシと契約して欲しくてウズウズしている悪魔達が殺到するから……」
 下級悪魔A:「ゲヘゲヘ……」
 下級悪魔B:「契約……契約……」
 中級悪魔:「こら!下級悪魔が大魔道師と契約だなんて、おこがましいにも程があるぞ!散れ!」
 ケンショーグリーン:「ハァハァ……!イリーナ先生の高級パンティ……!ハァハァ……!」
 エレーナ:「なに勝手に私の後ろに並んでんだーっ!帰れ帰れーっ!」

 エレーナは爆撃魔法を使って、後ろに並んでいた中・下級悪魔達を排除した。
 ……約1名、悪魔じゃないのがいたような気がするが、気のせいとしておこう。

 イリーナ:「はい。あと、これはチップ。魔法石でいいかね?」
 エレーナ:「あざっス!……いえ、ありがとうございます!さすがはイリーナ先生!」
 イリーナ:「この前のサバドでは、素っ裸ってダンスしたんだって?」
 エレーナ:「やめてくださいよ。あれはほんの、ハロウィンの一環です」

 魔女の集団の中には、素っ裸で魔法の儀式を行うスカイクラッドなるものが実際に存在するという。
 ダンテ一門も例外ではないが、マリアの屋敷のプールや海外のヌーディストビーチで全裸水泳したり、温泉旅行で皆で大浴場に入るだけだったりと、殆ど形骸化している。
 魔法の修行をガチで行うアナスタシア組でさえ、皆でロシアのサウナに入るくらいであるという。

 イリーナ:「エレーナもハンコ作ったら?日本に住む以上、必要でしょう?」
 エレーナ:「ああ……実はあるんですよ」
 イリーナ:「あ、やっぱあるのね」
 エレーナ:「はあ……。日本の役所の書類とか、全部ハンコでないとダメなんで……」

 コロナ禍前、インバウンド外国人の中には、日本で自分のハンコを作るのも土産の1つだったと聞く。
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富士急静岡バス“やきそばエクスプレス”、今後の運行について

2021-10-26 17:00:19 | 日記
http://www.shizuokabus.co.jp/2021/10/09/8365/

今月23日より運行再開した“やきそばエクスプレス”ですが、来月下旬より大石寺方面にも運行されるようになります。
時刻表を見て頂ければ分かると思いますが、まだ御開扉に便利なダイヤではありません。
しかしながら、少しずつ通常ダイヤに戻りつつあるようで、喜ばしい限りではないでしょうか。
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“私立探偵 愛原学” 「さいたま新都心へ」

2021-10-24 20:22:56 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月10日17:45.天候:曇 埼玉県さいたま市大宮区 パレスホテル大宮]

 再び車を走らせて、大宮のパレスホテルに到着する。

 リサ:「遅いよ」

 リサは少しむくれた顔で合流した。

 愛原:「ゴメンゴメン。ちょっと色々とやることができちゃって……」
 高橋:「てめ、先生に文句付けるとはいい度胸じゃねぇか!」
 愛原:「いや、いいんだ。リサ、お詫びに夕食は好きなもの食わせてやろう」
 リサ:「ほんと!?」

 リサの顔がパッと明るくなる。
 どうやら、不機嫌なのは空腹のせいでもあるようだ。

 高橋:「こいつは……!」
 愛原:「それより、斉藤社長は御帰りか?」
 リサ:「うん。サイトーのお母さんも一緒。『一緒に夕飯食べる?』って聞かれたけど、もうすぐ先生達が来ると思って……」
 愛原:「そうか。よく我慢したな。早速行こう」
 リサ:「サイトーのお父さんに挨拶して行かないの?」
 愛原:「ああ。今は我慢してくれたリサへの御褒美が優先」
 リサ:(´∀`*)

 私はリサの頭を撫でながら言った。
 それに対してリサは、照れ笑いにも似た表情を浮かべた。
 だが、本音はヘタに斉藤社長に会って、私達の動きを気取られないようにする為である。

 愛原:「早く行こう」
 高橋:「うス」

 私達は再びホテルの駐車場に向かった。
 それから車に乗って、目的地のホテルに向かった。

 愛原:「あ、これ、オマエの着替え」

 私は車に積んでいたリサの着替えを渡した。

 リサ:「ありがとう」

 そしてリサはニヤッと笑った。

 リサ:「先生が用意してくれたの?」
 愛原:「そうだが?」
 リサ:「私のクロゼット漁って、下着漁りとか……」( ̄▽ ̄)
 愛原:「あのな!」

 リサ、着替えの入ったペーパーバッグの中を開ける。

 リサ:「ふーん……。こういうの穿いて欲しいんだぁ?分かったよ。先生の命令だもんね」

 リサは白いショーツをペーパーバッグの中から取り出して言った。
 終始ニヤニヤしていた。
 これが他の男が触ったのなら、すぐに変化を解いて、見た目通り、鬼のように暴れるだろう。

[同日18:00.天候:曇 同区内 東横インさいたま新都心]

 夕方のラッシュに入っているということもあり、少し道路渋滞に巻き込まれながら、ようやくホテルに到着した。

 愛原:「フロントに行って、立体駐車場に入れる形らしい。リサ、一緒に降りよう」
 リサ:「うん」

 因みにリサは今、黒いノースリーブのTシャツにデニムのショートパンツを穿いている。
 今度はスカートではない。
 私とリサは先にホテルの中に入った。

 愛原:「すいません。今日予約している愛原ですが、車で来たので駐車場に止めたいんですが……」

 私がフロントに行っている間、リサはロビーにあるウォーターサーバーで水をゴクゴク飲み始めた。
 プールでは相当泳いだらしい。
 それで余計に腹が減ってるらしいんだな。
 ホテルの立体駐車場に車を止めると、早速チェックインの手続き。

 支配人:「ありがとうございます。それでは愛原様、本日より一泊のご利用ですね?」
 愛原:「はい」

 女性支配人は私が書いた宿泊者カードを手に取ると、鍵を2つ持って来た。

 支配人:「こちらがツインのお部屋でございまして、こちらがシングルのお部屋でございます」
 リサ:「それじゃ、私が先生と同じ部屋ー」
 高橋:「おい!」

 部屋着とかは部屋備え付けではなく、ロビーにあるものを持って行くシステム。
 鍵をもらって、部屋着を取ると、私達はエレベーターに乗った。

 愛原:「取りあえず、部屋に荷物を置いて、それから飯を食いに行こう」
 高橋:「分かりました」

 エレベーターで私達の泊まるフロアに向かった。

 愛原:「それじゃ、リサはそっちの部屋な」
 リサ:「ちぇっ、また私1人ボッチ」
 愛原:「そう言うなよ。マンションだって、個室じゃないか」
 リサ:「でも……」
 愛原:「ホテルだって、1つ屋根の下で、尚且つ同じフロアじゃないか」
 リサ:「分かったよ……」

 私と高橋はツインの部屋に入った。
 東横インのようなチェーンホテルでは、だいたい部屋の造りはどこも同じである。

 愛原:「おっ、この部屋はトレインビューじゃないか」
 高橋:「そうっスね」

 窓の下には、JR線が通っている。
 あいにくと新幹線は、さいたまスーパーアリーナに遮られて見えなかったが。
 こうなると、リサの部屋もトレインビューかもしれない。

 愛原:「どれ、いつまでもリサの腹を空かせたままにすると暴れるから、早いとこ飯に行こうか」
 高橋:「はい」
 愛原:「鍵は貴重品だから、ここに入れとかないとな」

 私は室内にある貴重品ボックスの中に、エレベーターの鍵を入れた。
 因みに、このホテルのエレベーターは三菱製ではなかった。
 メーカーが違えば、鍵も合わない。
 逆を言えば、メーカーが合えば、どこのエレベーターの鍵も合うということである。

[同日18:30.天候:曇 同区内 デニーズ コクーンシティ店]

 私達はホテルから歩ける場所にある店を探した。
 するとリサがファミレスを見つけたので、そこに決めた。
 夕方時だったので、少し待たされたが、ようやく席に着く。
 メニューを見ると、やはりというべきか、リサはステーキを所望した。
 何でも食べさせると言った以上、ダメとは言えない。

 高橋:「マジで一杯やれないんスね」
 愛原:「ああ。飲食店での酒は禁止だ。しょうがない。ドリンクバーにするさ。どうせ明日も仕事なんだし」
 高橋:「了解っス」

 私は高橋に頼んで、料理を注文した。
 今はどこのファミレスも、タブレットで注文するのが当たり前になっているようだ。
 いや、ファミレスだけではないか。
 焼肉店も居酒屋もそうだ。
 待たされた上に空腹で機嫌を悪くしていたリサも、ジュージュー焼かれたステーキが来ると機嫌を直したようである。

 高橋:「それで先生、明日の決行時間はいつに?」
 愛原:「そこでオマエの出番だ」
 高橋:「おっ!?」
 愛原:「専属メイドのパールが、付きっ切りで絵恋さんの世話をしているだろう?」
 高橋:「そうッスね」
 愛原:「ということは、斉藤社長が出発する時は見送りをするはずだ。オマエ、パールに頼んで、斉藤社長が出発したら教えてくれるように言っといてもらえるか?もちろん、斉藤社長には内緒でな」
 高橋:「分かりました。LINEしときます」
 愛原:「そして、それはリサも同じだ」
 リサ:「ほえ?」

 リサは大きく切った肉を頬張りながら、私を見た。

 愛原:「絵恋さんに頼んで、斉藤社長が出発したら教えてもらうように頼んでくれ。一応、間違いが無いよう、二重の策だ」
 リサ:「分かったっ!」
 愛原:「今度はリサ、絵恋さんの家に遊びに行きたいと言えばいい理由になるかな。……いや、ゲーム貸してくれでいいんじゃないかな。絵恋さん、最新のゲーム機やら持ってるだろ?」
 リサ:「持ってる。なるほど。ゲーム借りたいと言えば、サイトーの家に行く理由になるわけね」
 愛原:「そういうことだ。よし、それで行こう」
 高橋:「いつも斉藤社長は何時頃出掛けるか、聞いてみましょう」
 愛原:「よろしく」

 こういう時、仲間がいると心強いな。
 私は大きく頷くと、ビーフシチューを頬張った。
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