写真はチンギス・ハンの時代よりモンゴル族で重用されたゲルの乗り物。家に車を付けて、そのまま移動した。今のトレーラーハウスのようなもの。ただ、この車を普段使いするためには、幹線道路の整備がかかせないはず。元の時代には雲南だけで483,335畝(約48平方キロメートル:練馬区と同じ面積。)を屯田し、雲南の歴史上、最初の大規模屯田が行われた。元は帝国を作り上げるにあたり、土木事業もかなり精力的に行い、現在の中国(少なくとも雲南)の土木、灌漑の基礎を築いた。(2010年の上海万博のモンゴル館にて撮影。モンゴル館のお隣は北朝鮮館。5時間待ちの館も多いなかで、この二つはガラガラだった。)
参考:方鉄「元代雲南行省的農業与農業概説」(雲南大学で2,003年に行われた「中国蒙古族歴史与文化国際学術検討会」より)
【内蒙古自治区と雲南】
興蒙蒙古族郷はモンゴル族が集中する雲南では珍しいところではあっても、モンゴル族としての特徴はほとんど残っていません。
伝統的服装はイ族の服に苗族風の銀の丸いコインのような首飾り、黒い布で巻いた頭巾はやはりイ族風といった近隣の民族衣装の混合。モンゴル語を解することはできず、雲南語が中心。ただ、専門家の調査によると、短い単語の端々に古モンゴル語が混じっているそうです。
(内蒙古大学白音門徳教授、雲南大学方鉄教授の合同調査によると「鼓、馬、路」などの言葉が古モンゴル語の発音なのだとか。婦人服では高い襟、尖って湾曲した靴先、木彫の花の図案がモンゴル族のものと同じとのこと。)
10年ほど前にこの村の人々がはるばる内蒙古自治区まで訪ねていき、内蒙古の人々に熱狂的に歓待されました。雲南に限らず、多くの地域でモンゴル族が地元の民族に転化していった中で、モンゴル族としての看板を掲げて生き続けてきた奇跡への賞賛でしょう。内蒙古大学蒙古研究センター他内蒙古自治区の各セクションがモンゴル族の孤島のように残った通海を大切に扱い、文化交流を積極的に行っています。
以前、内モンゴル自治区のモンゴル語放送で「雲南のモンゴル族を訪ねる」という特集が数度にわたって組まれたことがありました。
通海の村にも焦点が当てられ、黒ジャンバーのモンゴル語を話す男性レポーターがマイクを持って、うれしそうに村を訪れています。
「蒙古族の村です」というレポーター。着慣れたイ族風の衣装をつけた村のおばあさんが足のつかないソファに座る横で、レポーターは一方的にモンゴル語で話しかけます。おばあさんは返す言葉もなく、無表情に座り続けています。モンゴル語がわからないからなのでしょうが、そんなことにレポーターは頓着しません。
また、どうみても雲南のごく普通の料理の前で
「すばらしい料理です。これもモンゴル風情でしょうか?」などと(おそらく)」紹介。モンゴル語放送なので、よくはわからないのですが、なんとも珍妙な風景が繰り広げられる番組でした。
(雲南蒙古人家VAO http://v.youku.com/v_show/id_XNjcwNDM3NDEy.html?f=21877659)
(つづく)
参考:方鉄「元代雲南行省的農業与農業概説」(雲南大学で2,003年に行われた「中国蒙古族歴史与文化国際学術検討会」より)
【内蒙古自治区と雲南】
興蒙蒙古族郷はモンゴル族が集中する雲南では珍しいところではあっても、モンゴル族としての特徴はほとんど残っていません。
伝統的服装はイ族の服に苗族風の銀の丸いコインのような首飾り、黒い布で巻いた頭巾はやはりイ族風といった近隣の民族衣装の混合。モンゴル語を解することはできず、雲南語が中心。ただ、専門家の調査によると、短い単語の端々に古モンゴル語が混じっているそうです。
(内蒙古大学白音門徳教授、雲南大学方鉄教授の合同調査によると「鼓、馬、路」などの言葉が古モンゴル語の発音なのだとか。婦人服では高い襟、尖って湾曲した靴先、木彫の花の図案がモンゴル族のものと同じとのこと。)
10年ほど前にこの村の人々がはるばる内蒙古自治区まで訪ねていき、内蒙古の人々に熱狂的に歓待されました。雲南に限らず、多くの地域でモンゴル族が地元の民族に転化していった中で、モンゴル族としての看板を掲げて生き続けてきた奇跡への賞賛でしょう。内蒙古大学蒙古研究センター他内蒙古自治区の各セクションがモンゴル族の孤島のように残った通海を大切に扱い、文化交流を積極的に行っています。
以前、内モンゴル自治区のモンゴル語放送で「雲南のモンゴル族を訪ねる」という特集が数度にわたって組まれたことがありました。
通海の村にも焦点が当てられ、黒ジャンバーのモンゴル語を話す男性レポーターがマイクを持って、うれしそうに村を訪れています。
「蒙古族の村です」というレポーター。着慣れたイ族風の衣装をつけた村のおばあさんが足のつかないソファに座る横で、レポーターは一方的にモンゴル語で話しかけます。おばあさんは返す言葉もなく、無表情に座り続けています。モンゴル語がわからないからなのでしょうが、そんなことにレポーターは頓着しません。
また、どうみても雲南のごく普通の料理の前で
「すばらしい料理です。これもモンゴル風情でしょうか?」などと(おそらく)」紹介。モンゴル語放送なので、よくはわからないのですが、なんとも珍妙な風景が繰り広げられる番組でした。
(雲南蒙古人家VAO http://v.youku.com/v_show/id_XNjcwNDM3NDEy.html?f=21877659)
(つづく)