雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

雲南の牛肉⑩ タイ人とタイ族

2015-07-18 22:15:55 | Weblog


シーサンパンナの首都・景洪の郊外にあるタイ族の人々がまつる仏教寺院。創建は1701年。屋根まで木材で丁寧に組まれている。シーサンパンナの寺院の多くが文化大革命で破壊された中で、修復のみで現在まで続く建物は非常に珍しい。雲南では珍しいことに内部もきらきらしていなくて、古い木材で組まれ落ち着く空間だった。
 中学生ぐらいの若い剃髪したお坊さんがテレビを修理したり、掃除したりと、ゆったりとした時のなかで、丁寧に仕事に取り組んでいた。


【一口コラム・「泰」と「傣」】
前回、いきなりタイ国の料理に触れました。雲南のタイ族とは、どういうつながりがあるのかと疑問に思われた方もあったでしょう。じつはタイのタイ人と雲南のタイ族はルーツが同じなのです

中国語ではタイ国は「泰国」と書き、中国国内のタイ族は「傣族」と書きます。「傣」は1953年から自国のタイ族に使われた文字で、それ以前は区別なく「泰」族と書きました。

タイ族は現在、タイ国の他にラオス、ミャンマー、ベトナム、カンボジア、インド東北部各地に違う名称の部族名でも住んでいますが、すべてかつて雲南から移動した人々です。

1000年以上前の宋代に移り住んだ人々もいるのですが、方言程度の違いはあっても、発音も文法もほぼ同じ。食文化も共通点が多いのです。

チベット族が同じ民族でも山一つ越えると、まったく言葉での意思疎通ができなくなるのとは正反対です。

ちなみに普段の食生活は鶏肉や魚がメインです。

タイ国の統計によると肉では鶏が半分以上を占め、次に豚、牛の順番に食べられています。一人あたりの年間牛肉消費量は1995年から安定して2キロほどです。
(「タイとベトナムの畜産の将来」宗政修平、独立行政法人農畜産業振興機構、2013年7月より。タイ農業・協同組合省農業経済局(OAE)統計をもとに作成した資料)

日本の牛肉消費量は2008年以降で一人あたり9キロ台(USDA「World Markets and Trade」(In selected countries)。

世界的に見れば日本も牛肉の消費量が多い国ではないのですが、それ以上にタイでは、それほどは食べられているわけではありません。

雲南のタイ族の統計は見つからなかったので、私の感想ですが、やはりメニュー数では鶏肉と魚が圧倒的に多かったです。しかも私もシーサンパンナで一番よく食べて、しかもおいしかったのはすずめなどの野鳥も含めて鶏肉でした。
牛肉は、特別な店のハレのメニューといった感じでした。
(つづく)

※あと少しで雲南の牛肉、終わります。長くなってしまいました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 雲南の牛肉⑨  ユッケとラープ | トップ | 雲南の牛肉⑪ 天日干し か ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事