写真はデスカルサス レアレス修道院の外観。静かなたたずまいだ。
※今回は修道院内ツアーの模様です。
【いにしえよりある巨大な壁画とルーベンスの巨大なタペストリー】
建設当時の雰囲気を残す唯一の場所として案内されたのがルネサンス様式で作られた踊り場のある階段です。壁には17世紀に描かれたフレスコ画が3面にわたって描かれています。
この踊り場を抜けると、修道女が祈りをささげていた小部屋が中庭を向いて並んでいました。窓枠にはかわいい花柄の文様が彫りこまれ、カラフルに色づけられ、女性らしさがにじむ上品で清潔な空間が広がっていました。このあたりは18世紀に改築されたということです。
小部屋に入ることはできませんが、回廊から大きなエネラルドが目立つ十字架や金細工のカップなどが並ぶ様子が見え、スペインがかつて征服した南米の産物では、と興味を覚えます。
次に続き部屋の屋内に次々と案内されました。薄暗い、窓の隠された空間です。そこにはルーベンスが下絵を描き、ブリュッセルで織られたという大きなタペストリーが何枚も壁を覆いつくしていました。
これらのタペストリーはスペイン黄金時代「太陽の沈まない国」の王フェリペ2世の娘でありネーデルラント総督であったイサベル・クララ・エウヘニア王女の命で作られたもの。彩色もよく残り、国宝級か、と思うほど。
ほかにもティツィアーノ、ブリューゲルなどルネサンス期の絵画が盛りだくさん。あまりにたくさんの素晴らしい絵画が無造作に並んでいるので、ひょっとしてレプリカではないかと疑ったほどです。
この修道院はスペイン王の娘が開いた修道院で以後も王家の女性たちが身を寄せていたので、寄進の品も国宝級に豪華だったのでしょう。
(つづく・次回は日本とのつながりです)
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