いよいよ戸隠山の核心部にして最大の難所に入っていく。両側は急峻な絶壁で一気に切れ落ちている。西側が約150m、東側が約50mの長さだ。
西側に目を向けると北アルプスの槍ヶ岳や穂高連峰が望まれたが、ここでは落ち着いて見ているわけに行かない。
意を決して進み始める。
真正面には、日本百名山の一つ高妻山のキリッとした山容がはっきりと望まれた。
屏風の上辺のように蛇行したナイフブリッジが続く。最初が「蟻の門渡り」で約20m、次が「剣の刃渡り」で約5mある。それぞれ幅50cm前後で、バランスを崩したら、そのまま崖下に転落し即死という場所である。身が引き締まる壮絶な場所である。ここまできたら、誰も手助けすることは出来ない。すべて独力で挑戦するしかない。呼吸を整え、四つ這いになったり、馬乗りに跨いだりしてナイフブリッジをにじり進んだ。恐ろしくて立って進むことはできない。やっとの思いで渡り切り、八方睨みのピークに立った時は、ホッとした。全員無事に渡りきることができて、本当に良かったと思った。
これから先は、それほど怖い場所はないので、精神的にはかなり楽になった。八方睨みからは360度の展望であり、無事ここまで来れた喜びをかみ締めた。ここからは白馬岳がかなり近くに見えた。
気分的に余裕が出来ると、後続の登山者たちの様子が気になった。上から見ると蟻のように進む登山者の様子が見えた。
我々もあんなふうに進んでいたのだと改めて知った。やはりみんな這いつくばって進んでいる様子がよくわかる。
八方睨みのピークは1900mあり、一度下って登りきるとこのルートの最高峰戸隠山1904mのピークに着く。ここからの展望も素晴らしい。あまり広くないので、記念写真を撮ると先にすすんだ。このあたりも紅葉が進んでおり、燃えるような紅葉が目に付いた。
あいかわらず空は青く、好天が続いている。
この先もいくつものアップダウンをしながら徐々に高度を下げていく。蟻の門渡りほどの恐怖感はないが、切り立った絶壁の尾根歩きがいくつも続く。前方に見える登山者の足元が断崖絶壁になっているのがよくわかる。
戸隠山の次は九頭竜山のピークがあるはずなので、そこでお昼をと思い空腹を我慢して先に進んだ。しかし、それらしき標識が見当たらず、一不動の避難小屋まで行ってしまった。
ここで長めの休憩をとり、お湯を沸かしたりして腹ごしらえをした。あとは高妻山からの下山ルートと同じである。湧き水が美味しい氷清水を過ぎると、濡れて滑りやすい帯岩のクサリ場や
滑滝のクサリ場を下り、
ぐんぐんと高度を下げていった。やがて、戸隠牧場の入口の柵をすり抜け牧場内に入った。牧場では牛がのどかに草をほうばっていた。
牛以外に馬もたくさん飼われていて、観光客のくれる草を食べに寄ってきていた。
そして、後ろを振り向けば、さっきまで登っていた戸隠山の山容がしっかり望めた。あらためてあんなとこによく行ってきたなと我ながら感心した。
天候に恵まれ、山頂でも風がまったくなかったことが楽しく登山できた最大の要因である。これが、ガスがかかったり風が強かったり雨が降っていたりしたら、まったく違った感想になったかもしれない。険しい山だが、楽しく登山でき、今年の山行の中でも特に印象に残る一日だった。
西側に目を向けると北アルプスの槍ヶ岳や穂高連峰が望まれたが、ここでは落ち着いて見ているわけに行かない。
意を決して進み始める。
真正面には、日本百名山の一つ高妻山のキリッとした山容がはっきりと望まれた。
屏風の上辺のように蛇行したナイフブリッジが続く。最初が「蟻の門渡り」で約20m、次が「剣の刃渡り」で約5mある。それぞれ幅50cm前後で、バランスを崩したら、そのまま崖下に転落し即死という場所である。身が引き締まる壮絶な場所である。ここまできたら、誰も手助けすることは出来ない。すべて独力で挑戦するしかない。呼吸を整え、四つ這いになったり、馬乗りに跨いだりしてナイフブリッジをにじり進んだ。恐ろしくて立って進むことはできない。やっとの思いで渡り切り、八方睨みのピークに立った時は、ホッとした。全員無事に渡りきることができて、本当に良かったと思った。
これから先は、それほど怖い場所はないので、精神的にはかなり楽になった。八方睨みからは360度の展望であり、無事ここまで来れた喜びをかみ締めた。ここからは白馬岳がかなり近くに見えた。
気分的に余裕が出来ると、後続の登山者たちの様子が気になった。上から見ると蟻のように進む登山者の様子が見えた。
我々もあんなふうに進んでいたのだと改めて知った。やはりみんな這いつくばって進んでいる様子がよくわかる。
八方睨みのピークは1900mあり、一度下って登りきるとこのルートの最高峰戸隠山1904mのピークに着く。ここからの展望も素晴らしい。あまり広くないので、記念写真を撮ると先にすすんだ。このあたりも紅葉が進んでおり、燃えるような紅葉が目に付いた。
あいかわらず空は青く、好天が続いている。
この先もいくつものアップダウンをしながら徐々に高度を下げていく。蟻の門渡りほどの恐怖感はないが、切り立った絶壁の尾根歩きがいくつも続く。前方に見える登山者の足元が断崖絶壁になっているのがよくわかる。
戸隠山の次は九頭竜山のピークがあるはずなので、そこでお昼をと思い空腹を我慢して先に進んだ。しかし、それらしき標識が見当たらず、一不動の避難小屋まで行ってしまった。
ここで長めの休憩をとり、お湯を沸かしたりして腹ごしらえをした。あとは高妻山からの下山ルートと同じである。湧き水が美味しい氷清水を過ぎると、濡れて滑りやすい帯岩のクサリ場や
滑滝のクサリ場を下り、
ぐんぐんと高度を下げていった。やがて、戸隠牧場の入口の柵をすり抜け牧場内に入った。牧場では牛がのどかに草をほうばっていた。
牛以外に馬もたくさん飼われていて、観光客のくれる草を食べに寄ってきていた。
そして、後ろを振り向けば、さっきまで登っていた戸隠山の山容がしっかり望めた。あらためてあんなとこによく行ってきたなと我ながら感心した。
天候に恵まれ、山頂でも風がまったくなかったことが楽しく登山できた最大の要因である。これが、ガスがかかったり風が強かったり雨が降っていたりしたら、まったく違った感想になったかもしれない。険しい山だが、楽しく登山でき、今年の山行の中でも特に印象に残る一日だった。