(世界ランクシリーズその1)
国連などの国際機関あるいは世界の著名な研究機関により各国の経済・社会に関するランク付け調査が行われている。これらの調査について日米中など世界の主要国及びトルコ、エジプト、イランなど中東の主要国のランクを取り上げて解説するのが「世界ランクシリーズ」である。
第1回のランキングは国連人口基金(UNFPA)発行の「世界人口白書2023」のデータにより各国の人口・出生率・平均余命等について比較した。
世界人口白書(日本語版)のURL:
(世界総人口80億人、インドと中国が14億人で世界1位と2位を分け合う!)
1. 世界の総人口と主要国の人口
(表http://rank.maeda1.jp/1-T01.pdf 参照)
国連人口基金(UNFPA)によれば2023年の世界の総人口は80億4,500万人である。最も人口が多いのはインドの14億2,900万人、ついで中国が14億2,600万人であり、人口が10億人を超えるのはこの2か国だけである。インドは昨年まで中国に次ぐ世界2位であったが、今回初めて世界一となった。両国の世界人口に占める比率は各々18%弱であり、全人類の5人のうち2人がインド人または中国人と言うことになる。
中印2か国に次ぎ世界3位の人口を有するのは米国で、同国の人口は3億4千万人に達する。4位のインドネシアからパキスタン、ナイジェリア及び7位のブラジルまでは人口が2億人を超えている。その後10位まではバングラデシュ、ロシア及びメキシコの順であり、これら10カ国を合わせると世界人口の57%を占める。日本はエチオピアに次いで世界12位であり、人口は1億2,300万人である。このほか人口が1億人を超えているのはフィリピン、エジプト及びコンゴである。
中東で人口が最も多いのはエジプトである。同国の人口は1億1,300万人であるが中東で人口が1億人を超えるのはエジプトだけである。エジプトに次いで多いのはイランの8,900万人、これに次ぐのがトルコの8,600万人であり、世界17位及び18位である。
湾岸の石油大国であるサウジアラビアの人口は3,700万人、UAEは950万人であり、因みに天然ガス大国のカタールの人口は270万人とされている。但しこれらの数値には出稼ぎの外国人労働者が含まれており、特にカタールは全人口の7乃至8割を外国人が占めている。またサウジアラビアには1千万人以上、またUAEにも数百万人の外国人が住んでおり、実際の自国民の数はかなり少ないことに注意する必要があろう。
因みに現在ガザ地区の戦争に揺れるイスラエルの人口は540万人であり、パレスチナ自治区の人口はその半数の270万人である。イスラエル人口にはアラブ系パレスチナ人がかなり含まれており、イスラエルとパレスチナをユダヤ人とアラブ人の民族比率で見ると、ユダヤ人がわずかにアラブ人を上回る状態である[1]。
(続く)
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[1] 拙稿「世界のユダヤ人とムスリム(イスラム教徒)の人口を比較すれば」(2023年11月)参照。