(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0598OilMajor2023.pdf
III. 過去2年間の四半期業績推移(続き)
3.キャッシュフローの推移
(変動の激しいExxonMobil、毎期▲100億ドル前後で推移するShell!)
(3)財務キャッシュフロー(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-74.pdf 参照)
2022年1-3月期の財務C/Fは、Shellが▲90億ドルで最も大きく、次いでExxonMobil▲67億ドル、bp▲25億ドル、Chevron▲14億ドルであり、TotalEnergiesのみは投資回収分が新規投資分を上回り50億ドルのプラスであった。翌4-6月期は各社の財務C/Fは100億ドル前後の横並びであった。
2023年7-9月以降、ExxonMobilの財務C/Fは変動が激しく、50億ドルのプラスから10-12月期には一転して▲297億ドルとなり、さらに2023年も7-9期のプラス31億ドルから10-12月期には5社で最も多い▲207億ドルであった。同社がかなり大胆な投資の入れ替えを行っている様子がうかがえる。
その他各社の四半期ごとの推移は以下のとおりである。
(単位:億ドル)
2022年 2023年
1-3月 4-6月 7-9月 10-12月 1-3月 4-6月 7-9月 10-12月
bp ▲25→ ▲92→ ▲92→ ▲71→ ▲36→ ▲36→ ▲42→ ▲20
TotalEnergies 50→ ▲86→ ▲91→ ▲66→ ▲40→ ▲79→ ▲48→ ▲130
Chevron ▲14→ ▲81→ ▲90→ ▲64→ ▲66→ ▲87→ ▲86→ ▲62
(残高水準の高いShell!)
(4)キャッシュフロー期末残高(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-75.pdf 参照)
2022年1-3月期以降の四半期末キャッシュフロー残高の推移を各社ごとに見る。なおChevronの決算書類では四半期ベースの残高は示されていないため、ここではその他の4社について比較検討する。
2022年3月末のC/F残高が最も多いのはShellの384億ドルであり、次いでbp344億ドル、TotalEnergies313億ドルと各社300億ドル台で並んでいる。ExxonMobilの残高は111億ドルで他社に比べ非常に少ない。
Shellの残高はその後も4社のトップを続けており、2023年6月末には451億ドルに達し、昨年末現在は388億ドルである。ExxonMobilは2022年9月末に残高をbpに並ぶ327億ドルに引き上げ、その後はTotalEnergiesを含めた3社は300億ドル前後の残高となっている。
(続く)
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