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第5章:二つのこよみ(西暦とヒジュラ暦)(19)
133歴史に取り残されるパレスチナ問題(1/4)
ヒジュラ暦1400年(西暦1980年)前後から10年余りの間に中東イスラーム世界では大事件が続発した。主なものを列挙すれば、エジプト・イスラエル平和条約及びホメイニ師によるイラン革命(共に1979年)、イラン・イラク戦争の勃発と終結(1980年、1988年)、ソ連のアフガニスタン侵攻と撤退(1980年、1989年)等々である。
そして世界の歴史も20世紀の終焉を控えて激動した。1980年代に入りソビエト社会主義体制に綻びが目立ち始めた。それは資本主義国家と踵を接する地域で表面化した。1987年にベルリンの壁が崩壊、2年後の1990年に東西ドイツが統一したことでソビエト体制の終焉は誰の目にも明らかになった。こうして1991年、ソ連は崩壊した。ソ連はヨーロッパで資本主義に敗退し、シルクロードでイスラームのジハード(聖戦)に敗れた。1917年のロシア革命で誕生し、いずれ社会主義が世界を支配すると豪語したソビエト社会主義共和国は80年足らずで歴史の舞台から消え去り、米国を頂点とする資本主義が世界を席巻する。
(続く)
荒葉 一也
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