(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してお読みいただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0468OilMajor2019-1stQtr.pdf
スーパーメジャーと呼ばれる五大国際石油企業(ExxonMobil、Shell、BP、Total及びChevron)の1-3月期決算が相次いで発表された。ここでは売上高、利益(総合、上流部門、下流部門)、売上高利益率、設備投資および石油・天然ガス合計生産量について各社の業績を横並びで比較するとともに各社の四半期決算の推移を検証する。
決算の詳細は以下の各社のホームページを参照されたい。
ExxonMobil:
https://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-earns-24-billion-first-quarter-2019
Shell:
BP:
Total:
https://www.total.com/en/media/news/press-releases/first-quarter-2019-results
Chevron:
https://www.chevron.com/stories/chevron-reports-first-quarter-2019-net-income-of-2-6-billion
なお過去の四半期業績及び2010年から2018年までの通年の業績比較は下記レポートを参照されたい。
http://mylibrary.maeda1.jp/SuperMajors.html
1. 五社の1-3月期業績比較
(表:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-22.pdf 参照)
五社を横並びで比較すると売上高、総合利益及び天然ガス生産量ではShellがトップである。一方、設備投資、原油生産量および原油と天然ガスを合計した生産量の各部門ではExxonMobilが、また売上高利益率および上流部門利益はChevronが、下流部門利益はBPがそれぞれトップである。売上高は4社が前年同期を下回ったが、利益面ではExxonMobilとChevronが対前年同期比で大幅に利益が減少した反面、その他の3社は増益であり業績が2極分化している。原油生産量ではExxonMobilがずば抜けて大きく、一方天然ガス生産量ではShellだけが100億立方フィート/日を突破しており他の4社を引き離している。
(Totalを除く4社は減収!)
(1) 売上高(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-51.pdf 参照)
2019年1-3月の売上高はTotalを除く4社は前年同期比で減収となった。各社の原油・天然ガス生産量は前年同期に比べ異なるものの一桁台の増減にとどまっている(本稿下記参照)。また原油価格の変化を見ると、昨年第1四半期のバレル当たり平均価格はWTI62.9ドル、Brent66.82ドルであったものが、今期はそれぞれ54.87ドル及び63.13ドルである(Shell決算資料による)。いずれも1年前に比べて値下がりしているが、値下がり率はWTIの13%に対してBrentは6%にとどまっており、米国内の値下がりが大きかったことがわかる。
各社の売上高および対前年同期の増減幅は、ExxonMobilが6.7%減、Shell 4%減、BP 2.7%減、Chevron 6.8%減、Total 3.2%増であった。五社の売上高の差異は、Totalの米国原油の取扱量或は米国内の販売量がExxonMobil、Chevronなど他の四社に比べて少なかったことが一因であると推定される。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail;maedat@r6.dion.ne.jp
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます