石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

多様化する天然ガス貿易:BPエネルギー統計2015年版解説シリーズ(天然ガス篇5)

2015-07-22 | その他

2.世界の天然ガスの生産量
(欧州・ユーラシアと北米で世界の天然ガスの6割を生産!)
(1)地域別生産量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-2-G01.pdf参照)
 2014年の世界の天然ガス生産量は年産3兆4,606億立方メートル(以下㎥)であった。これは石油換算では年産31.3億トンであり、またフィート換算では日産3,348億立法フィートである。

 生産量を地域別にみると欧州・ユーラシアが1兆24億㎥と最も多く全体の29%を占めている。これに次ぐのが北米(9,484億㎥、28%)であり、これら二つの地域だけで世界の6割弱に達する。その他の地域は中東6,010億㎥(17%)、アジア・大洋州5,312億㎥(15%)、アフリカ2,026億㎥(6%)、中南米1,750億㎥(5%)であった。

 各地域の生産量と埋蔵量(前章参照)を比較すると、中東は埋蔵量では世界の43%を占めているが生産量では17%に過ぎない。これに対し北米は埋蔵量シェアが世界全体の6%にとどまるのに対して、生産量のシェアは28%に達しており、埋蔵量と生産量のギャップが大きい。その他の地域の埋蔵量シェアと生産量シェアは欧州・ユーラシアは埋蔵量シェアが31%、生産量シェアは29%とほぼ均衡している。その他の地域の両者の比率は、アジア・大洋州が8%(埋蔵量)対15%(生産量)、中南米4%対5%、アフリカ8%対6%である。このことから天然ガスを他の地域に輸出できるポテンシャルが高いのは中東地域であると言えよう。

(他を圧倒する米国とロシア!)
(2)国別生産量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-2-T01.pdf 参照)
 次に国別に見ると、天然ガス生産量第1位は米国の7,283億㎥/年(705億立法フィート/日、6.7億トン/年)であり、全世界の生産量に占める割合は21%に達する。第2位はロシア(5,787億㎥、シェア17%)であり、この2カ国の生産量が飛び抜けて多い。米国はここ数年シェールガスの開発及び生産が顕著であり、埋蔵量及び生産量とも大幅に増加していることは注目に値する(前章「天然ガスの埋蔵量」参照)。

 この2カ国に続くのがカタール(1,772億㎥)、イラン(1,726億㎥)、カナダ(1,620億㎥)であり、米国或いはロシアのほぼ1/4である。6位から8位は中国(1,345億㎥)、ノルウェー(1,088億㎥)、サウジアラビア(1,082億㎥)であり、以上8か国が生産量1千億㎥を超えている。9位以下はアルジェリア(833億㎥)、インドネシア(734億㎥)、トルクメニスタン(693億㎥)、マレーシア(664億㎥)が名を連ねている。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

多様化する天然ガス貿易:BPエネルギー統計2015年版解説シリーズ(天然ガス篇4)

2015-07-21 | その他

1. 世界の天然ガスの埋蔵量と可採年数(続き)
(サウジアラビアを追い抜いた米国の埋蔵量!)
(5)主な天然ガス資源国の過去15年間の埋蔵量の変化
(http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-1-G04.pdf参照)
 2014年末の天然ガス埋蔵量上位7カ国(イラン、ロシア、カタール、トルクメニスタン、米国、サウジアラビアおよびUAE)の7か国について2000年~2014年までの埋蔵量の推移を見ると、イランの場合2007年までは埋蔵量27tcm(兆立方メートル)前後を上下していたが、2008年に30tcmを突破、2010年にはロシアを追い越し2014年末の埋蔵量は世界一の34tcmである。ロシアは2000年から2009年まで世界一の埋蔵量(31tcm)を誇っていたが、2010年にイランに追い越され世界2位となっている。しかし両国の差はわずかである。世界第3位の埋蔵量を誇るカタールは2001年に埋蔵量を14tcmから26tcmに大幅に上方修正し現在に至っている。

 これまでイラン、ロシア、カタール3カ国の埋蔵量が他を圧倒していたが、近年トルクメニスタンの飛躍が著しい。同国の埋蔵量は2007年まで2tcmにとどまっていたが、2008年の7tcmから2010年には10tcmを突破、2014年末の埋蔵量は17tcmに達し過去6年間で8倍に増加しており、比較した7カ国の中では飛び抜けた増加率である。

 イランとトルクメニスタンは2007年以降共に埋蔵量が急増している。しかしイランは米国の経済制裁により国際石油企業との合弁事業が進まず自前の技術で探鉱開発を行っており同国の技術が時代遅れのものであることは周知の事実である。このような状況下で埋蔵量が増加しているのは石油篇で述べたと同様、イラン政府が政策的に埋蔵量の水増しを行っている可能性が否定できない。これに対してトルクメニスタンの場合は外国石油企業との全面的なタイアップにより国内で探鉱作業を行った成果であり埋蔵量の数値は信頼性が高いと考えられる。

 米国も2006年以降埋蔵量が増加する傾向にあり2010年には2006年比1.4倍の8.6tcmに達し、サウジアラビア(7.9tcm)を上回り、2014年は9.8tcmと過去最高の水準に達している。このことはシェールガス開発が盛んに行われていることを示している。

(天然ガス篇埋蔵量完)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

多様化する天然ガス貿易:BPエネルギー統計2015年版解説シリーズ(天然ガス篇3)

2015-07-20 | その他

1. 世界の天然ガスの埋蔵量と可採年数(続き)
(昔も今も中東と欧州・ユーラシアが二大埋蔵地域!)
(4)地域別の埋蔵量推移(1980年~2014年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-1-G03.pdf参照)
 埋蔵量の推移を地域別に見ると、1980年は中東地域が世界全体の34%を占め最も大きく、次いで欧州・ユーラシア地域が33%であり、この2地域で世界の埋蔵量の67%を占めていた。2000年代初めには両地域の比率は中東42%、欧州・ユーラシア30%となり両地域の埋蔵量格差は拡大しており、2014年末はそれぞれ43%と31%である。両者の合計シェアは74%であり1980年当時よりも高くなっている。

 これに対して北米地域のシェアは大きく低下している。1980年に世界の14%を占めていたシェアは1990年には一ケタ台の9%に落ち込み、さらに2000年以降は5~6%にとどまっている。現在米国ではシェール・ガスが盛んに開発されこれを含めた2014年末のガス埋蔵量は1980年の10兆tcfを上回る12兆tcfに達し、埋蔵量の世界シェアは6%で推移している。このように現在埋蔵量が1980年当時を上回っているにもかかわらず世界に占めるシェアが半分以下に落ち込んでいることには二つの理由が考えられる。即ち第一の理由は北米以外の地域(特に中東、欧州・ユーラシア地域)でガス田の発見、或いは既存ガス田の見直しが行われ埋蔵量が大幅に増加したことであり、第二の理由は北米が天然ガスの最大の消費地域であるため(消費量については後述)、シェール・ガスの生産が消費とバランスしており、シェール・ブームではあっても埋蔵量の追加にはならないためと考えられる。

 その他の地域ではアフリカ及び中南米のシェアはそれぞれ8%と4%であり、このシェアは過去30年以上殆ど変っていない。なお前項に述べたとおり世界の天然ガス埋蔵量は1980年以降毎年増加しており、2014年は1980年の2.6倍に達している。このことはアフリカ及び中南米地域の埋蔵量も世界全体と同じペースで増加していることを示している。

 アジア・大洋州地域は1980年のシェア6%から徐々にあがり1999年以降は9%に達したが現在のシェアは8%である。世界経済の発展に伴い地域の天然ガスの探鉱開発が活発化した結果、埋蔵量シェアが増加した訳であるが、近年同地域における天然ガス需要が急増し生産が消費に追いつかないため、埋蔵量が減少する傾向にあると言える。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニュースピックアップ:世界のメディアから(7月20日)

2015-07-20 | 今日のニュース

・IEA月例レポート:市場はかなりの供給過剰、原油の底値は未だ先

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

多様化する天然ガス貿易:BPエネルギー統計2015年版解説シリーズ(天然ガス篇2)

2015-07-19 | その他

1.世界の天然ガスの埋蔵量と可採年数(続き)
(埋蔵量は34年間で2.6倍、可採年数は50~55年前後でほぼ一定!)
(3)1980~2014年の埋蔵量及び可採年数の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-1-G02.pdf参照)
 1980年末の世界の埋蔵量は72tcmであったが、2014年末のそれは187tcmであり、この34年間で2.6倍に増加している。埋蔵量は1990年、2001年及び2010年前後とほぼ10年毎に大幅に増加しており、以下のような4つの成長時期に分けることができる。

 1980年代は年率4%前後の割合で伸び、1988年末の埋蔵量は96tcmに達した(第1期)。そして1989年には対前年比11%の大幅な増加を示し同年末の埋蔵量は107tcmとなった。その後1990年代は年間成長率が平均2%とやや鈍り2000年末の埋蔵量は139tcmであった(第2期)。2001年は前年比10.3%増大し同年末の埋蔵量は154tcmに達したが、2002年以降2007年までは年間成長率が1%以下に停滞している(第3期)。2008年から埋蔵量は再び増加の兆しを見せ2010年及び2011年の対前年比伸び率はそれぞれ4.3%、5.3%であった(第4期)。2011年から2014年の埋蔵量は横ばい状態で2014年末は187tcfであり現在の第4成長期が高原状態に達しているようである。

 一方可採年数の推移をみると1980年代は50年台前半であったが1990年代以降は50年台後半を維持し、2001年及び2002年には可採年数は60年を超えている。2003年以降は50年台後半を維持しており、2014年の可採年数は54年となっている。上に述べた通り1980年から2013年まで可採埋蔵量は一貫して増加しており(但し2012年のみは対前年比で微減)、この間天然ガスの消費は大幅に伸びている(本編第3章「天然ガスの消費量」参照)。消費量が急激に増加するなかで可採年数が横這い状態となっているということは、世界各地で新しいガス田が発見され、或いは従来商業生産が難しいとされていたものが技術革新により実用化されたことを意味している。前者の新規ガス田発見の例としては中央アジアのトルクメニスタン、ロシアの北極海或いは東アフリカのモザンビーク沖における大型ガス田の発見があり、後者の技術革新の例としては米国のシェールガスや世界各国におけるコールベッドメタンの開発をあげることができる。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

多様化する天然ガス貿易:BPエネルギー統計2015年版解説シリーズ(天然ガス篇2)

2015-07-19 | その他

1.世界の天然ガスの埋蔵量と可採年数(続き)
(埋蔵量は34年間で2.6倍、可採年数は50~55年前後でほぼ一定!)
(3)1980~2014年の埋蔵量及び可採年数の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-1-G02.pdf参照)
 1980年末の世界の埋蔵量は72tcmであったが、2014年末のそれは187tcmであり、この34年間で2.6倍に増加している。埋蔵量は1990年、2001年及び2010年前後とほぼ10年毎に大幅に増加しており、以下のような4つの成長時期に分けることができる。

 1980年代は年率4%前後の割合で伸び、1988年末の埋蔵量は96tcmに達した(第1期)。そして1989年には対前年比11%の大幅な増加を示し同年末の埋蔵量は107tcmとなった。その後1990年代は年間成長率が平均2%とやや鈍り2000年末の埋蔵量は139tcmであった(第2期)。2001年は前年比10.3%増大し同年末の埋蔵量は154tcmに達したが、2002年以降2007年までは年間成長率が1%以下に停滞している(第3期)。2008年から埋蔵量は再び増加の兆しを見せ2010年及び2011年の対前年比伸び率はそれぞれ4.3%、5.3%であった(第4期)。2011年から2014年の埋蔵量は横ばい状態で2014年末は187tcfであり現在の第4成長期が高原状態に達しているようである。

 一方可採年数の推移をみると1980年代は50年台前半であったが1990年代以降は50年台後半を維持し、2001年及び2002年には可採年数は60年を超えている。2003年以降は50年台後半を維持しており、2014年の可採年数は54年となっている。上に述べた通り1980年から2013年まで可採埋蔵量は一貫して増加しており(但し2012年のみは対前年比で微減)、この間天然ガスの消費は大幅に伸びている(本編第3章「天然ガスの消費量」参照)。消費量が急激に増加するなかで可採年数が横這い状態となっているということは、世界各地で新しいガス田が発見され、或いは従来商業生産が難しいとされていたものが技術革新により実用化されたことを意味している。前者の新規ガス田発見の例としては中央アジアのトルクメニスタン、ロシアの北極海或いは東アフリカのモザンビーク沖における大型ガス田の発見があり、後者の技術革新の例としては米国のシェールガスや世界各国におけるコールベッドメタンの開発をあげることができる。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

多様化する天然ガス貿易:BPエネルギー統計レポート2015年版解説シリーズ(天然ガス篇1)

2015-07-18 | その他

BPが毎年恒例の「BP Statistical Review of World Energy 2015」を発表した。以下は同レポートの中から天然ガスに関する埋蔵量、生産量、消費量、貿易量のデータを抜粋して解説したものである。

1.世界の天然ガスの埋蔵量と可採年数
(天然ガスの4分の3は中東と欧州・ユーラシアに。世界の可採年数は54年!)
(1)2014年末の確認埋蔵量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-1-G01.pdf参照)
 2014年末の世界の天然ガスの確認可採埋蔵量(以下単に「埋蔵量」と言う)は187兆立方メートル(以下tcm: trillion cubic meter)であり、可採年数(R/P)は54年である。

 埋蔵量を地域別に見ると中東が43%、欧州・ユーラシアが31%であり、この2地域だけで世界の埋蔵量の4分の3を占めている。これら2地域に次ぐのはアジア・大洋州とアフリカがそれぞれ8%、北米6%、中南米4%でこれらすべて合わせても全体の4分の1にとどまる。このように世界の天然ガスの埋蔵量は一部地域に偏在していると言える。

 埋蔵量を生産量(次章参照)で割った数値が可採年数(R/P)であるが、2014年の天然ガスのR/Pは54年である。これを地域別で見ると中東地域の100年以上に対して北米はわずか13年にすぎない。アフリカ地域のR/Pは70年で全世界の平均を上回っており、その他欧州・ユーラシアは世界平均より高い58年である。中南米は44年、アジア・大洋州は29年で世界平均を下回っている。

(国別埋蔵量ではイランとロシアがトップ!)
(2)国別の埋蔵量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-1-T01.pdf参照)
 2014年末の国別埋蔵量を見ると、イランが最も多い34tcmであり、第2位はロシアの33tcmである。この2カ国が世界の中で飛びぬけて多く、両国を合わせると世界の36%を占める。この2カ国に続くのが第三位カタール(25tcm、シェア13%)、第四位トルクメニスタン(18tcm、9%)であり、これら4カ国だけで世界の埋蔵量の6割弱を占めている。5位以下10位までは米国(世界シェア5.2%)、サウジアラビア(4.4%)、UAE(3.3%)、ベネズエラ(3.0%)、ナイジェリア(2.7%)、アルジェリア(2.4%)と続いており、上位10カ国の世界シェア合計は79%に達する。

 因みに天然ガス生産国の一部はガス輸出国フォーラム(GECF)を結成している。GECFは2001年に結成され、現在は正式メンバーがロシア、イラン、カタール、アルジェリアなど12カ国及びオブザーバーがノルウェーなど3カ国の合計15カ国で構成されている。埋蔵量上位10カ国のうち6カ国がGECF加盟国であり、これらの国々の埋蔵量が世界に占める割合は6割弱に達する。GECF自体は加盟国相互間で世界の天然ガス市場の需給・価格情報を共有することが目的であり、OPEC(石油輸出国機構)のような生産カルテルではないが、消費国の一部にはGECFを「天然ガスのOPEC版」と警戒する向きもあり、今後の動向が注目されている 。

(*)ガス輸出国フォーラム(GECF)メンバー
正式加盟国(12ヶ国):ロシア、イラン、カタール、ベネズエラ、ナイジェリア、アルジェリア、エジプト、リビア、オマーン、トリニダード・トバゴ、ボリビア、エクアトール・ギニア
オブザーバー参加国(3カ国):ノルウェー、カザフスタン、オランダ
 
(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニュースピックアップ:世界のメディアから(7月12日)

2015-07-18 | 今日のニュース

・OPEC事務局長、30日にモスクワ訪問。イランの本格市場参入でロシアと話し合いか

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の各社プレスリリースから(7/12-7/18)

2015-07-18 | 今週のエネルギー関連新聞発表

7/14 経済産業省    「平成26年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」が閣議決定されました http://www.meti.go.jp/press/2015/07/20150714001/20150714001.html
7/15 Shell    Shell to sell its equity interest in the Elba LNG joint venture to Kinder Morgan http://www.shell.com/global/aboutshell/media/news-and-media-releases/2015/shell-sell-equity-interest-in-elba-lng-joint-venture-to-kinder-morgan.html
7/16 経済産業省 「   長期エネルギー需給見通し」を決定しました http://www.meti.go.jp/press/2015/07/20150716004/20150716004.html
7/16 石油連盟    木村 石油連盟会長定例記者会見配布資料 http://www.paj.gr.jp/from_chairman/data/2015/index.html#id747
7/16 三菱商事    米国メキシコ湾で洋上原油生産設備(FPSO)事業に参画~シェル・オフショア社向のFPSO傭船・操業・保守事業に参画~  http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2015/html/0000028147.html
7/17 三菱商事    西豪州キンバリー地域カニング堆積盆地ウンガニ油田の商業生産開始について http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2015/html/0000028121.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石油生産量世界一に躍り出た米国:BPエネルギー統計2015年版解説シリーズ:石油篇18(完)

2015-07-15 | その他

(注)本レポートNo.1~18は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0349BpOil2015.pdf

 

5.世界の石油精製能力(続き)
(景気低迷で稼働率が低下する中国!)
(5)主要な国と地域の精製設備稼働率(2000~2014年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-5-G04.pdf 参照)
 精製能力に対して実際に処理された原油の量(通油量:Refinery throughputs)で割ったものが設備の稼働率である。ここでは日本、米国、中国、インド及び欧州・ユーラシア地域について2000年から2014年の稼働率を比較検討する。

2000年には米国とインドが90%を超える高い稼働率を示し、日本も83%を記録している。これに対し中国および欧州・ユーラシア地域は75%にとどまっていた。インドはその後も高い稼働率を維持し2003年以降は稼働率100%を超える状況が続き、2014年の稼働率は104%であった。前項の精製能力の推移に見られるとおりインドは2000年以降精製能力を拡大しており、2014年には2000年の1.95倍の能力に達しているが、需要の伸びに追い付かず慢性的な精製能力不足であることがわかる。

 米国の稼働率は2000年の91%をピークに年々低下し2009年には82%まで下がった。その後稼働率は年々上がっており2014年には89%とほぼ2000年の水準に戻っている。同国の精製能力は2000年の1,660万B/Dに対して2014年は1,779万B/Dで増加しており、近年経済が回復しガソリンなどの石油製品の需要が堅調であることを示している。但し原油価格はシェールオイルおよびOPECが高水準の生産を維持しているため昨年の後半以降原油価格が急落していることを勘案すると米国の石油産業は「利益なき繁忙」の状況にあるとも言えそうである。

 日本は設備能力の削減により漸く稼働率が上がりつつある。前項に示したとおり日本の精製能力は2000年の501万B/Dから2014年には375万B/Dへと4分の1も減少している。その間の稼働率は2000年の83%が2005年には91%に上昇し設備廃棄の効果が見られた。その後稼働率は再び80%台前半に低迷しており、2012年は80%に落ちたため、更なる設備削減が行なわれた結果、2014年には88%まで回復した。

 中国の精製能力は2000年の541万B/Dから2014年には2.6倍の1,410万B/Dに急拡大している。その間、2011年までは80%前後の稼働率で推移してきたが、2012年以降は80%を切り、2014年には71%に落ち込んでおり景気低迷の影響がうかがわれる。

 欧州・ユーラシア地域の精製能力は2000年の2,518万B/Dから2014年には2,372万B/Dに減少している。しかしながらこの間の稼働率は80%前後でありほぼ横ばい状態である。現在でも設備過剰感が残っているようである。

(石油篇完)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする