石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

多様化する天然ガス貿易:BPエネルギー統計2015年版解説シリーズ(天然ガス篇9)

2015-07-27 | その他

(一国で世界の5分の1の天然ガスを消費する米国!)
(2)国別消費量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-3-T01.pdf 参照)
 次に国別に見ると、最大の天然ガス消費国は米国であり、同国の2014年の消費量は7,594億㎥であった。これは全世界の22%に相当する。米国は石油についても世界全体の21%を消費しており(石油篇国別消費量参照)、世界一のエネルギー爆食国である。

 第2位はロシア(4,092億㎥、12%)でこの米露両国が世界の二大天然ガス消費国である。これに続くのが中国(1,855億㎥)、イラン(1,702億㎥)である。5位以下7位までには日本(1,125億㎥)、サウジアラビア(1,082億㎥)、カナダ(1,042億㎥)と続き、これら7カ国が消費量1千億㎥以上の国である。

 2014年の天然ガス消費量を前年の2013年と比較すると、世界全体では0.4%の増加であるが、米国は世界平均を大幅に上回る2.6%の増加率である。米国はシェールガスの増産により天然ガスの価格が低位安定し国内の石油化学産業が活発化するなど産業全体に波及効果が及んでいるものと考えられる。

 米国が増加しているのに対してロシアは1%減少し、日本も0.9%減少している。日本の場合は2011年の福島原発事故による原発の全面停止により火力発電用のLNG輸入が急増した結果、2011年は前年比で11.6%増、2012年も同10.3%増と2年連続で二桁の大幅な増加となったが、2013年は0.1%、さらに2014年は0.9%減少と2年連続して前年を下回っている。

 ヨーロッパ諸国の場合はドイツが前年比14%と大幅に減少し、その他英国、イタリアも10%前後の大幅な減少であった。欧州の景気低迷が長引いているためと考えられる。

(続く)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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