(消費量が微減傾向の日本と米国、急増する中国。インドはまもなく日本を追い抜く!)
(4) 四大石油消費国(米、中、日、印)の消費量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-3-G03.pdf 参照)
2014年の世界の四大石油消費国は米国、中国、日本及びインドである。これら4カ国の1965年以降の消費量の推移には先進国(米国・日本)と開発途上国(中国・インド)それぞれの特徴が如実に表われている。
世界最大の石油消費国である米国は1965年(1,152万B/D)から1980年(1,706万B/D)まで消費が大きく伸びた後、1980年代前半は需要が減退している。しかし1985年(1,573万B/D)以降再び消費量は着実に増加、2000年代前半には2千万B/Dを突破した。そして2005年に2,080万B/Dに達した後は減少に転じ2014年は1,904万B/Dに落ち込んでいる。
日本については1965年の消費量は171万B/Dで米国の7分の1に過ぎなかったが、それでも中国(22万B/D)、インド(25万B/D)を大きく引き離していた。1975年には479万B/Dに増加したが、1979年の第二次オイルショックを契機に石油消費の伸びは低下、1985年は443万B/Dであった。1990年代に入り世界経済の発展と共に石油消費量も500万B/Dを超える水準が続いたが、2008年以降は500万B/Dを割り、2014年の消費量は430万B/Dである。
これに対して中国及びインドは一貫して増加している。特に中国の石油消費量は1970年代に100万B/Dを突破、1990年以降は大きく伸び、1990年の232万B/Dが2000年には477万B/Dに倍増した。2000年に入ると伸びはさらに加速して2003年には日本を追い抜き米国に次ぐ世界第二の石油消費国となっている。2005年は692万B/Dと1990年の3倍に達し、2010年は927万B/D、そして2014年には1,106万B/Dを記録した。これは同じ年の日本の2.6倍である。
インドの場合も1965年の消費量は25万B/Dにすぎなかったが、1988年に100万B/Dを超すとその後は10年毎に100万B/D単位で増加、2000年の消費量は226万B/D、2010年は332万B/Dを記録しており、2014年は385万B/Dに達している。これは日本の9割であり、この趨勢が続けば今後数年で日本を追い越し世界3位の石油消費国になる勢いである。日本が省エネ技術により石油消費を抑えたのに対し、中国及びインドはエネルギー多消費型の経済開発により高度成長を遂げつつあることが解る。
(続く)
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