石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

今週の各社プレスリリースから(10/17-10/23)

2021-10-23 | 今週のエネルギー関連新聞発表

10/18 三菱商事

カーボンニュートラル社会の実現に向けて

https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2021/html/0000047906.html

 

10/19 INPEX

九州電力株式会社、PTT International Trading Pte Ltd、株式会社 INPEX 間での協業覚書の締結について(お知らせ)

https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20211019.pdf

 

10/20 ENEOS

当社知多事業所の製造設備の出光興産株式会社への設備譲渡契約締結について

https://www.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20211020_02_01_0392597.pdf

 

10/21 経済産業省

今冬の電力・ガスの安定供給確保に向けて、電力・ガス事業者、資源開発事業者・商社との官民連絡会議を開催しました

https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211021003/20211021003.html

 

10/21 出光興産

ベトナムにブラックペレット(商品名:「出光グリーンエナジーペレット™」)の商業製造プラントを建設 日本の石炭需要家のCO2削減に貢献。3年以内にブラックペレットの供給拠点を拡大し年産30万トンへ

https://www.idemitsu.com/jp/news/2021/211021.html

 

10/22 経済産業省

第6次エネルギー基本計画が閣議決定されました

https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211022005/20211022005.html

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(再掲)SF小説「イスラエル、イランを空爆す」(12)

2021-10-22 | 荒葉一也SF小説

初出:2010年9月

 

サウジアラビアの秘かな動き(3)

「息子よ。よく考えてみろ。イランの核兵器開発は我々にとっても重大な脅威である。何よりもペルシャ人でシーア派の坊主共は米国やヨーロッパ諸国或いはイスラエルよりも我々にとってもっと身近な敵なのだ。」

「その敵をイスラエルがやっつけると言うのだ。イスラエルのやりたいようにやらせておけ。それで我々の頭痛の種が一つ減る訳だ。ユダヤ人とペルシャ人のいがみ合いで、我々アラブ人が労せずして漁夫の利を得られるという寸法だ。」

 

受話器から国防相の薄ら笑いが漏れてきた。小さい頃から聞き慣れたその薄ら笑いをトルキ王子は今でも好きになれない。父親は自分の今の年ごろには既に国防相になっていた。そして彼は権謀術策の限りを尽くして今日までその地位を守ってきた。そして彼は権力の階段を一段昇る毎に今日のような薄ら笑いを見せたのである。

 

対照的に息子のトルキは『銀のスプーンを口にくわえて』生まれ、快活で裏表のない性格に育った。彼の周りには常に友人達と笑い声が絶えなかった。彼が軍のエリートコースであるジェットパイロットの訓練生として米国に留学した時も、彼の竹を割ったような性格は米国人の上官や同僚達に好かれた。米国の軍人は陽気で快活で裏表のない人間が大好きなのである。

 

しかも彼らはエスタブリッシュメントと呼ばれる人物に秘かな憧れを持っており、「王子」などと言う米国には逆立ちしても探せないハイソサエティと仲間になれることがうれしいのである。王子は「同じ釜の飯を食った仲間」に加えられ、彼らとの付き合いは今も続いている。

 

 父親に息子の気持など解かるはずもなく、国防相は話を続けた。

 「ワシントンはイスラエルのもう一つの要請を伝えてきた。これから後はお前と部下達の仕事だ。」そう言って国防相は息子のトルキに何事かを指示した。司令官の顔がたちまち紅潮した。

 

「了解。父上。」

彼はそう言って携帯電話を切ると周囲に集まった部下達に命令した。

「鷹狩りは中止だ。直ちに基地に帰る。主だったものを私の部屋に集めろ。今から30分後に重要会議を開く。」

 

(続く)

 

荒葉一也

 

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データベース更新のお知らせ

2021-10-22 | データベース追加・更新

下記データを更新しましたのでご利用ください。

・カタール政府閣僚名簿(2021.10.19現在)

 

 

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石油と中東のニュース(10月21日)

2021-10-21 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・原油高値続く。Brent $85.82, WTI $83.87

・サウジ石油相:天然ガスから60万B/D相当の石油へ需要転換

・茂木外相、クウェイト外相と電話会談。両国の友好を再確認

(中東関連ニュース)

・ロシアが中国、イラン等10カ国とアフガン問題を協議

・エジプト、ギリシャ、キプロスが定期首脳会議開催。エネルギー協力などで合意

・シリア大統領、アブダビ皇太子と電話会談

・シリア首都でテロ活動、過去5年間で最大の惨事。27名死亡

・サウジ、UAE、クウェイトがバハレーン金融支援を再確認

・カタール内閣改造。女性大臣3名に

・サウジ観光庁が東京に事務所開設。観光客誘致に乗り出す

・イスラエル、12年ぶりにパレスチナ人3千人の居住登録認める

 

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データベース更新のお知らせ

2021-10-21 | その他

下記データベースを更新しましたのでご利用ください。

・サウジアラビア閣僚名簿(2021年10月15日現在)

 

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コロナ禍長引き今年の成長率は下方修正:IMF世界経済見通し2021年10月版(1)

2021-10-20 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0546ImfWeoOct2021.pdf

 

IMF(国際通貨基金)では毎年4月および10月に世界各国の経済見通し「World Economic Outlook(WEO) Database」を発表しており、今年10月版(以下WEO2021Oct)がインターネット上に公開された。

*URL: https://www.imf.org/en/Publications/WEO/weo-database/2021/October

 

 ここでは2018年から2022年までのGDP(current price, ドル建て)を取り上げ、成長率については前回2021年4月版(以下WEO2021April)[1]と比較して世界とMENA主要国の経済状況の変化を検証する。

 

(昨年の反動で軒並み高い成長率、来年は通常の成長ペースに!)

1.2021/22年のGDP成長率

(表http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-08.pdf 参照)

 

(1)全世界及び主要経済圏のGDP成長率

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-01.pdf 参照)

 IMFは今年(2021年)の世界のGDP成長率を5.9%と見込んでいる。次項に述べる通り4月版では6.0%と予測していた。昨年は新型コロナウィルスにより世界経済がマヒ状態に陥り、成長率は▲3.1%であったが、今年は昨年のマイナス成長を克服して回復軌道に入っている。但しコロナ禍の影響が長引いており今年の成長率はWEO2021Aprの6.0%からわずかながら下方修正している。来年(2022年)の成長率は4.9%と予測しており、世界経済は本来の成長ペースに戻ると見られる。

 

今年の成長率について経済圏毎に見ると主要先進7カ国(G7)が5.3%、EUは5.1%とされ、開発途上国のASEAN5カ国は2.9%、中東・中央アジアは4.1%とされている。これらの経済圏はいずれも世界平均の5.9%を下回っている。特にこれまで世界経済成長のエンジンとされてきたASEANの成長率が低いのが特徴である。これは世界経済全体の回復の遅れに加え、ASEAN諸国でコロナ禍が長引いているためである。しかし来年のASEANの予測成長率は5.8%であり、他の地域のいずれよりも高い。IMFではASEANが来年には経済成長を取り戻すと見ている。

 

G7及びEUの成長率は今年の5.3%及び5.1%から来年はそれぞれ4.7%及び4.4%になる。昨年の反動で今年の成長率は例年より高目であり、来年は本来の安定した成長になると見られる。中東・中央アジアは今年来年とも4.1%の成長率になる見込みである。

 

(続く)

 

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                              E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

[1] 2021年4月版については下記参照。

http://mylibrary.maeda1.jp/0531ImfWeoApr2021.pdf

 

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石油と中東のニュース(10月19日)

2021-10-19 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・Brent原油2018年10月以来の高値$86.04、WTIは2014年10月以来の最高値$83.73

・8月のサウジ原油輸出645万B/D、過去7か月間で最高

・北海天然ガスパイプライン、ガス充填テスト開始。承認は数カ月先き

(中東関連ニュース)

・イラン軍トップ、武器買付のためロシア訪問

・イラン-サウジ、1年半ぶりに貿易再開

・ロンドンのSelfridgesデパート、カタールが55億ドルで買収提案。サウジPFIと競合

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石油と中東のニュース(10月17日)

2021-10-17 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・米国からLNGを輸入するCNOOCなど中国石油企業

・ロシア首相、欧州への天然ガス供給追加を再度明言

(中東関連ニュース)

・トルコ、米露との協議決裂すればシリア領内のクルドYPGに軍事行動辞さず

・独メルケル首相、任期最後のトルコ訪問で大統領と歓談

・レバノン、ヒズボラの暗殺恐れキリスト教系議員が姿隠す

・チュニジア、サウジ、UAEからの借款を協議中

・イラン中央銀行前総裁に10年の懲役刑

・コロナ禍終息でマッカ神殿礼拝が通常に戻る

・サウジ内閣改造、保健相と巡礼相が交替

・ドバイ法廷が日産自動車に3.5憶ドルの違約金支払い命令。  *

*「天国のはずが地獄だったベイルート:カルロス・ゴーンの場合」(2021.9月)参照。

 

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今週の各社プレスリリースから(10/10-10/16)

2021-10-16 | 今週のエネルギー関連新聞発表

10/11 ExxonMobil

ExxonMobil to build its first large-scale plastic waste advanced recycling facility

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2021/1011_ExxonMobil-to-build-its-first-large-scale-plastic-waste-advanced-recycling-facility

 

10/11 Chevron

Chevron Sets Net Zero Aspiration and New GHG Intensity Target

https://www.chevron.com/stories/chevron-sets-net-zero-aspiration-and-new-ghg-intensity-target

 

10/12 出光興産

ソーラーフロンティア株式会社の事業構造改革について

https://www.idemitsu.com/jp/news/2021/211012.html

 

10/12 TotalEnergies

Scotland: Green Investment Group, TotalEnergies and RIDG partner with Repsol Sinopec and Uniper to develop large-scale green hydrogen facility in Orkney

https://totalenergies.com/media/news/press-releases/GIG_TotalEnergies-and-RIDG-partner-with-Repsol-Sinopec-and-Uniper-to-develop-green-hydrogen-facility

 

10/13 INPEX

ベネズエラ・ボリバル共和国カラボボ鉱区プロジェクト 3 からの撤退について(お知らせ)

https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20211013.pdf

 

10/14 ENEOS/出光興産

米国オハイオ州天然ガス火力発電所の商業運転開始について

https://www.eneos.co.jp/newsrelease/20211014_01_01_2008355.pdf

 

10/15 INPEX

世界最大級のメタネーションによるCO2排出削減・有効利用実用化技術開発事業の開始について~都市ガスのカーボンニュートラル化を実現する技術の実用化へ~

https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20211015.pdf

 

10/15 INPEX

JKC Australia LNG PTY Ltd との和解証書締結について

https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20211015b.pdf

 

10/15 Shell

Shell announces changes to Executive Committee

https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2021/shell-announces-changes-to-executive-committee.html

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中東に広まるドローン(UCAV)の開発と軍事利用(下)  

2021-10-15 | 中東諸国の動向

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0545DroneInMe.pdf

 

トルコとイランのUCAV開発と輸出

(写真はトルコ製 Bayraktar TB2)

SIPRI(ストックホルム平和研究所)のデータベースによればトルコの武器輸出額は世界16位[1]、中東ではトップであり、最近ではUCAVの開発に熱心である。Baykar社の最新型UCAV Bayraktar TB2は各国からの引き合いが殺到し、すでにウクライナ、カタール、アゼルバイジャンのほかEU及びNATOの加盟国であるポーランドにも納入している[2]。ウクライナが追加で24機の購入予定[3]であるほか、契約相手は10カ国以上に及びサウジアラビアも興味を示しているようである。

 

 イスラム教シーア派のイランは米国の経済制裁のため表立ってUCAVを輸出することはできない。しかし冒頭で触れたイエメン・フーシ派をはじめ、中東域内の反米あるいは親シーア派勢力にUCAVを供与しており、代表的な機種はモハジェルである。(写真下)

 トルコとイランによるUCAVについて米国は神経をとがらせている。米議会ではトルコ製UCAVの他国への輸出に警告を発しており[4]、また米中央軍(CENTCOM)司令官はイラン製UCAVが安全の脅威になっていると述べている[5]

 

中東全域に拡散するUCAV

 国家・民族あるいは宗教紛争があれば、そこには必ず兵器に対する需要がある。中東は不幸にも武力紛争が絶えない。2010年代初めの「アラブの春」がアラブに平和と民主主義をもたらすとの幻想は潰え、むしろその後はイエメンやリビアの例を挙げるまでもなく政治の混迷が深まっている。

 

 UCAVは当初米国の独壇場であったが、IT、人工知能技術が普及し、イラン、トルコなども独自のUCAVを保有するようになった。また湾岸産油国のように技術は無いが財政が豊かな国家は他国からUCAVを調達する。1機1億ドルもするF-35ステルス有人爆撃機に比べてはるかに安いUCAVなら簡単に輸入できるのである。米国のUCAV無人攻撃機「リーパーMQ-9」は1機1,300万ドル程度と言われ、F-35の10分の1程度であり、湾岸産油国にとっては安い買い物であろう。実際、UAEはリビア内戦で反政府ハフタール軍団に肩入れし、リーパーMQ-9でリビア政府軍を攻撃している。

 

 世界第4位の武器輸出国の中国は純粋な輸出商品として自国製UCAVの売り込みに力を入れている[6]。中国は世界最大のUCAV輸出国である。

(写真:中国製「翼龍」)

 MQ-9よりもはるかに安価であるトルコ製あるいはイラン製UCAVを調達する国も増えており、イラン革命防衛隊のQuds軍団はUCAVがイラン国外での軍事作戦の主要な柱であると明言している[7]

 攻撃型UCAVが多用されるようになると必然的に迎撃用UCAVが開発されることになる。トルコで開発中のFedaiがそれである。Fedaiは高空を旋回しながら相手機を探索し、これに体当たりして爆破する方式で彼らは「カミカゼ」型と呼んでいる[8]。(写真はFedai)

 

 攻撃型の「矛」と迎撃型の「盾」の開発競争が加速し、まさに「矛盾」という言葉がふさわしい状況である。

 

以上

 

本件に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

荒葉一也

Arehakazuya1@gmail.com

 

[1] SIPRI Military Expenditure Database

https://www.sipri.org/databases/milex

[2] Unprecedented demand pours in for Turkey’s combat drone

https://www.dailysabah.com/business/defense/unprecedented-demand-pours-in-for-turkeys-combat-drone

2021/9/10 Daily Sabah

[3] Ukraine to buy 24 more Turkish Bayraktar TB2 UCAVs

https://www.dailysabah.com/business/defense/ukraine-to-buy-24-more-turkish-bayraktar-tb2-ucavs

2021/9/12 Daily Sabah

[4] US Congress alarmed by Turkish drones' global success, capability

https://www.dailysabah.com/politics/diplomacy/us-congress-alarmed-by-turkish-drones-global-success-capability

2021/8/11 Daily Sabah

[5] Can Iranian drone tech shift Middle East’s strategic balance of power?

https://www.arabnews.com/node/1864131/middle-east

2021/5/24 Arab News

[6] Mideast plays key role in Chinese export of armed drones, report says

2018/12/17 Arab News

http://www.arabnews.com/node/1422101/business-economy

[7] Drones main pillar of Iran's Quds forces overseas ops: opposition

https://english.ahram.org.eg/News/426458.aspx

2021/10/6 Ahram Online

[8] Turkish firms develop new kamikaze UAV against drone-borne threats

https://www.dailysabah.com/business/defense/turkish-firms-develop-new-kamikaze-uav-against-drone-borne-threats

2021/10/6 Daily Sabah

 

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