(世界ランクシリーズ その6 2023年版)
国連などの国際機関あるいは世界の著名な研究機関により各国の経済・社会に関するランク付け調査が行われている。これらの調査について日米中など世界の主要国及びトルコ、エジプト、イランなど中東の主要国のランクを取り上げて解説するのが「世界ランクシリーズ」である。
第6回のランキングは汚職追放を目指す世界のNPO法人Transparency International(略称:TI、本部ベルリン)が毎年発表している「Corruption Perception Index(腐敗認識指数)」について比較しました。
- ホームページ: http://www.transparency.org/
1.「Corruption Perception Index (腐敗認識指数)」について
Corruption Perception Index(CPI, 腐敗認識指数)は、公務員と政治家がどの程度腐敗しているか、その度合いを国際比較し、国別にランキングしたものである。ベルリンに本部のあるNPO法人Transparency International(TI)が手がけている。
CPIは1995年に第一回の指数を発表、今年で27回目である。調査当初は対象国が41カ国、調査内容も7種類と小規模であったため、各国からは調査結果に対する不満が出たが、回を重ねるに従い内容の信頼性も高まり今回の対象国は180か国である。
評価は各国の実業家或いは分析専門家など実務で腐敗の現場に直面している人々の経験や認識に基づくアンケートを統計処理したものであり、CPIは0から100までのスコアで国を採点している。0点は最も腐敗していると考えられる国を、100点は最も透明性が高い国であることを示している。
(トップ5の顔触れは変わらず、日本は16位!)
2.2023年の世界ランク及び2022年との比較
(表http://rank.maeda1.jp/6-T01.pdf 参照)
2023年の腐敗認識指数世界ランクのトップ(即ち清潔度が世界一の国)は昨年と同じくデンマークでありスコアは90であった。これに続くトップ5はフィンランド、ニュージーランド、ノルウェー及びシンガポールであり、これらの国々も前年度の順位と変動はなかった。
上記以外の日本を含む主要な国々の世界ランクを見ると、ドイツは世界9位であり、G7の中では唯一10位以内に入っている。日本は世界16位であり前年の18位よりアップし、また米国は前回同様世界24位である。韓国は世界32位、中国76位、インドは93位である。これら3か国はいずれも前年より順位を下げており、特に中国は前回の65位から11ランク下がっている。ロシアは前回の137位からさらに141位に落ちており、腐敗度が進んでいると評価されている。
(続く)
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