ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ITSへの提言:通信ありきでは始まらない その2

2005年06月14日 | ITS
昨日、「車がユビキタスに通信で接続されるということは既定路線である」「だから、それをITSに活用するのだ」という図式で考える限り、ITSはスタートでつまずいてしまう、と書いた。

しかし、いましきりに行われてるITS実験は依然として通信を前提としているものばかりだ。
最近も書いた参宮橋実証実験がその典型である。
参考:AHSRAは7月1日にその成果報告を含めたフォーラムを開催

見通しの悪いカーブの手前に、その先の渋滞、事故情報を流せば追突事故防止になる事ぐらい、子供でも判る。問題は、その情報提供手段を何故路車間通信に頼らなければならないのか、ということである。

路側表示で十分じゃないのか?

通信を使わなければITSじゃない、という思いこみがあるのではないか。
もしかしたらITSのI(インテリジェンス)という言葉が問題なのかもしれない。
インテリジェンスはベターとかオプティマイズドという言葉に置き換えた方が良い。

インテリジェンスかどうかは関係ない。方法はともかく、改善すべきは道路の安全性だ。

カーブ先の渋滞や事故を感知するセンサー技術は既にある。
電光掲示板も既にある。これらのすでにある技術なら、全国の事故多発カーブに今すぐに設置ができる。

路車間情報を全ての車が受け取れるようになるかどうかは全く不透明だ。DSRCなのか、ビーコンなのか、携帯通信なのかすら見えてこない。仮に規格が統一されたとしても、全ての車に普及するには10年以上かかる。
そんな不確実な路車間通信の実験をしている暇があったら、今できる技術ですぐに危険箇所の改善するのが先なんじゃないのか。