ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ITSへの提言:交通事故減少にフォーカスする その2

2005年06月24日 | ITS
安全、つまり交通事故の減少を推進するということであれば、原則的には公共事業で構わないと思う。
「ITSは公共事業に頼ってきたから頓挫した、これからは市場ニーズを重視し、民間事業としてのスタンスを持つべきである」という文脈はあちこちで目にするが、それが意味していることが往々にして情報提供サービスだということに問題があるのだ。
そこでスタックする位なら、むしろ公共事業としてもう一度見直した方が良い。

トヨタは最近、ことある毎に「ITSは安全」と言い始めた。
まさしくその通りだと思う。安全、交通事故減少に対しての官民の協調をきっちり考えていくべきだろう。

民間が出来ることは、ASV(先進安全)装備を早く車両標準装備にすることだ。
消費者が望む「キラーコンテンツ」になれば、自然と正のスパイラルが回る。
官は道路の改善や法整備、国民啓蒙でその促進をするべきである。

DSRCサービスでドライブスルーのキャッシュレス決済とか、商店街の特売情報をプッシュ配信するなどということはきっぱりと忘れて、関係官民のベクトルを交通事故減少にフォーカスしなくては、ITSに未来はない。

繰り返すが、車車間、路車間通信は「目的達成のためにその方が合理的」であるなら使えば良いだけのことだ。