今日の日経に、「自宅の食費は月いくら?」という記事が掲載されており、5万円以下の世帯が64%とのデータを見ていささかビックリしました。(インターネットの調査で有効回答は618人)
何故ビックリしたかというと、昨年妻が入院して以来、食費分の家計簿を筆者がつけることになったので、食費の内訳がよく分かるようになったからです。その家計簿によると、1月から6月までの食費支出の平均が約81000円、独り身になった7月、8月でも約56000円です。つまり二人分で8万円を超えていたのですが、これはこの調査データでは上位のたったの4%に相当します。
妻の入院(1月から2月中旬)と自宅介護(2月中旬から6月下旬)中は、確かに出来合いの総菜など中心の買い物でしたが、それにしても上位4%に入るほどの「贅沢」だったとは思えません。
以前にこの記事で触れましたが、(財)生命保険文化センターというところが出している定年後の最低生活費は23万3千円です。これに日本の平均的なエンゲル係数である18%(と、筆者が誤解していた。-後述参照)をかけても4万2千円となります。この最低生活費での食費分が、今回の調査での平均値にかなり近いということになりますが、618人の世帯の平均生活費が23万円程度とはとても思えません。
チョイと気になるので、何か裏付けとなる資料はないかと探したら、総務省統計局が2009年度(平成21年)分として出している統計表なるものがあり、その中で総世帯の食料費は59258円とありました。これには飲料や酒類も含みます。筆者のデータも同じです。平均消費支出は253720円ですから食費は23.4%になります。(これが正しいエンゲル係数。)
一般的に、食費はいくら?とインターネットで尋ねられたとき、飲料や酒類を含むかどうかはいささか微妙ですが、スーパーでの買い物のレシートからそれらを除外するのは面倒なので、それらを含めて家計簿をつけると思います。筆者もそうです。
日経の調査によれば、食費が6万円未満の世帯は8割です。総務省のデータは総世帯平均での数字ですが、かなり差があります。
ここまで書いてきて、一言で「食費はいくら?」などとネットでアンケート調査をしてまとめることは、かなり乱暴なことであると気づきました。食費の他にも同じようにいい加減な調査に基づく記事が、この世に溢れているに違いありません。
詳細は、この総務省の調査である「世帯属性別の家計収支」をご覧下さい。(表II-3-1)
筆者のエンゲル係数18%というのも、当時ネットで安易に調べた数字でしたが、これは大きな間違いでした。年齢や世帯の構成によっても当然ながら可処分所得が異なり、従って消費支出も異なります。つまり、ある程度総務省のように層別して分析しないと、日経のようにとんでもない数字が出てしまうということになります。
定年後の生活費については、ここ2-3年、団塊の世代の退職が増えたせいか、このブログへのアクセスが多くなっております。ここで、筆者の先の記事をお詫びして訂正し、まずはこの総務省のデータを参照し、ご自分のケースに当て嵌めることをお勧めします。
お役所も暇と金と手段があるので、たまには良い仕事をするね。
なお、家計収支の概要も参考にして下さい。
何故ビックリしたかというと、昨年妻が入院して以来、食費分の家計簿を筆者がつけることになったので、食費の内訳がよく分かるようになったからです。その家計簿によると、1月から6月までの食費支出の平均が約81000円、独り身になった7月、8月でも約56000円です。つまり二人分で8万円を超えていたのですが、これはこの調査データでは上位のたったの4%に相当します。
妻の入院(1月から2月中旬)と自宅介護(2月中旬から6月下旬)中は、確かに出来合いの総菜など中心の買い物でしたが、それにしても上位4%に入るほどの「贅沢」だったとは思えません。
以前にこの記事で触れましたが、(財)生命保険文化センターというところが出している定年後の最低生活費は23万3千円です。これに日本の平均的なエンゲル係数である18%(と、筆者が誤解していた。-後述参照)をかけても4万2千円となります。この最低生活費での食費分が、今回の調査での平均値にかなり近いということになりますが、618人の世帯の平均生活費が23万円程度とはとても思えません。
チョイと気になるので、何か裏付けとなる資料はないかと探したら、総務省統計局が2009年度(平成21年)分として出している統計表なるものがあり、その中で総世帯の食料費は59258円とありました。これには飲料や酒類も含みます。筆者のデータも同じです。平均消費支出は253720円ですから食費は23.4%になります。(これが正しいエンゲル係数。)
一般的に、食費はいくら?とインターネットで尋ねられたとき、飲料や酒類を含むかどうかはいささか微妙ですが、スーパーでの買い物のレシートからそれらを除外するのは面倒なので、それらを含めて家計簿をつけると思います。筆者もそうです。
日経の調査によれば、食費が6万円未満の世帯は8割です。総務省のデータは総世帯平均での数字ですが、かなり差があります。
ここまで書いてきて、一言で「食費はいくら?」などとネットでアンケート調査をしてまとめることは、かなり乱暴なことであると気づきました。食費の他にも同じようにいい加減な調査に基づく記事が、この世に溢れているに違いありません。
詳細は、この総務省の調査である「世帯属性別の家計収支」をご覧下さい。(表II-3-1)
筆者のエンゲル係数18%というのも、当時ネットで安易に調べた数字でしたが、これは大きな間違いでした。年齢や世帯の構成によっても当然ながら可処分所得が異なり、従って消費支出も異なります。つまり、ある程度総務省のように層別して分析しないと、日経のようにとんでもない数字が出てしまうということになります。
定年後の生活費については、ここ2-3年、団塊の世代の退職が増えたせいか、このブログへのアクセスが多くなっております。ここで、筆者の先の記事をお詫びして訂正し、まずはこの総務省のデータを参照し、ご自分のケースに当て嵌めることをお勧めします。
お役所も暇と金と手段があるので、たまには良い仕事をするね。
なお、家計収支の概要も参考にして下さい。