まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

居酒屋チェーン店白木屋を支えたバングラディッシュ人たち

2008年12月15日 | ニュース・関心事
今日は、小川央弁護士が代表を務めるアジアを考える静岡フォーラムの定例講演会。テーマは「もう始まっている他民族多文化共生社会」で、前回の「定住外国人に地方参政権を」と同じくらいに刺激的でした。

参加者は20名弱でしたが、司法修習生や大学生など新しいメンバー参加も含め、これからのアジアを考える静岡フォーラムの今後を示してくれたと言う点で今年度の最後の活動にふさわしい会となりました。

講演をしてくれた全統一労組の書記長、自らはオルグが仕事という鳥井一平さん。1993年に外国人春闘を日本ではじめて呼びかけた労働組合で、現在40カ国2600名の移住労働者を組織するまで成長しています。

1990年代の居酒屋チェーン店、白木屋を支えたのは、オーバステイのバングラディッシュ人であった、その彼らを労働組合に組織し35億円の残業未払い賃金を支払わせたと言うから、驚きです。

こうしたオーバーステイ労働者は、不法滞在者と呼ばれたが経営者とは対等な関係だったから、経営者と喧嘩して仕事をやめることも可能であった、その点で明るかった、と。

ところが、このオーバーステイ労働者が国外に退去されていく過程で導入されたのが「外国人研修・技能研修制度」で、その制度で日本に働く外国人労働者数は結局のところ、変わらないとのことでした。

それどころか、この制度、研修とは名ばかり、研修にかこつけて時給300円と言うケースも。このバックに財団法人国際研修協力機構があり、送り出し国での補償金問題で、喧嘩できない、という陰湿構造も。

しかも、彼らが働く職場は50人以下の中小であり、農業現場、となると事態は複雑。これらの雇主は「気のいい人たち」、しかし、彼らが「悪人そのもの変質構造」がこの制度に隠されていると。

こうした、いわば日本の経済成長を働く現場から見る視点は久しぶりで感動。鳥井さんとは、2001年9・11でアフガニスタン報復戦争にただ一人反対したバーバラ・リー下院議員招致運動で共に活動した仲間です。

もっと大勢の方々と聞ける会となればよかったのに、と反省でした。選挙準備とは違った市民活動の1日で、ちょっとあせりもありました。このバランスで元気が出ているんですね。