イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

加太沖~水軒沖釣行

2023年01月20日 | 2023釣り
場所:加太沖~水軒沖
条件:大潮5:58満潮 11:15干潮
潮流:6:23上り3.5ノット最強 10:28転流 12:45下り1.7ノット最強
釣果:ハマチ1匹

今日は会社をずる休みしてしまった。まあ、ずる休みといっても有給休暇を取るのは労働者の権利だからまったく問題はない。おまけに今やっている仕事なんて何の魅力もない。ただの生命維持装置でしかないのだから持てる権利はすべて使い切りたいと考えているのだ。

とはいってもずる休みであるのには変わりなく、神様はそんな僕を許してはくれない。次々と僕にとって不都合なことが舞い込んでくる。

風はけっこう吹きそうだが、せっかくの三連休。初日に釣りに行かないわけにはいかない。時間別の予報では時間が経つと風の強さはまだましになるようなのと、今日は下りの潮でアジサバが釣れればいいなと考えているので朝はゆっくりと出発。
家を午前7時に出たのだが、これくらいの時間に出発すると港への道中の寒さも少しは和らいでいる。「毒蛇は急がない」というのはどこかの国のことわざだそうだが、たまにはそういうことを考えてもいいのかもしれない。

平日の釣りに行ってみると、こうだと思っていたことが実は違ったということが多々出てくる。煙を吐き出すのを忘れてしまった煙突は今も煙を出し、休日を忠実に守っていただけらしいということや、24時間営業のスーパーでの売れ残ったパンがまったく無くなってしまったのは店舗の在庫管理がシビアになったからではなく、金土の夜には値下げ品を狙う客が多いだけで、平日だとこの時間でもいくつかは残っていた。僕の生活サイクルが狂ってしまっていたからだけのようだった。

 

出港は午前8時。港内は無風だ。



このまま順調に加太まで行けるかと思ったが外海に出てみるとやはり風はある。潮を被るほどでもないが2000回転以上は出せない。まあ、今日はゆっくりやってみようと思っているので微速で加太を目指す。

今日の予定では上り潮が止まるまでは高仕掛けを試して下りに差し掛かってから大和堆ポイントでサビキ仕掛けを試そうと思っている。
当初は風が強くて仕掛けが流され釣りづらい時間が続いたが予報のとおり1時間もすると風は緩くなり釣りはしやすくなった。



しかし、魚探の反応はほとんどない状態が続く。これはだめだと少し早いが大和堆ポイントへ移動。



こんな風の日の寒い平日には船も少なく、大和堆ポイントでも僕は一人だ。ポイントを独り占めというのはいいのだがここでも魚探の反応はまったくない。
こういう風の強い日に喜ぶのはカモメさんたちだけのようである・・。



釣れても釣れなくてもここで粘り続けようという決意は作りたての仕掛けをロストしたことをきっかけにあっというまに崩れてしまい数隻の船が見えている四国ポイント方面へ移動。
このくらいからまた風が強くなりはじめ、ここでも反応はまったくなく、午後1時までは釣りをしようと思っていたが正午に終了とした。

昼食はいらないとメモを残してきたので今から帰ると後ろめたいところがあるのと、道具箱にタイラバの仕掛けをひとつ入れているのを思い出し、せっかくだから水軒の沖でアマダイを試してみようと思い立った。加太からの帰り道、毎回、ここで釣りをしている遊漁船を見かける(これは土日限定のようだ)。奴らは今でもアマダイを狙っているという話を聞いていたのでダメもとで1時間と考えたのだ。帰宅の時間調整だ。

紀ノ川の河口の沖からスタート。北風に乗って南に流されて港の入り口に近づいて帰投しようという考えだ。



水深30メートルくらいのこの辺りでは魚探に何かの反応がある。アジなのかシラスなのかはわからないが加太にいるときよりもワクワクするが、狙いはアマダイなのでこれは関係ない。しかし、釣りを始めて10分か15分くらいだっただろうか、フォールしてゆく仕掛けが一瞬止まった。ん?アタリかと思い合わせを入れてみると道糸が一気に走り出した。お!これは間違いなく青物だ。先週の渡船屋の釣果ではメジロが久々にアップされていた。紀ノ川河口でもコノシロを追いかけてブリが入ってきているという情報を聞いていたので、その仲間がヒットしたのだろう。
タイラバに使っている糸は4号。あまり無理はできない。そして、これが最初で最後のアタリになるのだろうからなんとしても獲りたい。幸いにしてここには根もなければ僕の釣りを邪魔する船もいない。ドラグを緩めにしてやり取りを続ける。一時は60メートル近くもラインを引っ張り出された。10分弱はやり取りをしていただろうか、さすがに魚も観念したかゆっくり姿を見せてきた。魚が大きいので2回ほどタモ入れに失敗したがなんとかデッキの上に持ち込むことができた。
魚のサイズもうれしいが、それよりも、今日もなんとかボウズを回避できたということのほうが嬉しいのであった。

魚がヒットしたタイミングなのだが、僕の前を艀を引っ張るタグボートが通り過ぎてゆくときであった。



ちからさんはこの仕事をしていて、ひょっとしてあの船を運転しているのはちからさんなのではと思いLINEを送った直後であった。
そして、その返信の内容に僕にとってかなり不都合なことが書かれていた。半年に1回上架してもらっているスロープの使用料が今年から3倍近くに値上がりしたらしいのだ。
去年からは何でも値上がりしているが、3倍というのは・・・。
返信の内容には漁業関係者以外の人間には使用させないための値上げだということが書かれていた。やはりここでも僕は外様だということだ。張り紙には「今後もご愛顧・・」などとは書かれているが漁協の気持ちはまったく反対らしい。



生命維持装置のスイッチは他者に握られている。そして、そのスイッチを切るのは相手の気分次第なのである。
不都合はまだ続き、今日の獲物をさばくために使った出刃包丁の刃を大きく欠いてしまった。



魚の頭を割るときと背骨を切るときは別の包丁を使っているのだが、今日は1匹だし気を付ければ大丈夫だろうと思っていたら、包丁を洗い終わって愕然としてしまった。これを修復するのは僕が持っている砥石では不可能だ・・。

これらは大きな不都合だが、小さな不都合もあり、デジカメの電池が劣化を起こしてしまっていて、今日の低温下では完全に起電力を失くしてしまった。上着のポケットに入れて僕の体温で温めてやると何枚かを撮ることができたが、今日のブログに使っている写真のいくつかはスマホのカメラで撮ったものだ。

ここにも歳歳年年人不同があった・・。
コメント
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