ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

大坂なおみ選手「7枚では足りない」

2020年09月13日 | 日本とわたし
全米女子で過去25年間、第1セットを落とした選手の逆転勝ちは無かったUSオープン。
大坂なおみ選手はそのジンクスを跳ね除け優勝した。
試合ごとに警察官によって殺害された黒人犠牲者の名前を記したマスクをつけて。
「7枚のマスクでは、多くの犠牲者の名前をつづるのに足りないのを残念に思う。決勝に行って、全てのマスクを見せたい」

そして、本当に、7名の名前を全て伝えることができた彼女の精神力に感嘆する。
ただテニスが強いというだけでなく、テニス選手である前に一人の人間として、国際社会に問題提起をした22歳。
ハイチ系米国人のおとうさんと日本人のおかあさん。
生まれは大阪だけど、幼少の頃からニューヨークに移住して、今はフロリダに家族と一緒に暮らしている。
ハイチ、アメリカ、日本の三つの国を代表していることを誇りに思っているなおみ選手。
わたしは今回のことで、今までよりももっと、彼女のことを誇りに思う。

以下の記事より引用:
テニスの大坂なおみ選手は、2020年の全米オープンに、特別な思いを持って臨んでいた。
直前のウエスタン・アンド・サザン・オープンでは、黒人男性が背後から警察官に撃たれた事件に対する抗議として、準決勝のボイコットを一時表明した。
プレーしながら世に訴えかけていく。
勝つことで自分の意志を貫く。
全米オープンは、それを体現する場となった。

用意した7枚のマスク。
その一つ一つに、黒人に対する人種差別や、警察による暴力の犠牲者の名前を遺した。
「7枚のマスクでは、多くの犠牲者の名前をつづるのに足りないのを残念に思う。決勝に行って、全てのマスクを見せたい」
決勝を含めて全7試合。
大坂選手は、1回戦の勝利インタビュー語った言葉通り決勝まで進み、7枚全てのマスクを披露した。


警察に殺された黒人男女の名前が書かれたマスク(をつけて試合に臨んだ)のことを聞かれて。
「7回の試合、7つのマスク、7名の名前…ナオミ、あなたは何を伝えたかったんですか?」

大坂ナオミ:
「あなたが受け取ったメッセージは何だったのかということの方がより重要な問いなのです。
重要なことは、人々(社会)が(この問題について)話し始めることだと思っています」(拙訳・まうみ)


なおみ選手が身に付けた7枚のマスクに記された犠牲者、そして事件について取材してくださった記事です。

ブレオナ・テイラーさん
ケンタッキー州ルイビルの26歳の救急救命士
目標に向けて努力を惜しまず、家族を大事にする女性だった。

エレイジャ・マクレーンさん
動物を愛する23歳のマッサージ療法士
寂しさを紛らわせてあげようと、里親に引き取られる前の動物たちにギターやバイオリンを弾いて聞かせていた。

アマッド・アーバリーさん
ジョージア州ブランズウィックに母親と住む25歳の青年
高校時代はアメリカンフットボールで知られた存在だった。

トレイボン・マーティンさん
フロリダ州マイアミで母親と暮らす17歳の高校生
コンピューターゲームやスポーツ、ラップやヒップホップが好きだった。

ジョージ・フロイドさん
テキサス州ヒューストン出身の46歳
高校時代はアメリカンフットボールやバスケットボール選手として活躍し、チームの州チャンピオンに貢献した。

フィランド・カスティールさん
ミネソタ州に住むビデオゲームが好きな32歳
セントポール学校で食事を提供する担当として勤務し、生徒には「Mr フィル」として知られていた。

タミル・ライスさん
オハイオ州クリーブランドに住む12歳の少年
学校が好きで、スポーツや絵を描くことを楽しんでいた。
愛情に溢れ、思いやりがあり、冗談好きだった。


大坂なおみ選手の特別寄稿


ちなみに、この件についての日本企業スポンサーの反応は、本当に情けなく酷いものだった事を付け加えておきます。

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