ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

挨拶

2015-06-26 14:25:59 | 日記
ある有名なお坊さんが修行時代、夏の暑い盛りに外で薪割りをしていると、数匹のスズメバチが飛んできて、仲間のひとりの雲水が刺されたそうだ。

その場に居た雲水たちは手にしていた斧を放り投げ、叫び声をあげて、あちこちに避難したのだったが、そのあと、お寺の責任者である僧が、避難した雲水たちを呼び集めて、厳かに言ったそうだ。

「みんな、蜂が近づいてきたら心の中で念じなさい。

こんにちは、蜂さん、暑いね、今日はどこまで行くんだい、とかね」

それを聞いていた雲水たちは、思わず笑ってしまったのだそうだが、彼はあくまでも真面目に話を続けたそうだ。

「蜂は波動のようなものを感じるらしい。だが、その感じ方は繊細ではない。

例えば、怒りとか怯えは区別がつかず、同じように感じて興奮してくるらしい。

だから、努めて穏やかに振舞えばいいのであって、それには挨拶が一番適切だ」

以来、この有名になられたお坊さんは、スズメバチに出会うと「こんにちは」と心の中で念じているのだとか。

そして、これはなんだか効いているような気がするとおっしゃっていた。

実は私もスズメバチではないが、犬に対して、同じようなことをしている。

元々、犬好きなので、散歩をしているわんちゃんを見ると、思わず笑みがこぼれてしまう。

「あ~かわいい。撫ぜたいなぁ」と思うのだが、飼い主さんもいらっしゃるので、いちいち駆け寄って触らせてもらうことはできない。

そこで、心の中で念じる。

「こんにちは、かわいいね~、こっちを見て!そうそう、キミだよ、キミに言ってるの。
おいで、こっちへおいで・・・」

すると、ほぼ100パーセントの犬が、こちらを振り返り、足を止める。

そして、飼い主さんに首輪を引っ張られようとも、こちらへ来てくれようとする。

なぜ急に犬が足を止めて、違う方向へ行こうとするのか、訳が分からない飼い主さんは、困った顔で、犬に引っ張られながら、私の元へ来てくれることもあれば、力ずくで犬を引っ張って去っていくこともある。

力ずくで引っ張られながらも、こちらを振り返り、振り返りしながら歩いて行くわんちゃんには「ごめんね、呼び止めてしまって」と心の中で謝り、こちらへ来てくれたわんちゃん&飼い主さんには、「ウエルカム」の笑顔で挨拶をする。

そして、おもむろに「可愛いですね~触ってもいいですか?」と飼い主さんに許可をもらってから、しばし、わんちゃんと遊ばせて頂く。

最初は、犬が振り向いてくれるのは、偶然なのかと思っていたが、最近は確信に近いものになった。

これが猫ならどうなのだろう?

時々、猫でも試してみたいと思うのだが、猫に関しては、私自身がどのように扱ったらいいのかわからないということもあって、いまだに試すに至っていない。

それにしても、動物や虫、そして植物などには、人間がとうの昔に無くしてしまった何か目には見えないものを感じられる能力があるのかもしれない。










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