ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

ありえない話

2021-07-11 15:23:49 | 日記

休日の朝、玄関のチャイムが鳴り、てっきり宅配便かと思ってインターホンに出てみると、お隣の家の奥さんだった。

奥さんの声が、えらく慌てている。

「隣の〇〇ですっ!○▼※△☆▲※◎!!・・・なので、だんなさんいますか?」

いろいろと何かおっしゃっていたが、慌てているため何を言っているのか聞き取れず、二回ほど聞き返して「夫に用事があるんだな」ということだけは理解できた。

とにかくかなり動揺しているご様子。

これはただ事ではないと、急いで玄関のドアを開けると、お隣の奥さんがアワアワした状態で立っていた。

「へび、へびがいるんですっ!!」と青ざめた顔でおっしゃった。

「えっ、どこに?」と聞くと、「車の中!私の車の中にいるんです!だんなさんに蛇を出してもらえませんか?」という。

窓もドアも閉まっていた車の中に蛇ってありえない・・・(猫が入るのは聞いたことがあるので、ありえることなのかもしれないが)

ただならぬ気配を察した夫も、すでに玄関にいて一緒に話を聞いていた。

話を聞いた夫は「車の中に蛇ですか」と言って絶句した。

夫は犬や猫など動物全般が苦手で、向かい側から犬を散歩させた人が歩いてくると、すぐに避けて反対側の道へ渡るほど。

犬は噛むものだと思っているので、絶対にそばには近寄らない・・というか近寄れない。

犬猫を見たら、駆け寄って行っても触らずにはいられない私とは正反対なのだが、ペットの大人しいワンコでさえ苦手なら、蛇なんてもう絶対に無理でしょうと思った。

ところが、意外にも夫は「蛇ですか、行きましょう」と言ったのだ。

これには驚いた!

さすがにお隣の奥さんの前で「怖いから無理です」とは言えなかったようだ。

毒のあるマムシだった場合を想定して長靴に履き替えた夫は、園芸用の長い棒を持って、さっそくお隣りさんの車へ向かった。

私も恐る恐る車の中を覗いてみたのだが、なんと長さ1メートルほどの蛇が、運転席前のダッシュボードの上に居た!

お隣の奥さんの話によると、出かけようと思って運転席に座ったら目の前に蛇がいたので、転がるように車を降りて、助けを求めて我が家へ来たのだそうだ。

どんなに驚いたことだろう。私なら気を失う、、、

でも運転中じゃなくてよかった。運転中に蛇が出てきたら、驚いて事故だってあり得る。

夫は早速、棒を蛇の下に入れて出そうとしたのだが、蛇も身の危険を感じたのか、にょろにょろと移動すると、ハンドルの下にある隙間へ入って見えなくなってしまった。

そこで今度はボンネットを開けて蛇を出そうとしたのだが、どこにいるのか蛇が見つからない。

三人でしばらく探したのだが見つからないので、このまま静かにして蛇が自分で出て行くのを待つことにした。

お隣さんは、もうしばらく車は使わないそうだ。

「あの蛇、毒蛇じゃないでしょうか?」と奥さんに聞かれた。

「マムシじゃなかったので、毒蛇ではないと思います」と言うと、「それなら火ばさみでつかんで出せますね。毒蛇じゃないのなら、私もできそうです」とおっしゃった。

それを聞いて「火ばさみでつかめるんかーーい!」とは、夫と私が同時に思ったことで、火ばさみの長さってせいぜい50センチくらいのものではないのだろうか。

ありえない・・・そんな至近距離で蛇をつかむなんてありえない。

お隣の奥さんはすごい!と尊敬してしまった。

というわけで、車に乗る時は、必ず蛇が先に乗っていないかを確認するようになった。

ありえないと思っていたけど、あり得ることもあるかもしれないという教訓だった。

 


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