窓から見える森林を眺めていると、この森の中を歩きたいという欲求に駆られる。
木の香りを胸いっぱい吸い込みながら歩きたい。
歩けるときは、それほどよく行くわけではなかった場所なのに、歩けなくなると、猛烈に行きたくなる。
別にこの森じゃなくてもいいのだけど、どこか自然の中を歩きたいと思う。
それから、動物と触れ合いたい。オカメインコのP太郎がいなくなって10か月、寂しさにはもう慣れたが、たまにまた、あの温かい背中にどうしようもなく触りたくなる。
もちろん、小鳥じゃなくても全然かまわない。犬でも猫でも・・・いやむしろ触れ合えるのなら、犬か猫の方がいい。小鳥より大きい分、触り応えがあるし。
あぁ自然の中で動物とふれあいたいなぁ。
しかし、やろうと思えばできないことではない。森の中には、熊が確実にいるし、犬や猫よりずっと触り応えが有りそうだ。
な~んて、今日は森を眺めながら、瞑想ならぬバカな妄想をしていた。
(注意・今の時期は、一人で森の中に入るのは大変危険です。熊に出会ったら、人間も熊もお互いに不幸なのでやめましょう)
ところで我々人類の祖先は、数百万年におよぶ歴史の大半を大自然の中で暮らして来た。
広大なサバンナや深い森の奥で暮らすことを、何世代にもわたって繰り返す間に、人間の脳は動植物に囲まれた環境に適応してきたと考えられるそうだ。
その証拠に「人間は自然と触れ合うと副交感神経が活性化して一気にストレスが減る」という研究結果が数多く出ている。
たとえば森林浴。これはストレスの解消ほか、血圧の低下や免疫細胞の向上などの効果が確認されているし、植物のオイルを使ったアロマテラピーもリラックス法としては効果あることが知られている。
興味深いところでは、周囲に緑が多い病院に入った患者は、病気の治りが早い傾向が見られたそうだ。また監獄での実験では、窓から緑が見える部屋で暮らす受刑者の方が、病気にかかりにくかったという結果も出たそうだ。
住んでいる周囲に緑がないという場合は、気に入った観葉植物の鉢をひとつ置くだけでもいいそうで、緑が目に入るだけで、ストレスが低減するのだとか。
このように自然の中に行ったり、植物を身の回りに置いたり、また動物と触れ合ったりすると気分が良くなりストレスが減るということから、「人間は、本能的に自然やほかの生物とのつながり(生命愛)を求める」という説を、バイオフィリアと言うそうだ。
現在では、このバイオフィリアに基づいて、オフィスなどに自然のグリーンを取り入れて、社員の健康を守るという取り組みをしている企業もあるようです。
このようなことから、森の中に入って熊さんと・・・いえ、動物とふれあいたいという私の欲求は、まさに人間としての本能だったと納得した。
というわけで、散歩ができるようになったら、熊さんと会わなさそうな自然の中へ行くぞ~!
ご近所のワンちゃんをさわらせてもらうぞ~!おお~!(と雄たけびを上げてみる)
今は窓から木々を見るだけでがまん、がまんです。