朝、家族が出かけてしまうと「待ってました」とばかり、籠の中から「出せ出せコール」を始めるオカメインコのP太郎。
まさかP太郎が時計を読んでるとは思えないが、何故か決まって同じ時間になると「出せ~」と騒ぎ始める。
そのまま放っておくと、ずっと鳴き続けてあまりにうるさいので籠の外へ出す。
すると、籠の外へ出た途端、P太郎の気分は一変し、今度は上機嫌で歌いだす。
P太郎が歌える曲は、ただひとつ。
童謡「ぞうさん」のみ。
他の曲もいろいろ教えたのだけど、結局、最初に覚えた「象さん」しか歌えなかった。
しかし、その象さんも歌えるのは「ぞ~さん、ぞ~さん、お~はなが・・・」の辺りまでで、あとは自分で勝手に作曲した調子っぱずれの歌を歌っている。
ユーチューブなどを見ていると、音程を外すことなく上手に歌うオカメちゃんがいて「なんて上手なんでしょう」と惚れ惚れしながら聞き入ってしまうことがあるが、うちのP太郎はそんなオカメちゃんとは雲泥の差があり、超がつくほどのオンチだった。
ちまたでは、教える人がオンチだと鳥もオンチになるのだとか。
まったく、教えた奴は誰だ!と思ったら、私だった。
今朝もまた上機嫌で歌っているP太郎を肩に乗せたまま、窓の外に広がる林を見ていた。
昨日から気温が上がってきて、やっと春らしい陽ざしになってきた。
庭に置いた野鳥の餌台にも入れ替わり立ち代り鳥たちが餌を食べにやって来ている。
毎日、見ていると、鳥の種類は違っても、大体同じ鳥が来ているのかなと思う。
最近、よく来るのがカケス。
身体の大きさはちょうど鳩くらいだろうか。
カケスがやってくると、他の小さな鳥たちは慌てて近くの木の上に逃げて行き、じっとカケスの食事が終るのを待っている。
お腹いっぱいになったカケスは、そのまま飛び去ることもあるが、時には周囲の木の枝に止まっている小鳥たちを追い払うような仕草をみせることもある。
「あら~、餌を独り占めしてはダメだよ」と思うが、これも大きくて力のあるものが餌にありつくという厳しい自然界の掟なのだろう。
そんな野鳥達を知ってか知らずか、野鳥を観察している私の肩でお気楽に歌を歌っているP太郎。
今朝は、こんな穏やかな日々がずっと続くといいなぁと思いつつ、一句ひねりました。
おだやかな 春の陽ざしと 鳥のうた 永久(とわ)につづけと ただに祈れり