何かのきっかけで過去の何気ない場面を思い出すことがある。
最近よく思い出すのは、観測史上二番目に暑かった1994年夏のある日の夕方のこと。
よくお喋りしていた隣の奥さんが、娘さんを連れて「あまりに暑くて夕ご飯を作りたくないから外食してくる」と言って出かけて行く場面。
奥さんが車のキーを開けて娘さんが乗り込み、笑顔で手を振って車で出かけて行った。
これだけのことなのだけど、なぜか三十年近く経っても思い出す。
もう一つ思い出すのは、かれこれ6〜7年前の夏、群馬県にいた。
この日もめちゃくちゃ暑い日で、レンタカーも借りず公共バスと徒歩で観光したのは、知らなかったとは言え、群馬の夏をなめていたと言われても仕方がない。
そんな暑い群馬で思い出すのは、榛名神社を参拝をした帰りに、参道の店で買って食べた丸ごと一本のきゅうり。
他のことは、暑さに頭がぼーっとしてほとんど覚えていないのだけど、氷水の中で涼しげに浸かっていた青々としたきゅうりだけは鮮明に覚えている。
塩だけつけて齧った時の美味しさは、世の中にこんなに美味しいきゅうりがあったのかと思うほどだった。
以来、あのきゅうりを超えるきゅうりには、まだ一度も出会っていない。
と言うわけで、両方とも何でもない日常の一コマなのに、なぜにこうまではっきりと思い出すのか、、、それは暑いからです。
天気に対して暑いとか寒いとかあまり文句は言いたくないが、事実として書くと暑いのです。
今年の夏は、観測史上最高の気温を更新したとか。
これだけ暑いと、過去に同じように暑かった記憶が、呼び起こされるのかもしれない。
でもそれらは決して嫌な記憶ではない。
前の家を引越しをしてから、会っていないお隣さんへの懐かしさだったり、今までの人生で食べたきゅうりの中で、一番美味しいと思ったきゅうりの味だったりと、思い出すと思わず笑みがこぼれる。
さて、観測史上最高となった今年の暑い(熱い)夏。未来の私はどんなことを思い出しているだろう。
コメダに避難している場面かな?涼しい中で好きな本を読みながら、アイスコーヒーを飲むのが最高だった。
それとも趣味の会が終わった後、「暑いので、この後、夕方の終了時間までここで自由に休んでいいですよ」と、親切に声がけしてくれた職員さんの顔かな?
クーラーなしで過ごす夏の暑さは、年々厳しくなっているが、それ以上に楽しいことに目を止めるようにすると、嫌な暑い夏が、熱く楽しかった夏に変わる、、、ような気がしている。