「今、そちらの地区を回っているリサイクルの〇〇という店ですが、何か不要になった品はないですか?捨てようと思っている物でもいいんです。何かひとつでも出してもらえるとありがたいんですけど」
また、いつもの電話だ。
その時によって会社名は変わるが(というか、いちいち憶えていないのだが)「買い取るので不要になったものはないですか?」という電話がよくかかってくる。
その度ごとに「先月出したばかりで、ぜんぜん無いです」とお断りしているのだが、相手もしつこくて、その程度の断り方では引き下がらない。
「履き古した靴とかないですか?あと昭和時代の家電とか。着なくなった洋服も、その辺のリサイクル店に持って行くより、高く買い取らせてもらいますよ」と言ってくる。
「洋服など不用品を買い取ります」という電話が家にかかってくるというのが、何年か前にニュースになっていたことがある。
その本当の目的は洋服ではなくて、貴金属を市場価格よりもずっと安く買い取るという事件で、当時は高齢者が多く被害に遭ったと記憶している。
それらの電話のすべてが、そうではないかもしれないが、基本的に私は突然電話をかけてくる見ず知らずの業者を信用していない。
今回も「ない」の一点張りで電話を切ろうとしたら、私が不信感を持っているのが伝わったのか、相手の方が「うちは実際の店舗もやっていますので、よかったらホームページを見てください」と言った。
電話を切ってから、なんとなく気になって相手が言っていた店のホームページをのぞいてみることにした。
なるほど、言っていた通り、本当に店舗が市内に数店あるリサイクル店だった。
特に怪しさも感じないし(疑り深い!?)利用した人の口コミを見ると、良心的だったというコメントも多く、ごく普通のリサイクルショップといった感じがした。
なぜリサイクルショップを調べてみたのかと言うと、実はもうそろそろ実家の片づけの最終局面に来ていて、近いうちに家を空っぽにしなければいけない時期がきていた。
そこでどこかのリサイクル店を頼んで、実家に残っている物の中で引き取ってもらえる物を査定してもらおうと思っていた。
しかし市内にはリサイクル業者がたくさんある。
一体、どこのリサイクル店にしたらよいのか見当がつかず悩んでいた。
電話をくれたリサイクル店以外にも、他の店もいろいろいろいろとホームぺージなどで調べてみたのだが、やはり電話をしてきた店が一番よいという印象があった。
とりあえず実家を頼む前に、我が家の不用品の買い取りを頼んでみようかと思った。
本当にちゃんとした店なのか確かめておきたかった。(かなり疑り深い・・)
リサイクル店に電話をしたところ、たしかに電話で営業をしてきた店だということがわかり、「本当に少ししかないんですが、それでもいいんですね」と念を押してから、指定した日に不用品を家に取りに来てもらうことにした。
この時、けっして家の中にあがってもらわないことが重要だと思う。
家の中に入れると、見ず知らずの人なので物騒だということもあるが、帰って欲しいのになかなか帰ってもらえない恐れがある。
だから、私は必ず「玄関でいいですね?」と確認してから来てもらうことにする。(相当、疑り深い・・)
リサイクルショップに来てもらうことは決まった!さ~て、何を出そうか。
しばらく着ていなかった洋服を探して箪笥の中を物色したところ、これならリサイクル店に引き取ってもらえそうかなという服が見つかった。
古くなったものは捨てているので、出せる洋服の数は少ないのだが、子どもたちが着なくなった服や1~2度しか履いていない靴、若者に人気があったブランドのカバンなど、もう使わないモノたちを探したら小ぶりの紙袋二つ分あった。
さてリサイクル業者さんがくる日、やってきたのはヒッピー的な雰囲気の洋服を着た、非常にラフなスタイルの男性だったが、見た目とは違ってとても礼儀正しい方だった。
一点ずつ丁寧に見てから「洋服はブランドモノじゃない限り、他店でも同じだと思いますが、非常に安いのです。この値段で良いと思えたら売ってください。でも、これじゃ嫌だと思ったら、売って下さらなくてけっこうですから」とおっしゃった。
他にも使わなくなったイミテーションのアクセサリーも出して、それらを合わせて2000円で買い取りますという事だった。
2000円が安すぎると思うのか、これで良いと思うのか・・・
私としては「え~2000円も頂けるのですか?」という感じだった。
だって、どれも高価なものではないし、もう使わないモノばかりなのに、2000円も値をつけてくれるとは~。
以前、もっと大量の品をわりと有名なリサイクル店に持って行ったことがあるのだが、その時は1000円以下だったと記憶している。
持って行く手間が面倒な割に、買取価格が少なくて、がっかりしたことがある。
それに比べて、この値段の高さはなぜ?
それを聞いてみた所、そのお店は実際の店舗でも販売しているが、インターネットでの販売もしているそうだ。
このインターネット販売というのはかなり売れるらしく、商品を常に仕入れ続けないと、すぐに売る商品が無くなってしまうのだとか。
だから、一般のリサイクル店では引き取らないような昭和の時代の家電や食品以外の趣味の手作り品などまで買い取りしているそうだ。(それらはネットでは売れるらしい)
たしか実家にも昭和の香りがするモノたちがあった。
2000円に気をよくして(笑)、実家の方の見積もりをお願いすることにしたのだが、「他のリサイクル店と比べてみたいので」と言って、見積もりだけをお願いしたにもかかわらず、嫌な顔もせずに「かまいませんので、他店と比べてよかった方を選んでください」と言ってくださった。
この言葉で口には出さなかったが、心の中で「この店に決めた」と思った。
実家の片づけの最終章はもうすぐ。
父の介護から始まって4年近くが経った。
いろいろと大変なこともあったが、実家の片づけを終えたらひとつの区切りがついたと思えるような気がしている。
そして、いつか、父や母、きょうだい達と暮らした実家が懐かしいと思う日が来るのだろうと思う。
また、いつもの電話だ。
その時によって会社名は変わるが(というか、いちいち憶えていないのだが)「買い取るので不要になったものはないですか?」という電話がよくかかってくる。
その度ごとに「先月出したばかりで、ぜんぜん無いです」とお断りしているのだが、相手もしつこくて、その程度の断り方では引き下がらない。
「履き古した靴とかないですか?あと昭和時代の家電とか。着なくなった洋服も、その辺のリサイクル店に持って行くより、高く買い取らせてもらいますよ」と言ってくる。
「洋服など不用品を買い取ります」という電話が家にかかってくるというのが、何年か前にニュースになっていたことがある。
その本当の目的は洋服ではなくて、貴金属を市場価格よりもずっと安く買い取るという事件で、当時は高齢者が多く被害に遭ったと記憶している。
それらの電話のすべてが、そうではないかもしれないが、基本的に私は突然電話をかけてくる見ず知らずの業者を信用していない。
今回も「ない」の一点張りで電話を切ろうとしたら、私が不信感を持っているのが伝わったのか、相手の方が「うちは実際の店舗もやっていますので、よかったらホームページを見てください」と言った。
電話を切ってから、なんとなく気になって相手が言っていた店のホームページをのぞいてみることにした。
なるほど、言っていた通り、本当に店舗が市内に数店あるリサイクル店だった。
特に怪しさも感じないし(疑り深い!?)利用した人の口コミを見ると、良心的だったというコメントも多く、ごく普通のリサイクルショップといった感じがした。
なぜリサイクルショップを調べてみたのかと言うと、実はもうそろそろ実家の片づけの最終局面に来ていて、近いうちに家を空っぽにしなければいけない時期がきていた。
そこでどこかのリサイクル店を頼んで、実家に残っている物の中で引き取ってもらえる物を査定してもらおうと思っていた。
しかし市内にはリサイクル業者がたくさんある。
一体、どこのリサイクル店にしたらよいのか見当がつかず悩んでいた。
電話をくれたリサイクル店以外にも、他の店もいろいろいろいろとホームぺージなどで調べてみたのだが、やはり電話をしてきた店が一番よいという印象があった。
とりあえず実家を頼む前に、我が家の不用品の買い取りを頼んでみようかと思った。
本当にちゃんとした店なのか確かめておきたかった。(かなり疑り深い・・)
リサイクル店に電話をしたところ、たしかに電話で営業をしてきた店だということがわかり、「本当に少ししかないんですが、それでもいいんですね」と念を押してから、指定した日に不用品を家に取りに来てもらうことにした。
この時、けっして家の中にあがってもらわないことが重要だと思う。
家の中に入れると、見ず知らずの人なので物騒だということもあるが、帰って欲しいのになかなか帰ってもらえない恐れがある。
だから、私は必ず「玄関でいいですね?」と確認してから来てもらうことにする。(相当、疑り深い・・)
リサイクルショップに来てもらうことは決まった!さ~て、何を出そうか。
しばらく着ていなかった洋服を探して箪笥の中を物色したところ、これならリサイクル店に引き取ってもらえそうかなという服が見つかった。
古くなったものは捨てているので、出せる洋服の数は少ないのだが、子どもたちが着なくなった服や1~2度しか履いていない靴、若者に人気があったブランドのカバンなど、もう使わないモノたちを探したら小ぶりの紙袋二つ分あった。
さてリサイクル業者さんがくる日、やってきたのはヒッピー的な雰囲気の洋服を着た、非常にラフなスタイルの男性だったが、見た目とは違ってとても礼儀正しい方だった。
一点ずつ丁寧に見てから「洋服はブランドモノじゃない限り、他店でも同じだと思いますが、非常に安いのです。この値段で良いと思えたら売ってください。でも、これじゃ嫌だと思ったら、売って下さらなくてけっこうですから」とおっしゃった。
他にも使わなくなったイミテーションのアクセサリーも出して、それらを合わせて2000円で買い取りますという事だった。
2000円が安すぎると思うのか、これで良いと思うのか・・・
私としては「え~2000円も頂けるのですか?」という感じだった。
だって、どれも高価なものではないし、もう使わないモノばかりなのに、2000円も値をつけてくれるとは~。
以前、もっと大量の品をわりと有名なリサイクル店に持って行ったことがあるのだが、その時は1000円以下だったと記憶している。
持って行く手間が面倒な割に、買取価格が少なくて、がっかりしたことがある。
それに比べて、この値段の高さはなぜ?
それを聞いてみた所、そのお店は実際の店舗でも販売しているが、インターネットでの販売もしているそうだ。
このインターネット販売というのはかなり売れるらしく、商品を常に仕入れ続けないと、すぐに売る商品が無くなってしまうのだとか。
だから、一般のリサイクル店では引き取らないような昭和の時代の家電や食品以外の趣味の手作り品などまで買い取りしているそうだ。(それらはネットでは売れるらしい)
たしか実家にも昭和の香りがするモノたちがあった。
2000円に気をよくして(笑)、実家の方の見積もりをお願いすることにしたのだが、「他のリサイクル店と比べてみたいので」と言って、見積もりだけをお願いしたにもかかわらず、嫌な顔もせずに「かまいませんので、他店と比べてよかった方を選んでください」と言ってくださった。
この言葉で口には出さなかったが、心の中で「この店に決めた」と思った。
実家の片づけの最終章はもうすぐ。
父の介護から始まって4年近くが経った。
いろいろと大変なこともあったが、実家の片づけを終えたらひとつの区切りがついたと思えるような気がしている。
そして、いつか、父や母、きょうだい達と暮らした実家が懐かしいと思う日が来るのだろうと思う。