鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『SとM:鹿島茂・著』

2008-06-21 18:39:29 | Weblog
蒸し暑い・・・。
梅雨らしいと言えば、梅雨らしいのですけどね・・・。

今日は、鹿島茂先生の『SとM』
エピローグにも記載されておりますが、この種の実践的指南書ではありません。
それを目的で、この本を手に取られた方は、書棚に戻すことをお勧めします・・・ということです。
これは、SとMの文明史的に考察する本ですよ・・・。

そして(本来なら、こちらから始まるべきだったんですけどね・・・)、プロローグ・・・あなたは『S』か『M』どちらの傾向でしょうか?

郵便物を開封するとき、
『封筒に、丁寧にハサミをいれる』→あたなは、サディスト(S)です。
『封筒を、ビリッと破いてしまう』→あたなは、マゾヒスト(M)です。

あれ?逆じゃないの?と思われた方多いのではないでしょうか?ワタシもそう思いましたが・・・。

どうも違うようです。
鹿島先生曰く、歴史的或いは、社会心理学的にながめた場合、どうやら、そういっておいたほうがいいようなのです・・・と・・・。

ワタシの場合、ダイレクトメールなんかは、ビリっと破いちゃうけれど、保存しとかないとマズそうなのは、ハサミ派・・・。
こういった場合は、どうなんでしょうかね???

もともと、精神的・肉体的は苦痛を介して、ヒトが神に近づくキリスト教に、SMの源流があったと解きます。
そういえば、そうだよね・・・キリストの磔刑・・・見るからに痛そうだもんね・・・。

そして、鹿島先生の専門分野でもあるフランス文学、『S』の語源となったマルキ・ド・サド侯爵、『M』の語源となったザッヘル・マゾッホに展開します。

そして、本邦では、谷崎潤一郎にたどり着きます。

あっ・・・文学史でもあったんですね。『S』と『M』の・・・。

雨のザカザカ降る梅雨に、よけいうっとおしく?なるようなSM文学に触れてみるのもまた一興かも・・・。