鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

端正な演出『人形の家』

2008-09-21 19:16:13 | Weblog
お昼頃から、断続的に降り続く雨・・・。昨日のお天気が嘘のよう。

週末の随分とのろのろした台風で、週末に観劇の予定を入れていた身にとっては、台風の進路によっては、観劇を断念することもあるかな・・・と気をもんだ週末でした。
電車の遅れや、雨対策はどうしよう・・・。今回は、ワタシにとっては、鬼門の劇場のシアター・コクーンだしな・・・。想定外のアクシデントがあったらやだな・・・なんて思いながら。

それでも、午前中は、電車にダイヤの乱れ・運休のあったものの、本日も、ソワレ(夜公演)。
改めて、日の短くなってきた午後を実感しながら、15時ごろ自宅を出て、すっかり元通りのダイヤにもどった電車に感謝!感謝!!

なんと今月は、土曜日の三週連続の観劇で、いささか、疲れもでておりましたが、台風もなんとか、それてくれたことだし、渋谷のシアター・コクーンへ『人形の家』を観に行ってきました。

演出のデビット・ルヴォーさんは、今回主演の堤真一さんとは、何度もお仕事しているし、いつものことながら、端正な演出をなさる方だなぁ・・・と思います。

・・・ルヴォー作品は、10年ぶりくらいでしょうか・・・。

森下のベニサン・ピットで、試験的に行った舞台の集大成?が今回の『人形の家』だったとも言えそう。

シアター・コクーンも舞台を劇場の真ん中に設えて、四方向から見せる演出を時々やるけれど、ベニサン・ピットでは、それが当たり前のようにやってましたからね・・・10年以上も前から。

舞台もシンプルで、北欧のある中産階級?の家庭の一室に、幸せそうな子供達が、開演前から、遊んでいる・・・開演前の演出もこれから始まるドラマの一端を担っていて、なかなか効果のある導入部となっているようです。

北欧の暗い冬のイメージが、以前、ベニサン・ピットでみた『エリーダ・海の夫人』、『ヘッダ・ガブラー』なんかとクロスオーバーして、えもいわえぬ雰囲気。
あの冷たいような空気感は、日本人の演出家には、ちょっと出せないのでは・・・。
『エリーダ~』、『ヘッダ・ガブラー』ともども、たぶんルヴォーさんの演出だったと思いますが(違っていたらすみません)ほんとにこの方は、雰囲気づくりが上手な演出家さんだと思います。

秀逸だったのは、第三幕。
ノラ(宮沢りえさん)とヘルメル(堤真一さん)の対峙の場面で、二脚の椅子だけの舞台で、ノラが自分の心情をヘルメルにぶつけるシーンで、ここまで、背景をそぎ落としたからこそ、ノラの切実な思いが、痛々しい程伝わってきて、なんとも切ない・・・。


・・・演出の事ばかりになってしまって、書けなくなってしまったのだけれど、役者さん達の感想については、また、明日。