鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『七月七日に:大島弓子・著』

2010-07-07 21:05:11 | Weblog
明け方のものすごい雨の音で、目が覚めてしまい、一日中、寝不足感があって、気分が悪い。


七夕・・・たなばたです。
今日は、雨降りの七夕となってしまいました。天の川も増水していることでしょう???

『七月七日に』という漫画があります。
著者は、このブログの中でも、何度か、ご登場いただいている『大島弓子』さん。
この物語は、まこと不思議で、多分一回読んだだけでは、理解できないのではないかと思います。

第二次世界大戦中のお話なのですが・・・。

主人公は、まだ少女なのですがね。
この少女からみた『義母』・・・育ての母が、実は、男性だったというか・・・。
少女は、『義母』を、女性だと固く信じていたし、『義母』は、少女の前で、決して、裸身は見せなかったし。

少女の父親に恋をした青年は、少女の父親の死後、娘を引き取って育てるのですが、召集令状が、届いて、戦場に行かねばならなくなりました。

この母親(男だけれど)に、恋をするのが、少女の幼馴染みで、少女と後に結婚することになる少年のお兄さん。

二人の青年(母親と少年の兄)に、戦場への招待状が届いたことから、出征前に二人の青年は、一夜を共にするという不思議なお話。

少年のお兄さんは、母親を男性だと知っていたのかどうなのか・・・。

読みの浅いワタシには、その当時、良くわからなかったのですが・・・。

今ほど、ボーイス・ラブ(・・・ってカテゴリーでいいのか???)が、全盛ではなくて、もっと、もっと慎ましやかで、ひっそりと、儚く、控えめで、読者は、想像するしかないお話だったわけです。

最近の同性愛の漫画って、いかにも・・・というか、描写がきつくて、はっきり言って、汚らしいものが多いし、こういう系統の作品は、作家さんによって、好みが、はっきり分かれると思うのだけれど、やっぱ、大島弓子さんが書くと、哲学的で、叙情的で、美しさだけが、残るんですわ・・・。
でも・・・好みの問題ですから。
実写的な作品が、お好きな方も多いでしょうし。

昔は、お着物を、着た女性が、車に乗るときなど、普段、隠された足首が一寸見えたりするのに、男性は、ドキッとした訳で、全開より、むしろ、隠す美しさのほうが、想像力をかきたてられるというか・・・。

そういう控えめな美しさ・・・最近は、あまり、ありませんね・・・。