鼎子堂(Teishi-Do)

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『きのう何食べた?:よしながふみ・著』

2010-07-22 21:02:54 | Weblog
猛暑。猛暑。猛暑・・・。夕方から雷雨。


いま、一番勢いのある漫画家さんだとおもうのが、よしながふみさん。
男女逆転大奥が、この秋映画化・・・という大きなポスター(・・・アレは、ポスターでいいのかな?)が、JR渋谷駅(・・・だったと思うけれど・・・違うかも・・・???)を、見かけた。

男女逆転大奥も面白いけれど・・・この方は、ゲイのお話を良く書かれる。
そして、お料理も。
ゲイとお料理(・・・というよりケーキというかお菓子)で、ドラマ化されたのが『西洋骨董洋菓子店』。
その延長というか、ゲイのカップルのお話なのだけれども、ほぼお料理本だろうなぁ・・・と思わせるのが、今日の御題の『きのう何食べた?』。
芸能人でもないのに、43歳で、気持ちの悪いくらい若く美形な弁護士・筧史朗と恋人の美容師・矢吹ケンジのお料理生活。

よしながさんは、エッセイ・漫画で、『愛がなくても食べて行けます!』で、ご自身のお料理好きをご披露されていらっしゃる。
ほんとうに、美味しそう・・・。

『きのう何食べた?』で、登場するお料理は、中学校の家庭科の調理実習をきちんとやったひとなら、誰でも作れる家庭料理ばかり。全くの気負いがない。
主人公のシロさんは、ゲイの老後は、カネだけがたより・・・と断言し、スーパーでも食糧品の底値をきちんとチェックし、唯一女性で、料理友達・主婦の佳代子さんと、多すぎる材料を半分こする仲でもある。

普通の高所得者の漫画家さんだったら、こんなことネタにもしないだろうな・・・と思うような、ごくごく庶民的な感覚を、よしながさんは、サラリと描いていらっしゃる。

ここで、ふと思い出したのが、明治時代の村井弦斎の料理小説『食道楽』。
主人公のおとわさんは、料理が上手で、恋の行方も気になるけれど、西洋料理の作り方も出ている本で、ストーリーは、あまり意味のないような本だったが、文明開化で、新しい料理を庶民に広げたということなんだけれど、よしながさんの『きのう何食べた?』は、ストーリーも面白いし(普通のひとでは、ちょっと考えつかない設定だし)、登場する料理も、今日出来そうなものばかりで、平成の『食道楽』なのではないだろうかと思う。

よしながさんの描くゲイの人達は、ほんとうに優しい。
女性が描く男性の同性愛・・・所謂、ボーイズ・ラヴとは、一線を画す。
主人公のシロさんは、43歳だし(この時点で、既に、ボーイズ・ラヴから外れているだろうし)、この漫画には、恋人同士のべッドシーンは、全く存在しない(・・・まだ、1巻しか読んでいないので、その先は、なんともいえないが・・・)。
爽やかで、清潔感のある仕上がりだ。食べ物を扱うのだから、清潔感が一番だろう。

さて、実写でやったら、どんな俳優さんがよいだろうか?
筧史朗役は、堺雅人さん、及川光博さん、上川隆也さんあたりだろうか?
恋人役の矢吹ケンジ役は・・・今のところ、思いつかないでいる。浅野忠信さんとか、豊川悦司さんか?
トヨエツさんは、筧史朗役でもいいかもね???

以下、続巻を読むのが楽しみだ。