一昨日(15日)は、隣市のシネコンへ、『海賊とよばれた男』を鑑賞に。
百田尚樹さん原作の小説を映画化。
敗戦後の戦火で瓦礫の山と化した東京。
日本は、GHQから、石油の輸入を止められて、石油を商う國岡商店は、石油の売買ができなくなり、経営の危機にさらされる。
人員整理を進言する経営陣に、ひとりも解雇することなく、商品である石油が、ない状態で、商売を続ける方法を模索する。
敗戦国に必要なのは、産業の血液である『石油』だった。
瀕死の日本に血液を循環させるのが、自分たちの窮地を救う手段でもあった。
明治の黎明期。
産業のコメが、石炭から石油へ移行することを見抜いた若き國岡鐡造(出光興産の創業者・出光佐三がモデル)は、門司で、石油商を始めるが、新規参入の難しい業界だった。
考えあぐねた末、売れ残った軽油を買い叩き、海上で、直に漁船に給油する商いを始めた。
『国岡のモンやぁ~~。油もってきたけぇ~~~。』
かつて・・・。
門司の海上で、漁民の船に、燃料の軽油を売り始めた國岡鐡造を店主として、個人商店が、国策である石統を出し抜き、全国に販売拠点をもつ一大石油商に発展した。
常に、現場の需要を探り、どういう『油』が、求められているのか・・・。
國岡は、常に、『店主』である。
『社長』ではない。
そんな國岡の許には、給料ではなく、國岡自身を店主として、國岡の命令なら、命をかけられるブレーンが集結した。
酷寒の満鉄(満州鉄道)に、氷点下20℃でも固まらない機械油を開発して売り込んだが・・・。
立ちはだかる官僚の壁。
海賊とよばれた日本の一介の個人石油商は、英国メジャー相手に、個人商店が、戦いを挑む。
企業家の顔をした海賊である國岡の、海賊流の商いが、始まる。
國岡を演じた岡田准一さんは、不思議な俳優さんである。
岡田准一という個がない。
外見は、岡田准一なのだが、スクリーンには、岡田准一の顔をした國岡鐡造が、そこにいた。
物語のモデルとなった出光佐三でもなく、俳優の岡田准一でもなく、『海賊とよばれた男』の國岡鐡造が、居たのだった。
タッパのない岡田さんをマイナスに見せないカメラワーク。
スケール感のある画像。
これは、映画館でみないと勿体ない。
脇を固める甲賀(小林薫さん)、東雲(吉岡秀隆さん)、武知(鈴木亮平さん)、藤本(ピエール瀧さん)らの演技も光る。
『國岡のモンやぁ~~~。油もってきたけぇ~~~!』
壮大な映画の世界を堪能できる作品に仕上がった。