鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

偏食

2016-12-11 19:40:00 | 食・料理

冬の色が濃くなってきた冷たい風の吹く日曜日。

子供の頃からの極度の偏食で、食べられるものがあまりないうえ、食も細いから、私を育てるのに、家人は、大変苦労したと思う。

・・・作っても食べない。
絶対食べない・・・そんな子供だった。

実際、私は、中学に行くまでは、おなかがすく・・・空腹状態というものを自覚しなかった(これは、育った家が裕福だったということではない。たしかに、飢えることはなかったけれども、感覚的に解らなかった)。

・・・いや、おなかは、空いていたのかもしれないが、空腹がどういう状態だか、わからなかった。

何を食べても美味しくないし、おなかも空かないから、食べたくない。
それでも、甘いお菓子などは、少しだけ食べたから、家人は、栄養バランスなどは、一切考慮せず、食べるものだけ与えていたから、偏食は、一向に治らなかった。

『食欲』というものが、わからない馬鹿な子供だったのである。
或いは、脳の一部に欠陥があったのかもしれないのだが・・・。

偏食は、子供の頃から、ずっと私につきまとった。
現在も・・・。
ヒトと一緒に、食事をするのは、苦手なのは、そのせいもある。

食べられないのは悪い事。
食べないから、丈夫になれない。

みんなが、残さず食べる給食も、お昼休みが終わっても、教壇に正座させられて、全部食べるまで、席に戻る事を許されなかった。

家に帰れば、アレを喰え、コレを喰え・・・と、うるさい夕食の卓。

唯一、美味しいと思うものに、カレーライスがあったけれど。

ご飯は、パサパサ。
野菜は、苦い。
牛乳は、不味いし。

よくよく考えてみれば・・・。
食物が嫌いなわけだから、私は、育つことを、潜在的に拒否していたのかもしれない。
生きることを拒否する・・・無意識に・・・。

それなのに、不思議と今まで生きている・・・。