鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

シネマ歌舞伎:大江戸りびんぐでっど

2018-08-16 22:10:46 | 演劇・映画

くもりがち。夕刻より、雨降ったり止んだり。
湿度が高く蒸し暑い・・・猛暑日一歩手前。


お昼前より上映予定の月イチ歌舞伎『大江戸りびんぐでっど』を鑑賞のため、午前11時前に自宅を出発。

本日は、単独。ひとり映画。

今週初めに相方に、株主優待カードを借りてのシネマ歌舞伎鑑賞となりました。

夏休みで、映画館は、お子様連れでにぎわっておりました。
猛暑なので、ご自宅に居るより、お子様を連れて、映画館の方が、涼しくて、親御さんもラクかも?などと思いながら・・・。

こちらの上映作品は、流石に、年齢層が高くて・・・お子様などは、おらず。
それにつけても、冷やし過ぎだよ・・・というくらい、冷えてましたね。上映室。
夏の映画館にストールは、必需品ですわ


この『大江戸りびんぐでっど』は、平成21年の初演だから、カレコレ、9年前ですかね。
坂東三津五郎さん、中村勘三郎さんもまだご存命中で。
大病前の中村獅童さんもお元気そうでした。

くさや汁を浴びた死人が、ソンビとし生き返り、町人を襲う事態に、お奉行様も困り果て。
死んでしまった人間をどう裁いてよいやら・・・ということで、くさや職人の半助(現・松本幸四郎)は、ゾンビ達を束ね、人間の代わりに、ゾンビ派遣を起業し、大繁盛。

ゾンビ達は、安い手間賃で、文句も言わず、ヒトの嫌う仕事をこなして、需要は増すばかり。

幕府の財政も豊かになったのは、ゾンビ達の御かげ。

しかし・・・そのために、人間の仕事が奪われ、失業者が街にあふれだす・・・。

現代社会の縮図のような物語。


派遣=ソンビ・・・という図式が、今の派遣社員の有様を具現化しているようです。

そうです。

面倒な仕事は、派遣にやらせて、美味しいところだけ、持っていく・・・そんな正社員の前で、文句も言わず(言えず)、働いている悔しさ・・・。

身に染みるものの・・・。


9年前の上演後、再上演されておりませんが・・・当時、賛否両論だったようですね。

脚本は、『大人計画』の宮藤官九郎さん(今も、飛ぶ鳥落とす勢いの作家さんですね)。
お師匠さん?松尾スズキさんの社会派路線、強烈な皮肉、人間の心の暗闇などを踏襲しているかのような作品。

ゾンビ(派遣)を踏み台にラクをしてきた正社員さんも、迫りくるAIに・・・今度は、自分たちが、職を奪われる日も近い???・・・そんな前哨戦的な意味合いも深く・・・。