鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

氷点下の朝の仕事始め。

2023-01-05 21:18:08 | Weblog

朝方氷点下5度。

冷たい北風の吹きすさぶ仕事始め。

 

会社員だった頃は、この仕事始めの日だけ、ワープしたかった。

早朝の氷点下の極寒の屋外で、朝礼、工場長新年のご挨拶、そのあと、初荷式なんてのがあって、1時間くらい立ちっぱなし。

年末・年始休みで、終日、酒飲んで、温かい炬燵や布団の中で、ダラダラ寝暮らしていた身に、氷点下の朝。

しかも、月末月初で、たぶん、一番忙しい時期に。

・・・休みたい、休みたい、休みたい・・・休めたらどんなにいいだろう。

 

・・・こんな思いで、出勤してくるのに、うつ病認定の正社員は、しっかりお休みだった。

うつ病も患うといろいろと大変で、死にたくなったりするもんだし、周囲も、腫れものに触るような扱いだったからなぁ・・・。

だったら、ずっと休んでいたらいいのに。

5年とか、10年とか・・・。会社規定の傷病休暇が切れる日迄。

中途半端に出て来られるとちょっと迷惑。

 

・・・なんてことを今更ながらに、思い出した。

 

なんで、あの時期、こんな理不尽に耐えられたんだろうか・・・と今では、不思議に思う。

今は、氷点下の朝でも、ぬくぬくとしていられる。

 

こんな氷点下の朝の出勤時、母は、石油ストーブをつけ、電気座布団、電気膝掛の完全武装のうえに、毛布を肩口からすっぽりかぶり、炬燵の中に居て、

『いってらっしゃい。』

と言った。

石油ストーブの前には、姪の黒猫。座布団の上で、ぬくぬく手足を広げて眠っていた。

婆さんと猫の冬の朝のしあわせのイチシーンだけれど、これから私は、この寒さの中、会社に向かわねばならぬ・・・そして、朝礼、初荷式、加えて、前月度の決算で、38度の熱でも、出社したのだった・・・。

こいつら(母と猫)、なんて幸せなヤツラなんだろう・・・と恨めしく思いつつ、氷点下の朝をやり過ごすのだった・・・。