鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

小正月・善哉

2024-01-15 20:35:52 | 自然・気象

氷点下3度。乾いた冬晴れ。

小正月。

年明けから2週間。

毎年、同じことを書いてしまうのだけれど、初詣に行ったのが遠い昔のよう・・・。

やはり、寒いから、なんとなく、時間経過の感じ方が違うのかな・・・とか。

 

祝日が、曜日の並びによって、アチコチ移動するようになって、面倒だったらありゃしない・・・っていうのは、きちんと働いているひとだから、言えることであって、365日休日の私が、文句を言う筋合いもないのだけれども・・・。

昔、1月15日は、成人の日であって、お休みだった。

極寒の・・・氷点下の朝、決まった時間に起きなくていいのは、もう極楽浄土以上の有難さで。

会社勤めは、午前8時から午前9時前後の始業というところも多いだろうから、その時間に間に合うよう、冬は、まだ夜の明けぬうち起きて、支度など初めて、自分ひとりの支度ならまだしも、仕事を持つ主婦の方などは、家事をこなし、家族の面倒をみなくてはならないから、時間なんていくらあっても足りぬことだろう。

そんな冬の・・・まだ夜も明けぬ午前6時に家を出なくてはならない時期があって、明け方の空には、まだ星が凍り付く空気の中で、瞬いていたりすると、やはり、冬の朝は、暖かい布団の中で、ぬくぬくしていたい・・・それが冬の時期の唯一無二の願望でもあった。

退職する前の会社でのルーティン・ワークに、広い工場内の敷地の一番遠くの建屋から、自転車で、書類の回収に行くのは、とても辛かった。

気温はまだ氷点下。雪・雨の日など、もう勘弁して貰いたい・・・。

 

冬の休日が冷たい雨か雪の日は、これ以上の幸せが何処に在ろうか・・・と思う位で、猫が居た時分には、布団の中で、猫とぬくぬくは、この上もない幸福であった。

そんな極上な幸せを味わえるのが、小正月で、少し長い年末年始休暇のあとの地獄の朝から、一時、開放される休日であった。

 

母が生きていた頃の小正月のお休みには、陽が上ったお昼前に起きて、

『お昼は、善哉(ぜんざい)でいいかい?』

と母に尋ねると、

『善哉(よきかな)、善哉(よきかな)。小豆大好き。』

と言って笑った。

小豆を茹でて、灯油ストーブで、お餅を焼いて、善哉を拵える。

 

母が亡くなって、小豆を煮ることもなくなったな・・・。

母の大好きだった小豆粥も久しく作っていない。