鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

真冬の夕暮れの記憶

2024-01-06 21:22:23 | Weblog

真冬とは、思えない暖かさ。

最高気温14.5度 穏やかな晴天。

 

冬の夕暮れのオレンジ色を少し残す西の空の色をみて、ふと・・・思い出した。

まだ4歳か5歳?くらいだった頃。

丁度今頃の季節だったと思う。

 

自宅の裏の広っぱ(私たち子供は、原っぱと広場を掛け合わせて『広っぱ』を呼んでいた)で、夕刻まで、兄と凧揚げをして遊んでいた。

冬枯れした雑草で覆われた土地で、電力会社の資材置き場のような処で、現在は、マンションなどが林立している。

JRの駅至近だったにも関わらず、広大な土地で、社有の遊休の土地だったのだろう・・・と今は思う。

母も亡くなったので、確かめようもないのだけれど。

その広っぱで、よく遊んでいたけれど、春には、ひめじょおんの花、蓮華、シロツメグサで、花輪を作ったり、タンポポの綿毛が飛ぶ時期には、耳を塞いで走ったり・・・流石に初夏から秋の終わり頃は、蚊や蜂や虫さされ、蛇などが怖くて、広っぱで遊ぶことはなかったように思う。

 

そして、冬の夕暮れの記憶。

もう随分と陽が暮れて、空は、紺色の闇に星が光っていた。

ふと凧揚げしていた兄が、

『流れ星だ!』

と空を指さす。

私には、よくわからなかったのだけれど。

それで、あたりも暗くなって来て、家に戻っても、兄は、流れ星をみた!と誇らしげだった。

・・・只、ソレだけの話である。

兄だって、そんなこと、もう覚えちゃいないだろう(と思う)。

 

冬の寒い夕刻の・・・そんな思い出。

その兄も去年の秋に、還らぬひととなった。

亡くなった年が、母と2年違わなかった(・・・やはり母は、長生きの部類に入るのか、兄が短命だったのか・・・)。

 

そんなことを考えた真冬の暖かい週末の土曜日・・・。