真冬とは、思えない暖かさ。
最高気温14.5度 穏やかな晴天。
冬の夕暮れのオレンジ色を少し残す西の空の色をみて、ふと・・・思い出した。
まだ4歳か5歳?くらいだった頃。
丁度今頃の季節だったと思う。
自宅の裏の広っぱ(私たち子供は、原っぱと広場を掛け合わせて『広っぱ』を呼んでいた)で、夕刻まで、兄と凧揚げをして遊んでいた。
冬枯れした雑草で覆われた土地で、電力会社の資材置き場のような処で、現在は、マンションなどが林立している。
JRの駅至近だったにも関わらず、広大な土地で、社有の遊休の土地だったのだろう・・・と今は思う。
母も亡くなったので、確かめようもないのだけれど。
その広っぱで、よく遊んでいたけれど、春には、ひめじょおんの花、蓮華、シロツメグサで、花輪を作ったり、タンポポの綿毛が飛ぶ時期には、耳を塞いで走ったり・・・流石に初夏から秋の終わり頃は、蚊や蜂や虫さされ、蛇などが怖くて、広っぱで遊ぶことはなかったように思う。
そして、冬の夕暮れの記憶。
もう随分と陽が暮れて、空は、紺色の闇に星が光っていた。
ふと凧揚げしていた兄が、
『流れ星だ!』
と空を指さす。
私には、よくわからなかったのだけれど。
それで、あたりも暗くなって来て、家に戻っても、兄は、流れ星をみた!と誇らしげだった。
・・・只、ソレだけの話である。
兄だって、そんなこと、もう覚えちゃいないだろう(と思う)。
冬の寒い夕刻の・・・そんな思い出。
その兄も去年の秋に、還らぬひととなった。
亡くなった年が、母と2年違わなかった(・・・やはり母は、長生きの部類に入るのか、兄が短命だったのか・・・)。
そんなことを考えた真冬の暖かい週末の土曜日・・・。