7月23日(木) 曇
昨日、近所のMEGAドンキの休憩所で病友がたにメール返信をしている途中、「こんにちは、鶴乃会のさきですぅ」とお声掛けされて、最初は突然のことであり、大きなマスク姿に「えっ? どちらさまでしょうか?」と、失礼にも誰何してしまった。
「(マスクを外して)あのぉ、鶴乃会の・・・」、「あ、失礼しました。 さきちゃん! 私の男舞いの、内緒のお師匠さん♪」
毎週、集会所でお稽古をつけてくださる西川広美先生の大師匠が長尾千鶴子先生で、その一番弟子が今年短大を出たばかりのさきちゃん♪
芸歴は新しいけれど、生来のセンスと所作の美しさが際立ち、中でも男舞いには、若さ溢れるダイナミズムが応分の躍動感を伴って、観る者を圧倒する。
凄いひと♪
今年の初舞い会で、お願いして『黒田節』を踊っていただいた。
8畳の座敷をいっぱいに使って、見事な舞い姿を披露していただき、さくらは、「ほかにも、踊って見せてくださいませ」と無理をお願いして3曲を動画に残したのであった。
「さきちゃん、私の内緒のお師匠さん♪」
勝手に決めて、次のお稽古からさきちゃんに倣って、所作が格段に大きくなったと思うのだけれど、西川先生からは相変わらずダメ出しばかり。
79歳にして、道なお遠しのさくらである。
とほほ・・・
初舞い会の西川組♪
さくらは、村田英雄さんの『花と龍』に特別に振りを着けていただき、村田さんへの鎮魂の誠をこの舞いに篭めた。
生前の村田さんが病室で、NHKテレビの『きっと良くなる 必ず良くなる~がん・支え合う患者会』を観て、「この会は、目で見るクスリだね」と言ってくださった、と高木香織記者が伝えてくださった。
このご縁で、のちに、大阪第一ホテルの金つなぎの会のパーティーに村田さんが来てくださって、『夫婦春秋』や『無法松の一生』などを朗々と歌い上げ、感動の宴となった。 そのお礼返しにご恩返しに、特別の振り付けをお願いして、未熟な踊りに乗せ、村田さんの名歌を生きている限り伝えていきたい、と思うものである。
内緒のお師匠さん・さきちゃんの舞い姿に倣いながら。
昨年の敬老会には、梅沢冨美男さんの『夢芝居』を躍らせていただいた。
衣装は、病友の梅野氏の奥さまが、お引摺り一式を貸してくださり【馬子にも衣装】の舞台となった。
ちなみに、花と龍の衣装はお舅さまの形見の大島紬だ。
二人の息子が「着ない」と言い、二孫の成人式を記念して裄を長くしたのだけれど、やはり着てはくれない。
家族にはあまり良い思い出を残してくださらなかったけれど、あっぱれ99歳の天寿を全うし、最後の日は早朝に玄関を開け、「皇大神宮さまに朝の礼拝」を終え、卒然として逝かれたと義弟から伺った。
さくらは、よく叱られもしたけれど不本意なこともあったけれど、明治の日本人らしく背筋がしゃんと伸びた、サムライであった。
そんなお舅さまを偲び、舞台衣装に着させてもらっている次第である。
とにもかくにも、すべてにおいて、発展途上人・さくら。 明日からも、ますます精進しなければ。
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