寒ければ暖房器具に点火し、暑ければ冷房に切り替える。寒い地域も暑い地域も変わりなく暮らしている。暗くなれば電灯をつけるが、今では夜でも昼間のように明るいし、夜には電飾も見られる。スーパーマーケットに行けば、野菜も魚も肉もあらゆる物が揃っている。
情報は新聞や雑誌・ラジオ・テレビの時代からスマホに代わってきた。現金を持たなくてもスマホで決済できるという。私が学生の頃は、東京へ行くのに半日かかったのに、新幹線に乗れば東京まで1時間半ほどで着く。自動車で出かけても4時間くらいで行ける。私は78歳のジジイだが、子どもの頃は80歳を超す高齢者は稀だった。
こんなに豊かで贅沢な世の中になったのは、つい最近になってからだ。それでも満足に食事が出来ない子どもがいるし、ホームレスのような生活をしている人もいる。世界を見れば、戦争や紛争に巻き込まれ残酷な生活を強いられている人々もいる。
サッカーW杯で世界中がひとつになっている。平和で安心して暮らせる世界になって欲しい。昨日のコラム『中日春秋』に、紀元前8世紀頃の世界人口は500万人と推定されるとあった。日本もヨーロッパも石器時代だが、農業が始まると人口も増えていった。
産業革命以後は、急速な人口増加に転じた。世界中から物や食料を集め、製品を売りつけさらに富を増やし、欲しいものを創り出した。人の欲望はますます大きく膨らみ、時には武力をもって略奪してきた。戦争は新しい武器を開発し、新しい製品を誕生させた。私たちが「これは便利だ」と思う物は、戦争から生まれた。
世界の人口は10億人だったのが1800年頃で、1930年代には20億人に、2011年には70億人となり、今年の11月に80億人に達した。10年で10億人増えている。国連は2080年代の104億人がピークで、以後は横ばいと予測している。
世界中の人々が豊かな生活を享受でき、安心して暮らせるならこんなに素晴らしいことはない。2020年生まれの曾孫はこの時60歳代、どんな生活をしていることだろう。
サッカーに現を抜かしている場合ではない程、深刻な状況を目の当たりにしている。