中日新聞に見開きの2ページで、「生活」という特集がある。今日は、右側に「性加害報道 どう伝える?」の見出しで、読者のアドバイスと性教育に関する著書もある女医への取材記事が掲載されていた。
読者のアドバイスは子育て中のお母さんで、「分かりやすく、簡潔に伝える」とか、「もし、あなただったらどうする」と、会話できるように心掛けているとあった。しかし、「親自身が性教育は受けておらず、雑誌や友人から情報を得て、知ってはいるけど、実は分かっていない」とも語っている。
女医は「逃げない、ごまかさない、はぐらかさない」と言い、「性=悪と考えずに、性をポジティブに捉えるところかが出発点」と指摘する。報道されているニュースやインターネットから、男性による女性に対する支配的・暴力的な性描写が、現実だと混同してしまうことへの注意を促している。
左側に『だだくさをひとさじ』というコラム欄があって、書き手は『余命一年 男をかう』(講談社文庫)の著者、吉川トリコさんだった。見た目で男性女性を判断することの難しを取り上げていた。「セクシュアリティは変わっていくものでもあるから、その表象だけとって他人が一方的に性別を判断するなんて不可能なのだ」と。
それを、「窮屈な時代になってしまったと思う人もいるだろう」が、男は男らしく、女は女らしくといった「規範が強固だった性別二元論的な世界の方が今よりずっと窮屈だった」と述べ、「私も古い人間なので、抜け出すのはなかなか難しいが、少しずつでも意識を変えていきたい」と結んでいる。
そうか、そういう視点で『余命一年 男をかう』は書かれているのかと思い、もう1冊読んでみたくなり、早速、書店で『あわのまにまに』(角川書店)を買ってきた。本は図書館で済ませる人がいるが、私は著者を応援するために購入するように努めている。
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