俳句大学国際俳句学部よりのお知らせ!
〜華文圏で初めて「二行俳句」紹介さる〜
華文詩誌『流派』9期 2018.10発行
〔洪郁芬〕(抜粋と訳)
◆俳句は日本の伝統の詩であるが、今や世界各地で色々な言語で詠まれている国際的な文学である。「世界で一番短い詩」に魅せられ、作者や詩人は本国語での俳句の創作を試している。
◆俳句は上句(5)、中句(7)、下句(5)の形式です。これまでの華文俳句は三行書きの現代詩、または三行書きの中国古典詩が主な内容になっている。英語俳句も三行書きが主流である。
◆しかし、俳句の美学は、三行の形式、季語、瞬間の感動の他にもう一つ大切な要素、「切れ」がある。
(…切れの意味と例)
◆ですので、この投稿では日本俳句の切れの美学を実践とする、華文二行俳句を提唱する。瞬間の感動を読む短詩を楽しんでください。
◾️各華文二行俳句の作品(抜粋)
〔郭至卿〕
①
一聲雷
成績單上的紅字
【郁芬訳】
雷鳴一つ
通信簿の赤字
②
桌上的咖啡杯
翻開的詩集
【郁芬訳】
机のコーヒーカップ
開かれた詩集(無季)
③蘭陽平原的冬天
山邊農舍的炊煙
【郁芬訳】
蘭陽平原の冬
山辺に農舎の炊煙
〔永田満徳〕
①
一灣的光束啊
元旦初景
【郁芬訳】
一湾に光の束や
初景色
②
一人離去兩人離去
暮色裡的櫻
【郁芬訳】
一人抜け二人抜けして
夕桜
③
犀牛角
來頂撞人世的春天罷!
【郁芬訳】
犀の角
この世の春を突いてみよ
〔趙紹球〕
①
花落滿階
半夢半醒的早晨
【郁芬訳】
落花の階(きざはし)
うつらうつらの朝
②
秋月
石碑上的青苔
【郁芬訳】
秋の月
碑(いしぶみ)の青苔
③
海口遲暮
情人橋上眺望的麗人
*情人橋在台灣的淡水
【郁芬訳】
港湾の日暮れ
情人橋で眺める佳人
*情人橋は台湾の淡水にあります
〔洪郁芬〕
①
一痕飛機雲的傷
夏日晴空
【郁芬訳】
飛機雲の傷跡ひとつ
夏の空
②
風獅爺斗篷
翻轉時間
【郁芬訳】
シーサーのマント
時間を翻す
*シーサーは台湾海峡の島々で、強い風から島民の生活を守る守護獅子です。島人達は、シーサーに色々な柄のマントを付る。
③
魚鱗雲
地球彷彿那方
【郁芬訳】
うろこ雲
向ふに地球あるやうな
〔吳衛峰〕
①
手夠不到鬧鐘
春曉
【衛峰訳】
目覚まし時計に手が届かない
春のあけぼの
②
爬格子
發情的貓走過
【衛峰訳】
もの書けば
恋猫が通り過ぎる
③
蟬聲
夜行路長長的影子
【衛峰訳】
蝉の声
夜道に伸びる人の影lこ
※画像:『流派』表紙と華文二行俳句のコーナー
〜華文圏で初めて「二行俳句」紹介さる〜
華文詩誌『流派』9期 2018.10発行
〔洪郁芬〕(抜粋と訳)
◆俳句は日本の伝統の詩であるが、今や世界各地で色々な言語で詠まれている国際的な文学である。「世界で一番短い詩」に魅せられ、作者や詩人は本国語での俳句の創作を試している。
◆俳句は上句(5)、中句(7)、下句(5)の形式です。これまでの華文俳句は三行書きの現代詩、または三行書きの中国古典詩が主な内容になっている。英語俳句も三行書きが主流である。
◆しかし、俳句の美学は、三行の形式、季語、瞬間の感動の他にもう一つ大切な要素、「切れ」がある。
(…切れの意味と例)
◆ですので、この投稿では日本俳句の切れの美学を実践とする、華文二行俳句を提唱する。瞬間の感動を読む短詩を楽しんでください。
◾️各華文二行俳句の作品(抜粋)
〔郭至卿〕
①
一聲雷
成績單上的紅字
【郁芬訳】
雷鳴一つ
通信簿の赤字
②
桌上的咖啡杯
翻開的詩集
【郁芬訳】
机のコーヒーカップ
開かれた詩集(無季)
③蘭陽平原的冬天
山邊農舍的炊煙
【郁芬訳】
蘭陽平原の冬
山辺に農舎の炊煙
〔永田満徳〕
①
一灣的光束啊
元旦初景
【郁芬訳】
一湾に光の束や
初景色
②
一人離去兩人離去
暮色裡的櫻
【郁芬訳】
一人抜け二人抜けして
夕桜
③
犀牛角
來頂撞人世的春天罷!
【郁芬訳】
犀の角
この世の春を突いてみよ
〔趙紹球〕
①
花落滿階
半夢半醒的早晨
【郁芬訳】
落花の階(きざはし)
うつらうつらの朝
②
秋月
石碑上的青苔
【郁芬訳】
秋の月
碑(いしぶみ)の青苔
③
海口遲暮
情人橋上眺望的麗人
*情人橋在台灣的淡水
【郁芬訳】
港湾の日暮れ
情人橋で眺める佳人
*情人橋は台湾の淡水にあります
〔洪郁芬〕
①
一痕飛機雲的傷
夏日晴空
【郁芬訳】
飛機雲の傷跡ひとつ
夏の空
②
風獅爺斗篷
翻轉時間
【郁芬訳】
シーサーのマント
時間を翻す
*シーサーは台湾海峡の島々で、強い風から島民の生活を守る守護獅子です。島人達は、シーサーに色々な柄のマントを付る。
③
魚鱗雲
地球彷彿那方
【郁芬訳】
うろこ雲
向ふに地球あるやうな
〔吳衛峰〕
①
手夠不到鬧鐘
春曉
【衛峰訳】
目覚まし時計に手が届かない
春のあけぼの
②
爬格子
發情的貓走過
【衛峰訳】
もの書けば
恋猫が通り過ぎる
③
蟬聲
夜行路長長的影子
【衛峰訳】
蝉の声
夜道に伸びる人の影lこ
※画像:『流派』表紙と華文二行俳句のコーナー