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今日から、2018年NHK大河ドラマ、林真里子さん作「西郷どん」がスタートします。詩吟を勉強していると、「偶感」「亡友月照十七回忌辰の作」「岩崎谷の洞に題す」など、西郷隆盛(南洲)さんの手による漢詩や「三山を渡る」「城山」といった「西南の役」を扱った漢詩が多くございます。
とくに「偶感」は----
幾歴辛酸志始堅
丈夫玉砕愧甎全
我家遺法人知否
不為児遜買美田
この4行目「児遜の為に美田を買わず(子孫のためにといって良い田を買わない)」が有名です。
あくまでも「敬天愛人」にもとづく「公を優先する」姿勢であり、現在のような「ツケを子孫に負わせる」政治とは明らかに異なります。
また、2行目の「玉砕」は太平洋戦争時に、軍部が多用し「特攻」にもつながったとして批判も多いですが、これまた人(とくに責任ある立場の人)としての覚悟を述べたものです。このように7文字4行で表現する漢詩は、誤解や曲解もされやすいのですが、繰り返し学んでいくことで味わいの深さが増してくるのですね。