「麒麟がくる」最終回。感動した。2つ重要なポイントを考察。
【本能寺の変の要因について】
本能寺の変に至るまでの光秀の心境の変化が上手く描かれていた。
要因については、昔から諸説ある。
①怨恨説:信長への積年の鬱憤
②野望説:光秀が天下を取ろうとした
③朝廷黒幕説:権力奪還を目指す公家が光秀をそそのかした
④四国政策説:長曾我部の扱いに対して信長と光秀で方向性が違った
⑤家康饗応役説:料理の内容(手順?)をミスり信長に折檻された恨み(①よりも突発的)
⑥信長暴走阻止説:天下統一に向け我がままに突き進む信長を戒める
ドラマでは、⑥を本線に、④⑤を絡ませた。そして最後、またこれも⑥に含まれるのだろうが「足利義昭討伐に対する拒否」がトリガーになった。実際そういう命令があったのかは定かではない。でも「武家の棟梁は幕府・将軍である」という光秀としては、今回の主君の命令に従うことはできない。光秀の筋を通す気持ちが謀反に繋がったというのは、観ていてなるほどと思えた。
【エンディングについて】
本編は本能寺の変で終了させたところが良かった。これが、山崎の戦いに敗れ、最後落ち武者狩りの農民に竹槍で殺されるところまで描いてしまうと、大河の主人公の最期としては悲惨だ。メディアでは「『麒麟がくる』は本能寺の変で終わる」と言われていたし、ラスト数話のストーリーの進捗から、山崎の戦いまでは行かないことは推察できた。光秀の最期はいわゆる「ナレ死」にとどめ、数年後豊臣秀吉が関白になり、天下統一の一歩前まで来ているところまでが描かれている。絶妙のタイミングである。
光秀は、山崎の戦いの後、密に生き延び、後に江戸幕府の立ち上げに尽力した、という逸話がある。これは信ぴょう性が低いとされている。ただ個人的には、三代将軍徳川家光の乳母・春日局が、光秀の腹心の斎藤利三の娘である、ということから明智家とその重臣は、徳川家には少なからず影響力を持っていたのだと思っている。
なので「光秀生存説」を活かして?最後駒が、京の街中で光秀と思しき人物を見かけるシーンで終わる(写真)というのは、何とも絶妙な余韻の持たせ方である。
ごちゃごちゃとした講釈はこの辺にして…。
昨年初めから全話観たが、非常に完成度の高い大河ドラマであった。途中コロナで撮影中断。本来は年末に終了する予定が、翌年2月まで延びた。放送回数が減った分は、台本を変えたり、シーンをカットしたり大変だっただろう。しかし長谷川博己はじめ、役者陣は集中力を切らすことなく、素晴らしい演技を見せてくれた。
日本史上最大のダークヒーロー・明智光秀について、新たな解釈を生み出した大傑作である。
【本能寺の変の要因について】
本能寺の変に至るまでの光秀の心境の変化が上手く描かれていた。
要因については、昔から諸説ある。
①怨恨説:信長への積年の鬱憤
②野望説:光秀が天下を取ろうとした
③朝廷黒幕説:権力奪還を目指す公家が光秀をそそのかした
④四国政策説:長曾我部の扱いに対して信長と光秀で方向性が違った
⑤家康饗応役説:料理の内容(手順?)をミスり信長に折檻された恨み(①よりも突発的)
⑥信長暴走阻止説:天下統一に向け我がままに突き進む信長を戒める
ドラマでは、⑥を本線に、④⑤を絡ませた。そして最後、またこれも⑥に含まれるのだろうが「足利義昭討伐に対する拒否」がトリガーになった。実際そういう命令があったのかは定かではない。でも「武家の棟梁は幕府・将軍である」という光秀としては、今回の主君の命令に従うことはできない。光秀の筋を通す気持ちが謀反に繋がったというのは、観ていてなるほどと思えた。
【エンディングについて】
本編は本能寺の変で終了させたところが良かった。これが、山崎の戦いに敗れ、最後落ち武者狩りの農民に竹槍で殺されるところまで描いてしまうと、大河の主人公の最期としては悲惨だ。メディアでは「『麒麟がくる』は本能寺の変で終わる」と言われていたし、ラスト数話のストーリーの進捗から、山崎の戦いまでは行かないことは推察できた。光秀の最期はいわゆる「ナレ死」にとどめ、数年後豊臣秀吉が関白になり、天下統一の一歩前まで来ているところまでが描かれている。絶妙のタイミングである。
光秀は、山崎の戦いの後、密に生き延び、後に江戸幕府の立ち上げに尽力した、という逸話がある。これは信ぴょう性が低いとされている。ただ個人的には、三代将軍徳川家光の乳母・春日局が、光秀の腹心の斎藤利三の娘である、ということから明智家とその重臣は、徳川家には少なからず影響力を持っていたのだと思っている。
なので「光秀生存説」を活かして?最後駒が、京の街中で光秀と思しき人物を見かけるシーンで終わる(写真)というのは、何とも絶妙な余韻の持たせ方である。
ごちゃごちゃとした講釈はこの辺にして…。
昨年初めから全話観たが、非常に完成度の高い大河ドラマであった。途中コロナで撮影中断。本来は年末に終了する予定が、翌年2月まで延びた。放送回数が減った分は、台本を変えたり、シーンをカットしたり大変だっただろう。しかし長谷川博己はじめ、役者陣は集中力を切らすことなく、素晴らしい演技を見せてくれた。
日本史上最大のダークヒーロー・明智光秀について、新たな解釈を生み出した大傑作である。