仕事関係の全国大会。初日の特別講演をzoomで視聴。面白い内容だったのでメモ。
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◆特別講演
「笑顔の日本語〜ユーモアコミュニケーション〜」
講演者:落語家 三遊亭 円楽 氏
〇日本の精神文化
・落語家としての自分のバックボーンを知りたいということもあり、40年前くらい前から、古今東西の笑いの研究をしている。
・「三年に片頬(かたほほ)」という古いことわざがある。「男はめったに笑ってはいけない」という意味。日本人の笑いに対する古い文化である。
・男女平等というが、ついこの間まで男社会だった。「男が」「男なら」みたいに言われていた。
・こういう概念を遡っていったら、神話時代にまで至った。最高神である天照大御神(アマテラスオオミカミ)は女である。
・また古くは8人、10代の女性天皇がいた。日本にだけ「女流文学」の時代がある。
・いわゆる男性社会は鎌倉以降、武家の台頭によるものである。
・江戸時代の武家社会が日本の精神文化に大きな影響を与えている。
・例えば、「上意下達(上位層から下位層への意思疎通)」、「勤勉性(まじめに一生懸命働け)」など。
〇笑いとコミュニケーション
・「笑っちゃいかん」というのもそう。その名残りか、日本人は笑いに下手。「笑いはくだらない」、「笑いは下等なものである」という意識がある。
・しかし、笑いは人間だけが持っている高度な感情である。サルが笑うのは、表情筋が動くだけ。それで笑っているように見えている。
・他の動物との違いの一つとして、言葉でコミュニケーションを取るのも人間だけである。
・落語もそうだが、独自の文化はその国の母国語・言語でないと完璧に表しにくい。
・海外のノーベル文学賞作品は翻訳されることが多いが、本人の意図する言葉のニュアンスは完璧に再現できない。
・時代劇などもそう。「おめえ」「きさま」はすべて「YOU」。「おひかえなすって」は「How Are You?」。
〇言葉の役割り
・常識って何だろうか。常識を国ごとに分解していくと変わってくる。何で変わるか。立場である。「男の立場・女の立場」。「経営者の立場・従業員の立場」など。
・では、立場はなんで変わるのだろう。たとえば自転車を例にとる。車から自転車を見るとじゃま。自転車から車を見ると怖い。今度、自転車から人を見るとじゃま。人から自転車を見ると怖い。
・常識と立場と言葉は関わっている。常識は立場で変わってくる。そしてそれを合わせようとするのが言葉なのである。
・言葉を合わせ、立場を合わせて、ある程度の落としどころを探していく。
・「話す」は「離す」に通ずる。自分の気持ちを自分から離して相手に届ける。
・以前ACの広告で「やってますか、言葉のキャッチボール」というのがあった。言葉というボールを相手に投げる。キャッチボールは相手によって投げ方を変える。これはちょっとした気づきである。ドッチボールになると、喧嘩になる。
・公の場はある程度の(言葉の)型が必要。だが、型にはまりすぎるとあまり伝わらない。日本の英語の授業が顕著な例。文法が先にきて話せない。「上手く言おう」「間違えてはけない」となると伝わらない。
・「ありがとう」、「ごめんなさい」は魔法の言葉である。日本は、この二つの言葉は言い方一つで両方の意味を伝えることができる。
〇ストレス解消
・「ストレス」という言葉が日本に入って来て、「ストレス」が増加したと思う。
・イライラがたまると、攻撃的になる。究極的には、殺行為におちいる。またそれが内にこもると自殺に走る。
・自殺者は年間3万人を超えている。
・自殺に至るというのは、精神構造的におかしくなっている。ガス抜きをするべきである。
・ガス抜きの一つに「忘れる」という方法がある。一番強い「ストレス」は人の死である。通夜、告別式、四十九日…、とスパンが伸びているのは、日々日常の中で、思い出として持っていながら、法事法要を行いつつ、ゆるやかに忘れるという方法である。
〇まとめ 〜良いコミュニケーション〜
・たくさん声を出して、たくさんおしゃべりをして、たくさん人とお付き合いをしていれば大丈夫。
・だがこのコロナ禍の状況下、難しい。どうしたらいいか。
・コミュニケーションが取れなくなってきたら、対人関係に気を付けること。
・笑顔が少なくなっているのは、人と会いたくなくなってきているというサイン。
・笑顔は無防備の照明。笑顔をもって言葉を出しているうちは、大丈夫。
・例えば、家に帰って、「ただいま」に「遅くなってごめんね」等と一言プラスαを入れてみると、家族から「遅くまで大変だったね」等をかえってきて、風通しがよくなってくる。
・発する言葉に一言ずつ足していくと、効果は3倍になる。
・良いコミュニケーションは笑顔から。良いコミュニケーションをたくさん作って下さい。
以上
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◆特別講演
「笑顔の日本語〜ユーモアコミュニケーション〜」
講演者:落語家 三遊亭 円楽 氏
〇日本の精神文化
・落語家としての自分のバックボーンを知りたいということもあり、40年前くらい前から、古今東西の笑いの研究をしている。
・「三年に片頬(かたほほ)」という古いことわざがある。「男はめったに笑ってはいけない」という意味。日本人の笑いに対する古い文化である。
・男女平等というが、ついこの間まで男社会だった。「男が」「男なら」みたいに言われていた。
・こういう概念を遡っていったら、神話時代にまで至った。最高神である天照大御神(アマテラスオオミカミ)は女である。
・また古くは8人、10代の女性天皇がいた。日本にだけ「女流文学」の時代がある。
・いわゆる男性社会は鎌倉以降、武家の台頭によるものである。
・江戸時代の武家社会が日本の精神文化に大きな影響を与えている。
・例えば、「上意下達(上位層から下位層への意思疎通)」、「勤勉性(まじめに一生懸命働け)」など。
〇笑いとコミュニケーション
・「笑っちゃいかん」というのもそう。その名残りか、日本人は笑いに下手。「笑いはくだらない」、「笑いは下等なものである」という意識がある。
・しかし、笑いは人間だけが持っている高度な感情である。サルが笑うのは、表情筋が動くだけ。それで笑っているように見えている。
・他の動物との違いの一つとして、言葉でコミュニケーションを取るのも人間だけである。
・落語もそうだが、独自の文化はその国の母国語・言語でないと完璧に表しにくい。
・海外のノーベル文学賞作品は翻訳されることが多いが、本人の意図する言葉のニュアンスは完璧に再現できない。
・時代劇などもそう。「おめえ」「きさま」はすべて「YOU」。「おひかえなすって」は「How Are You?」。
〇言葉の役割り
・常識って何だろうか。常識を国ごとに分解していくと変わってくる。何で変わるか。立場である。「男の立場・女の立場」。「経営者の立場・従業員の立場」など。
・では、立場はなんで変わるのだろう。たとえば自転車を例にとる。車から自転車を見るとじゃま。自転車から車を見ると怖い。今度、自転車から人を見るとじゃま。人から自転車を見ると怖い。
・常識と立場と言葉は関わっている。常識は立場で変わってくる。そしてそれを合わせようとするのが言葉なのである。
・言葉を合わせ、立場を合わせて、ある程度の落としどころを探していく。
・「話す」は「離す」に通ずる。自分の気持ちを自分から離して相手に届ける。
・以前ACの広告で「やってますか、言葉のキャッチボール」というのがあった。言葉というボールを相手に投げる。キャッチボールは相手によって投げ方を変える。これはちょっとした気づきである。ドッチボールになると、喧嘩になる。
・公の場はある程度の(言葉の)型が必要。だが、型にはまりすぎるとあまり伝わらない。日本の英語の授業が顕著な例。文法が先にきて話せない。「上手く言おう」「間違えてはけない」となると伝わらない。
・「ありがとう」、「ごめんなさい」は魔法の言葉である。日本は、この二つの言葉は言い方一つで両方の意味を伝えることができる。
〇ストレス解消
・「ストレス」という言葉が日本に入って来て、「ストレス」が増加したと思う。
・イライラがたまると、攻撃的になる。究極的には、殺行為におちいる。またそれが内にこもると自殺に走る。
・自殺者は年間3万人を超えている。
・自殺に至るというのは、精神構造的におかしくなっている。ガス抜きをするべきである。
・ガス抜きの一つに「忘れる」という方法がある。一番強い「ストレス」は人の死である。通夜、告別式、四十九日…、とスパンが伸びているのは、日々日常の中で、思い出として持っていながら、法事法要を行いつつ、ゆるやかに忘れるという方法である。
〇まとめ 〜良いコミュニケーション〜
・たくさん声を出して、たくさんおしゃべりをして、たくさん人とお付き合いをしていれば大丈夫。
・だがこのコロナ禍の状況下、難しい。どうしたらいいか。
・コミュニケーションが取れなくなってきたら、対人関係に気を付けること。
・笑顔が少なくなっているのは、人と会いたくなくなってきているというサイン。
・笑顔は無防備の照明。笑顔をもって言葉を出しているうちは、大丈夫。
・例えば、家に帰って、「ただいま」に「遅くなってごめんね」等と一言プラスαを入れてみると、家族から「遅くまで大変だったね」等をかえってきて、風通しがよくなってくる。
・発する言葉に一言ずつ足していくと、効果は3倍になる。
・良いコミュニケーションは笑顔から。良いコミュニケーションをたくさん作って下さい。
以上
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