近所の散髪屋へ行くと、「リフレッシュオープン」というのぼりが立っていた。マスターに聞くと、周辺に安い店が増えてきたので、それに対抗するために大幅値下げをしたのだと言う。これまでカット1800円だったのが、1200円。だからと言って、所要時間が短縮されたとか、何かのサービスを止めたとかではない。中身はいつも通り。「その分、お客さんが増えてますから、営業的にはあまり変わらないッスよ」とマスター。こういう値下げは消費者にとってありがたい。
この度の、関越自動車道で7人が死亡したバス事故で、「居眠りをしていた」と供述している運転手のスケジュールが明らかになってきた。相当ハードな業務をこなしていたようである。私は利用したことがないのでよく知らないのだが、激安バスツアーでは、旅行会社の下請けで、バス運行会社が、かなり無理なコスト削減を図っているらしい。本来、深夜の長距離便だと、ドライバー二人体制で、交代しながら運行する。激安ツアーの場合は、二人だとペイしないので、一人が強行軍で運転することが多いそうだ。
値段を下げても、商品やサービスの質を落とさず、薄利多売路線を取る流通業者。生産拠点を人件費の安い海外へ移し、コストダウンを図る衣料メーカー。余計な機能を省き、製品をシンプルにして価格を下げる家電メーカー。
値下げには、それぞれの理由がある。
今回のツアーでは、人命に関わる安全面のコスト(人件費)が、ないがしろにされていた可能性が高い。異常に価格が安い裏側では、サプライサイドは「工夫」を超えた「無理」をしているのである。事故は、デフレ経済が引き起こした悲劇という言い方は大袈裟か。
ロープライスはもちろんありがたい。しかしその一方で、コスト面のどこが削ぎ落とされているのかを考察することが、消費者のリスクマネジメントとして重要なのである。
この度の、関越自動車道で7人が死亡したバス事故で、「居眠りをしていた」と供述している運転手のスケジュールが明らかになってきた。相当ハードな業務をこなしていたようである。私は利用したことがないのでよく知らないのだが、激安バスツアーでは、旅行会社の下請けで、バス運行会社が、かなり無理なコスト削減を図っているらしい。本来、深夜の長距離便だと、ドライバー二人体制で、交代しながら運行する。激安ツアーの場合は、二人だとペイしないので、一人が強行軍で運転することが多いそうだ。
値段を下げても、商品やサービスの質を落とさず、薄利多売路線を取る流通業者。生産拠点を人件費の安い海外へ移し、コストダウンを図る衣料メーカー。余計な機能を省き、製品をシンプルにして価格を下げる家電メーカー。
値下げには、それぞれの理由がある。
今回のツアーでは、人命に関わる安全面のコスト(人件費)が、ないがしろにされていた可能性が高い。異常に価格が安い裏側では、サプライサイドは「工夫」を超えた「無理」をしているのである。事故は、デフレ経済が引き起こした悲劇という言い方は大袈裟か。
ロープライスはもちろんありがたい。しかしその一方で、コスト面のどこが削ぎ落とされているのかを考察することが、消費者のリスクマネジメントとして重要なのである。