
6月度の人間塾in関西に参加する。課題図書は「韓非子」。以前に一度読んでいて、今回じっくり読み返す良い機会になった。
◇本日のお題
◆お題①
「人間はなぜ欲望のままに動くのか? (p191)」。韓非とご自分、現代の人間観を比較し、あなたの考えを述べてください。
■お題①の発表
・欲望の質が違う、「生きる」ので精一杯、親子も、妻子でも信じられない時代。今は衣食住足りて次のことを考えられる。欲望は、その時代に必要なことをやるための原動力昔から見たら読書会なんて贅沢だったかも?
・欲望がある人の子孫が今繁栄しているともいえる。P192人は「利」でしか動かない。人の本質は変えられない。
・マズローの欲求5段階説が思い浮かぶ、今は更に「自己超越」、「利他の精神」へ繋がっていく。自分の利益だけだと衰退するのでは?
・若い時読んだ時は、「人をどう操るか」の視点で読んだ。今はそれだけではダメだけど、人の本質は変わらない。但し+α(社会貢献、SDGsなど)が求められている。
◆お題②
印象に残ったところをその理由と共に述べてください。
■お題②の発表
・P174平均的な人間のための支配の技術、その支配のために「法・術・勢」を駆使する。この中で平均的な人には、臨機応変の「術」は難しい。普通の人だったら、「刑・罰」を自分では行いたくない。
・P132業績を予想より超えても罰するは、今だと受け入れられないかも?
・奥さんや息子に寝首を掻かれないようにするという厳しい時代。「正しさ」より「利」が重視。「利」とは生存本能なのか?
・法家~社会秩序を保つため、「道徳・礼」から「法」へ。
・現実的な政策論、価値判断(正しさ、道徳)を横に置いて、価値判断だと人それぞれだが、「利」だと皆共通となる。
・経済学~道徳を置いといて「利」(効用)で考える。
・当時は、絶対君主のための法律、今は一般の人のための法となっている。
・キングダムと同時代のことで、時代背景が良く分かった上で読めた。
・「法」は、命を狙われる専制君主を守るためのものであった。後のイギリスのマグナカルタでは、貴族側が君主の権限を縛り、貴族側の利益を守ろうとした。
◇塾頭総評
・今風に言うと、信頼の成り立ちにくい人間関係を「いかに部下を使いこなすか」、「裏切らせず、いかに服従させるか」を説いた本ともいえる。
・「利」は人間の行動を決める大きなファクターで昔も今もそこは変わらない。考えの根を学びで「私利」から「公利」へと持っていきたい。
・P86法術の士は、使命感を持った利害を超越した人。
・権謀術数の乱れた世界に、立派でない君主でも強い国家を作るためのやり方を記述。内紛が戦争がない世界が一般民にとっても幸せな世界ではないかと考えた。
・法家の思想を受け継いで、国を強くしたのは結局秦の始皇帝などのスーパーマンで、普通の君主ではなかった。
・P244君主の恣意による法治の破綻に対しては、道家の「道」(天理、自然な流れ)によるとし、儒家の「徳」により君主を否定している。