物部の森

日常感じたこと、趣味のこと、仕事のこと・・・等々
日記風に書いてます。

【書籍】メメント・モリ

2009年03月13日 | Weblog
 『メメント・モリ』(藤原新也著、三五館)を読む。

 「メメント・モリ(Memento mori)」とはラテン語で「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」という意味の警句である。本書の旧作は1983年に出版されずっとロングセラーだった。桜井和寿は本書に影響を受け、『花-Memento Mori』を書いた。私の友人にも「この本に救われた」という者がいる。この度、写真22点、コピー21点を新たに収録し、昨年末、この『改定版メメント・モリ』が刊行された。あまり野暮な書評はしない方がいいだろう、ガンジス川に浮かぶ死体の写真が「ニンゲンの死生観」を雄弁に語ってくれている。


私が好きなコピーはこれ。

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肉親が死ぬと、殺生が少し遠ざかる。
一片の塵芥(ごみ)だと思っていた肩口の羽虫にいのちの圧力を感じる。
草を歩けば草の下にいのちが匂う。
信仰心というのはこんな浅墓な日常のいきさつの中で育まれるものか。
老いた者の生きものに対するやさしさは、ひとつにはその人の身辺にそれだけ多くの死を所有したことのあらわれと言えるのかもしれない。
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