落語と私
桂米朝
文春文庫・360円
☆☆☆
甥っ子にあげた落語の本を、再読したくて正月に持って来て貰う、
・・・・・・借りたのか、返してもろうたのか、難しいところだが、
土曜日の法律相談で仁鶴さんに聞かなければ、あかんとこですな。
その中から、1986年、第一刷とあるので、34年前に購入した
米朝さんの「落語と私」を再読する。
昭和50年に、米朝師匠が、中学生、高校生を対象にして書かれたそうだが、
内容は、事細かに、落語論が述べられている。
ひとつひとつの項目が、落語を聴く上で、更におもしろみが増すこと間違いなし。
その一番の味方は、漢字にルビがふってある事である。
金明竹の早口の立て弁などは、音読での落語のリズムと、
漢字からの意味が、両方、いっぺんに解る。
昔の本は、音読みと訓読みが、一気に満たされたんですな。
本の良さは、10年、20年後、読んだ時、読み手が変わっているので、
本の中味、内容までが、違うことでおます。
一冊で、二度、三度、楽しめる・・
良い本は、必ず手元においておかれる事を、今後ともお勧めしまっせ。
最後に、米朝師匠がむかし、師匠米團治から言われた言葉を最後に記します、とあるので。
私も、そのまま転載を、
「芸人は、米一粒、釘一本もよう作らんくせに、酒が良えの悪いのと言うて、
好きな芸をやって一生を送るもんやさかいに、むさぼってはいかん。
ねうちは世間がきめてくれる。ただ一生懸命に芸をみがく以外に、世間に
恩返しの途はない。また、芸人になった以上、末路哀れは覚悟の前やで。」
その、米朝さんが、人間国宝で、35年後に文化勲章受賞でおます。
50歳の時に書いておられるのが、逆に重みがありますな。
落語ファン、最優先で購入すべき本でおます。
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