ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

歌集・滑走路~萩原慎一郎

2020-12-15 05:05:05 | 本の少し

 

☆☆☆

三年前から気になっていた歌集、図書館で借りてようやく読みました。

前半は気になる歌が多かったですが、後になるほど少なくこれって詠んだ順に並んでいるんでしょうか、それとも意図的に編集されたもんなのでしょうか・・・いずれにしても、仕事、生きることへの困難をうかがえ知ることができる。

その中でも、私は明るい希望に満ちた歌が好きなようです。

気に入った歌を、覚え書きしときます。

いろいろと書いてあるのだ 看護師のあなたの腕はメモ帳なのだ

更新を続けろ、更新を ぼくはまだあきらめきれぬ夢があるのだ

夕焼けをおつまみにして飲むビール一篇の詩となれこの孤独

今日という日もまた栞 読みさしの人生という書物にすれば

空だって泣きたいときもあるだろう葡萄のような大粒の雨

提げている袋の中におにぎりと緑茶を入れてもうすぐ春だ

至福とは特に悩みのない日々のことかもしれず食後のココア

歌作とはこころの森に棲む鳥の声に耳を澄ますことなり

靴ひもを結び直しているときに春の匂いが横を過ぎゆく

ただ好きと言えばいいわけじゃないのだ  大人の恋はむずかしいよね

 

 


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