ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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妹背山婦女庭訓~2016年4月文楽公演

2016-04-09 15:44:02 | 文楽・歌舞伎・能
妹背山婦女庭訓~2016年4月文楽公演






国立文楽劇場前も、妹背山のごとく桜満開。

今回は、グループ会社から移籍予定で初文楽というY氏とご一緒に。

初段・・・・小松原の段

ことの起こりというか、今回の切り場になる妹山背山の段に繋がる、
久我之助と雛鳥が一目ぼれして恋におちいる、それと久我之助が宮中から
逃げた采女を助ける話。吹き矢筒を使って恋を囁くとは粋な演出でおます。


初段・・・・蝦夷子館の段

入鹿の妻めどの方は舅、蝦夷の悪心を諌めるが、逆に殺されてしまう。
浄瑠璃の世界、次々によく人が殺されますな。

その蝦夷は、息子入鹿の訴えで訪れた勅使の前で抗弁の余地がなく切腹。
その勅使の胸を射ぬいた矢を放ったのは、入鹿。入鹿の悪の本性・・・ああ、こわ。


二段目・・猿沢池の段

盲目の帝が采女を連れて、猿沢で、蝦夷の切腹の報を聞き、続いて入鹿謀反の報も入る。
目まぐるしく、情報が飛びかっているということですか・・・・。


三段目・・太宰館の段

太宰館の段は、三段目の口の段。

入鹿は、太宰館で既に天皇のごとく振る舞い、領界をめぐって争っている
太宰と大判事の両家に、采女の入水は嘘で匿っていると疑い、
久我之助の出仕と、雛鳥を妻に差し出すように銘じる。


三段目・・妹山背山の段

さて、三段目、そして本日の切り場、妹山背山の段、通称山の段。

太夫の語りが始まっても、しばらくは舞台は紅白横段の幕が・・・。

外れると、舞台中央を吉野川が流れ、上手に久我之助のいる山館。
下手には雛鳥のいる下屋敷が、三味線も太夫も上手と下手に分かれて、
両館で起こる話を交互に綴って進めていく。

この前観た忠臣蔵の七段目の一力の場は、上中下の三階建てのオモシロさでしたが、
今回は横拡がりの見た目にも、音的にも、パノラマ、ステレオのビジュアル感満載。

二人の親は、入鹿の命に従う時は、花の枝。背く時は花の散った枝を川に流すと
約束するが、若い二人は自分死を選ぶが、相手は助けたいので花の枝を流してと・・・。

ここら辺りが、浄瑠璃の世界ですな、相手を想い我が身を犠牲に。

でも、御家を守る為に娘と息子の命を犠牲に、義に殉じて恋を貫くなんて、
恋物語と親の悲哀が、両方からの語りで展開されます。

この妹山背山の段だけで、二時間弱の長丁場、お連れさんが言うには
おもしろかったし、二等席の2400円は安いし、でも最後の段は
太夫さんだけではなく、こちらまで肩に力が入って疲れましたな・・・と。


文楽凄い。

この、最後の妹山背山の段だけでも、幕見席(1500円)で見てほしいですな。
(当日発売で16席しかありませんが是非)

お勧めでおます。


妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)~2016年4月文楽公演
2016年4月9日(土)午前11:00開演
国立文楽劇場

第一部
初段・・・・小松原の段・蝦夷子館の段
二段目・・猿沢池の段
 三段目・・太宰館の段・妹山背山の段


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